セプテンバーミーが繰り出す「3人ならではのサウンド」とは
INTERVIEW

セプテンバーミーが繰り出す「3人ならではのサウンド」とは


記者:編集部

撮影:セプテンバーミーの魅力とは[1]

掲載:15年11月19日

読了時間:約16分

混ざり合えば形も変わる

撮影・ヨコマ キミヨ

撮影・ヨコマ キミヨ

――この3人が集まった馴れ初め、バンド結成の経緯は?

土肥 僕が前身バンドを立ち上げていたんですが、そのバンドにココナッツ、次に岸波が入ってきて、そのタイミングでオリジナルメンバーが僕以外全員いなくなってしまいまして…でも、その時に「もう別バンドじゃん!」と思ったのが、結成のきっかけでしたね。そのときに名前も付きました。

――メンバーは徐々に入れ替わった?

土肥 そうですね、徐々に。

――もともとのサウンドの指向は?

土肥 ポストロックやシューゲイザー、エモとか。どちらかというと内にこもった感じのジャンルをやっていました。

――今の音源には激しさやポップさもあり、いろんな要素がありました。ポップな要素はその頃はなかった?

土肥 全然なかったです。全曲暗い感じというか…(笑)

――昔からそのようなサウンドが指向だった?

撮影・ヨコマ キミヨ

撮影・ヨコマ キミヨ

土肥 いや、僕は実はB'zが好きで、B'zみたいになりたいと思っていましたが、途中でなれないと分かったんで!(笑)

岸波 そんなの、最初に気付いてよ(笑)

土肥 わりと早くそう思ったから、自分が聴きたい音楽を作っていこうと思ったときに、割とそんな自分のネクラなところが出て、気付いたら暗い感じの曲が増えていたんです。

ココナッツ もう本当に暗かったですね(笑)

岸波 なんかすごく病的な、危なっかしい感じでした。一人だけ白装束というか、白い服を着て、他のみんなは黒い服を着るとか。今からは想像がつかないバンドカラーのセプテンバーミーになりましたね。

――想像するのは怖いですね(笑)

土肥 いや、本当にそうですよ。想像するといろんな意味で怖くなっちゃう。黒歴史化しています(笑)

――バンドサウンドが変わったのは、岸波さんとココナッツさんがメンバーに入ったことがきっかけだった? それとも、もともとバンドの中で変化は起きていた?

土肥 2人の影響は勿論あったと思います。入ってくる人の持っている雰囲気もありますし、なにせ愉快な人たちなんで(笑)。「この人とだったらこんな音楽をやってみたい」っていう思いが芽生えて、気付いたらどんどん変わっていったという感じですね。

――なるほど。ちなみにココナッツ先輩がバンドに入った経緯というのはどのようなものだったのでしょうか

土肥 自分のバンドの、前のドラムの奴と以前、一緒にメロコアバンドをやっていたんです。そのバンドが解散になって、俺と新しいバンドをやり始めたあとでベースが必要になったときに、そのバンドのベースを連れてこよう、という話になったんです。

ココナッツ 実はためらってたみたいなんですけどね(笑)

土肥 スタジオで初めて会った時に、ココナッツがゲームしながら来て。そして「おはようございます」とか挨拶したら、またゲームをやり始めて…で、終わったら「お疲れしたー」って、またゲームしながら帰る、って(笑)

ココナッツ 内気でしたね、今考えると…あんまり覚えてないけど…(笑)。でも、バンドをやって大分社交性は増したと思っています。

土肥 良かったな!(笑)コミュニケーションをしよう、という雰囲気が当時は全然感じられなくて。でも音は良かったんですよ。「あれ? いいじゃん! メロコア好きなんだね」って感じのフレーズだったし。

――では、結構ライブでは激しく暴れる感じですか?「アグレッシブなライブが、シーンでさまざまな話題を呼ぶ」と、Webのプロフィールでは記載されていますが…

土肥 …ある意味では、アグレッシブではあります(笑)。ココナッツはライブでは演奏しながら歌ったりとかもするし。気持ちがアグレッシブというか…

ココナッツ 気持ちが前に出過ぎちゃうんですよね(笑)

――でも音に共感を覚えた、というのは良い結果でしたね。岸波さんはどういった経緯で入られたんですか

撮影・ヨコマ キミヨ

撮影・ヨコマ キミヨ

土肥 実は僕、以前はライブハウスで働いていたんですが、岸波はそのライブハウスで対バンしたバンドのドラムで、どこかに良いドラムがいないかなと考えていたところで「いた! あの子だ!」って見つけまして。

岸波 でも私は、当時やっていたバンドでドラムと一緒にシンセサイザーをやっていたんです。それで実は当時、彼はシンセサイザーを探していて、SNSで「キーボードで入ってくれない?」って連絡をしてきたんです。「あれ? 私ドラマーなんだけど…」と思ったけど…。

――それでも入ろうと思ったのですか

岸波 そうですね。当時自分がやっていたバンドが解散しちゃって、私は何もやってなかったし。「でもシンセかあ…」と思いつつ、ちゃんと音源ももらってライブも行って聴いていました。でもその時、一度「やっぱり私はドラムを叩きたくなるので、お断りします」と断ったんです。ところがそれをきっかけでライブを見に行っていたときにちょうどそのドラムの人が抜けて、サポートドラムをやることになったんです。そこから正式メンバーになりました。

――以前からピアノなんかはやられていたのでしょうか?

岸波 そうですね、小さなころ指が長いというだけで「習ってみたら?」と言われてやったんですが、2年も持たずにやめてしまいました。左手ができなくて(笑)

――女性のドラムってどうなんでしょう?あまり人口が多いようにも見えないですが…どんなきっかけでドラムを始められたのでしょうか

岸波 そうですね。最近はちょっと増えてきたけど、始めたころは確かに少なかったですね。最初は、吹奏楽に入ったのがきっかけだったんです、中学のときに。ドラムをやりたいって思ったきっかけも変なんですけど、そのころはスポーツをやっていて、そのスポーツをやっていた仲のいい男の子が、合同演奏会でドラムを叩き出したんですよ。「なんであいつはドラムが叩けるんだ!?いいな~」って思って、吹奏楽に仮入部しちゃったんです。それで第1希望のパーカッションに入れることになって。「ドラムやりてーな」だけで入って、高校のときにバンドを始めました。だからもし吹奏楽に入ったときの希望が通らなかったら、多分私はドラムをやっていなかったですね。

――本当に不思議な縁ですね。吹奏楽をやり始めては、クラシックなんかも聴いてはいたのでしょうか

岸波 いや、単にドラムをやりたいだけで入ったし、ドラムの基礎はいずれ教えてもらえると知っていたから…ただ、確かに演奏すること自体は好きでしたね、もともとピアノをやっていたということもあるし。

――そのころ聴かれていたのはどんなものだったのでしょうか

岸波 クラッシックは特には聴いていなかったけど、普通にJ-POPなんかはよく聴いていましたね。お母さんが聴いていたB'zとか(笑)

――やはりB'zですか。共通点ですね(笑)。土肥さんとは他にも通じるものがあったのでしょうか

岸波 そうですね、昔私が組んでいたバンドも、わりとシューゲイザーとかポストロックだったんで。で、シンセもやっていて。仲良くなったきっかけもB'zがどうのっていうのがあって(笑)当時私が書いていたブログのプロフィールに、好きなアーティストとしてB'zと書いてあったのに反応したらしいんです(笑)。まあそこから話が弾みまして。

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