例えばJazzのギタートリオ、ピアノトリオという形態は、コンボのセッションでも好んでプレーされる形態だ。まさにその個々の個性がぶつかり合ってできる緊張感を音からダイレクトに得られるのがトリオ構成の魅力といえる。もちろんこの構成は、メンバー個々の表現力、問題への対応力が問われ、ひとり一人のプレーに対する責任の度合いが大きくなるリスクも伴う。
しかし、今回紹介するロックバンド、セプテンバーミーは、そんなトリオ構成の利を生かして、カラフル且つ緊張感抜群のサウンドを奏で、近年そのアグレッシブ且つエモーショナルなライブで話題を集めているバンドだ。ギター、ボーカルの土肥大人を中心に、ココナッツ先輩、岸波藍という、3人のミュージシャンで構成されているこのバンドは、この11月に自身3枚目となるミニアルバム『Godspeed you!』をリリースする。
彼らには、人間離れした楽器のテクニックがあるわけでもない、何か目を向けずにはいられないほどの奇抜な特徴があるわけでもない。しかし、彼らの音には、なぜか耳を傾けたくなる魅力がある。それは、まさにこの3人の個性がぶつかり合って出来たサウンドだからではないか? 何度も繰り返し彼らの音を聴いた時、そんな雰囲気が感じられた。そこには、彼らが「なるべくして集まった」という必然性すら感じられる。
彼らはいかにしてこのバンドとなり得たのか? 今回は彼らのインタビューより、その経緯などを探ってみた。 【取材・桂 伸也】