SCANDALの変化、10周年を前に掴んだ確信とは
INTERVIEW

SCANDALの変化、10周年を前に掴んだ確信とは


記者:村上順一

撮影:[写真]SCANDAL10周年を前に掴んだ確信(1)

掲載:15年10月14日

読了時間:約22分

昔のSCANDALの音楽に影響を受けている

[写真]SCANDAL10周年を前に掴んだ確信(3)

世界ツアーを振り返るRINA。日ごろから考えているものは「その年齢とか時代に合わせてちゃんと変化できるバンドでありたい」(撮影=木村陽仁)

――ツアーを回られて作曲方法など楽曲に変化はありましたか

RINA サウンドは変わったよね。

TOMOMI 好みのサウンドが変わったというか、そういうのが好きなんだというのに改めて気づいたという感じです。今回のシングル「Sisters」や前作の「Stamp!」もそうなんですけど、ミックスをトム・ロード・アルジというアメリカのエンジニアに頼んだりとか、レコーディングのやり方もスタジオに籠るのではなく扉を開けてオープンな状態にして、すごく広い空間でアンビ感を出しながらレコーディングしたんですよ。自分たちがソングライティングをするようになってからイメージとして膨らませていった「完成系」に近かったんですよね。

――最近のサウンドを聴いていると過去の曲よりロックバンドっぽさが強くなってますね

TOMOMI ボーカルが一番前にいるわけではなく、リズムが一番前に出てるというか、声も含めてひとつのアンサンブルという考え方だったので。

――確かに一般的なJ-Popに比べると若干ボーカルの音量が小さいかなと思ったのですが、それは意図されてのことだったのですね

TOMOMI そうですね。海外ではそういうミックスが多くて、そのサウンドが好きなんだなと思いました。

HARUNA 洋楽の要素を取り入れて曲を作りたいなと思っているので。

――ミックスエンジニアをトム・ロード・アルジ氏に決めた時は、皆さんがプロデューサーに相談した

TOMOMI 「こういうサウンドにしたいんだ」という話をして、レコード会社の人に勧めてもらったのがトム・ロード・アルジだったんです。彼のワークスを調べたら自分たちが好きで聴いてるバンドのミックスをしてたりする人だったので。GREEN DAYとかアヴリル・ラヴィーンとか。それで決めました。

――デビュー当時と今を比べるとバンドはどのように変化してきたと思いますか

RINA デビュー当時は高校生だったので、書く歌詞もその年齢にあった言葉だったし、恋の歌を作ってもその年齢に合ったものだったので変えてるつもりはないんですけど、歳を重ねるごとに思うことも見える景色も変わってきたり、自然に変化していってると思うんですよね。自分たちで作詞作曲するようになったというのが一番大きいと思っていて、今は自分たちでやっているのでデビュー当時との音楽の違いはそこなのかなと思います。でも、違うことをやろうとか変わろうなどみたいなのを昔は否定してやっているわけではなくて、その当時の自分たちの音楽があったから今自分たちで作れるようになったので、昔のSCANDALの音楽に今の自分が影響を受けているという状態ですね。

――「Sisters」は冷戦期に公開された映画に影響を受けたという話がありました。ツアーで訪れた欧州は、歴史的にも深い土地で、何度も激戦が繰り広げられてきました。歴史ある地に触れてみた心境はどうでしょうか

RINA 今はチェコにすごく行ってみたいなと思うんですよね。その映画の舞台になったのがチェコなので、そこに実際に足を踏み入れてみたいという気持ちも大きくなったし、この国とこの国が戦っていたのかとかは思いますよね。やっぱり学生で、アメリカとかヨーロッパでライブしていた時はそこまで考える余裕はなかったけど、そういう国々の時代背景を知りながら回れたしそこは随分違ったかも知れない。

[写真]SCANDAL10周年を前に掴んだ確信(4)

「1人のソングライターとして自信がつきました」と語るMAMI(撮影=木村陽仁)

――余裕がなかったとの事でしたが、今は余裕をもって物事を見られる状況ですか

RINA 余裕を持っていろんな事をしていきたいなと思っていて、少しの余白をちゃんと心に残しておこうと心がけている感じではあります。いっぱい一杯でやっていちゃなんかもったいない気がしていて。

――MAMIさんは先ほどメキシコで世界遺産に触れたという話もありましたけども、歴史を振り返ってみようとかは

MAMI 歴史をがっつり振り返ってみようというのはなかなか難しいんですけど、こういう土地にこういう歴史があって、植民地だった場所が独立してとかそういう話を聞くと、もう一度行った時にみえる景色も違うだろうし、その土地の歴史を知ることはすごい重要だなと思いました。ただただライブしに行って、みんなに会いに行っているだけじゃなくて、その土地のことも知ってもっと行きたいと思うし。

――TOMOMIさんはどうですか。その地に触れて感じたこととかありますか

TOMOMI 小中高で習ったような歴史しか知らないんですけど、そういう国に行くともっと歴史とか状況とかを知って行くとまた全然違うんだろうなと今回改めて思いましたね。実際その土地の空気を吸って体験するから興味も出ますし、行くたびに新しく知識も増えて更にそこから興味も湧いてくるので、どんどん海外で公演することにいろんな国に詳しくなれたらいいなと思いますね。

――HARUNAさんは

HARUNA 世界中がすごく平和だとは言い切れない時代ですけど、戦後70年でいろんな国の音楽をいろんな国の人が楽しんでいるっていう現状はすごく幸せなことだなと思いますね。

――現地の音楽に触れてプラスになったと思うのですがそれは確信的に言えることですか

RINA 面白かったですよ。メキシコのレコード屋さんに行って現地のバンドとかシンガーソングライターのCDとか買ったんですけど、ラテンのノリもちゃんとベースにあって他の国からエッセンスももらっていて、ラテンロックみたいのとか、ラテンポップとか、あと女性のシンガーソングライターがすごく多くてアートワークもすごいオシャレで、色使いとか美意識の美的感覚は独自に発展しているなとすごいメキシコは感じました。

――サウンド面では洋楽の要素を取り入れて行きたいとのことでしたが、そういう事だけにとらわれず、いろんな土地の音楽を今後取り入れて反映されていくのでしょうか

RINA 今はやっぱり西海岸の音楽の要素を入れられていると思っているんですけど、民族的な音楽だったりとかヨーロッパの音楽を追求しても面白いだろうし、いろんなところのエッセンスを取り入れたいと思うし日本で音楽を作って、それをJ-Popとして海外の人たちが私たちの音楽を求めてくれるというのは、うまく輸入できているような感じがして面白いなと思うんですよね。

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