HaKUが見せた溢れる「衝動」[1]

自由奔放のなかにあるHaKUの「衝動」とは/photo by shingo tamai

 「『衝動』があふれている!」――。彼らのライブのスタートに、そんな印象を覚えた。彼らの名前はHaKU。今年で活動8年を迎えた彼らは、3枚のミニアルバムをリリース、メンバーはドラマーの長谷川真也、ギター&ボーカルの辻村有記、ベース&ボーカルの三好春奈、ギターの藤木寛茂からなる4ピースのバンドだ。

 11月18日にテレビドラマ『監獄学園-プリズンスクール-』のオープニングテーマとなったニューシングル「衝動」をリリース。9年目となる来年、そして迫り来る10年に向けて勢いを増した活動を続けている。

 そんな彼らはリリースを記念し、24日にワンマンステージ「『衝動』Release Party in Tokyo」を敢行した。新たなナンバーに「衝動」という名前を付けたその真意とは? また、10年の区切りの年に向かって、彼らはどこを目指そうとしているのか? 今回は東京・代官山LOOPで行われたそのステージより、その真意を探ってみた。  【取材・桂 伸也】

飛び回る個性あふれる音

HaKUが見せた溢れる「衝動」[2]

photo by shingo tamai

 定刻を少し過ぎた後、SEとともに彼らはステージに現れた。リズムに合わせ、意気揚々とした表情をしていた彼らだが、そこに何か気負ったものは感じられなかった。そしてSEのタイミングに合わせながら、ステージはスタートした。

 オープニングナンバーは「asayake」。スマートな雰囲気すら感じられる辻村のボーカルだが、決して弱々しさは感じられない。堅実に打ち鳴らされるバスドラの4ビート、その上で切れのよいギターが16ビートを成し、ベースがしっかりとボトムを支える。

 整然としながら、個性のあふれる音が飛び回る。リラックスムードのAメロから、弾けるような盛り上がりを見せるサビへ。その姿は、まさにこのステージのタイトルにも刻まれた「衝動」という言葉がそのまま表現されているようにも見えた。

 そして「解放源」「dye it white」と、序盤はダンサブルで攻めるような、アクティブなサウンドから、ニューシングルのナンバーである「衝動」へと続く。そして、かつてこの代官山で書いたという「アンチドラマティック」を、辻村が久々と語っていたアコースティックギターでのプレーで響かせた。ポップな雰囲気も織り交ぜ、バラエティ感を醸し出すステージは、彼らの持つ引き出しの多さを感じさせた。

自由奔放のなかにある「衝動」

HaKUが見せた溢れる「衝動」[5]

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 三好のベースには、しっかりとしたラインを描きながらも、時に手の込んだフレーズをサラっと弾きこなすスキルの高さも感じられた。さらに辻村、藤木という2人のギターよる、フラッシーなリフやセンスの感じられるエフェクトも、カラフルな印象をバンドサウンドに与えていた。

 そして、バンドらしさ、HaKUらしさを強く感じさせるリズムをたたき出す長谷川のドラム。基本となるリズムの上に、様々なリズムをうまくちりばめる、その基となるのが彼のリズムだ。

 一見、自由奔放に見える彼らのサウンドには、まさしく聴くものに「衝動」を与えてくれる。だが全ての曲、プレーには、いきあたりばったりではない、長く試行錯誤を繰り返した結果に作り上げられた信念のようなものが感じられた。

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