心を現地の人にしてステージに上がる
――10月17日にドキュメンタリー映画が公開されます。見どころは
HARUNA バンドのロードムービーとして楽しんで欲しいなと思います。また、ずっと2台のカメラが密着して8カ国をくまなく撮ってもらっていたので4人の人となりが表れてる作品になっていると思います。これまでファンでライブに来てくれてた方も新たな一面を見ることが出来ると思うし、少し興味があったけど「SCANDALってどんなバンドなんだろう」と思ってくれている方にも凄くわかりやすくSCANDALがどういう風に音楽を作ってるのか、ライブをやってるのかというのがわかってもらえる作品になっています。
TOMOMI 私はすごく好きなシーンがあって、HARUNAがヨーロッパを移動してる列車の中で菜の花畑を見て自分の名前の由来について語るシーンがあるんですけど、そういう心が動いた瞬間とか映像に出来たのはすごい良かったなと思いますね。後に、インタビューなどで「あの時はこう思いました」と言ったりすることは今までも何度も経験はしてきてはいるんですけど、リアルにたった今、心が動いてるというものをパッケージに出来たということが、ずっと密着してもらっていたからこそなんだなと。こういうポロっとした一言だったり心が動いてる瞬間とか、感情が爆発している瞬間とか、一つ一つのドラマを見てもらえたらと思います。
MAMI 各国の景色とか、食べ物とか、人とか、一緒にその国々を旅をしているような感覚で観て欲しいと思います。例えば、飛行機で国境を越えたことはあったとしても、バスや電車で越えることは中々ないと思うし、上から見る景色ではなくてその土地を走っている風景だったりとかその瞬間とかを観てもらえたらいいなと思います。きっと、なかなか観れない映像がたくさん入ってると思いますし、ピラミッドの上からの映像とか本当にあそこに行かないと観れないですから。是非景色も楽しんで欲しいです。
RINA 私は自分が見返してもいつも嬉しくなるシーンがあるんですけど、各国のライブ会場前にカメラマンさんが外に並んでるお客さんにインタビューしに行ってくれて。そのライブに来てくれてるお客さんが“どういう風に私たちのことを好きになってくれたのか”、“どういう風に聴いてくれていのか”とか、“何が好きで観に来てくれたのか”など、いろいろと嬉しい言葉を語ってくれるシーンが沢山あって自分たちも編集で初めて見たんですけど、すごい活力にもなるし、グっときました。自分の想いと照らし合わせながら観てもらえたら嬉しいです。好きなものの好きな理由をこんな言葉でこの国の人は表現してくれているのかというのが観られるシーンだと思います。
――海外で初めて訪れた場所でもライブはすごく盛り上がっていましたが、そこにいる人たちの心を掴む秘訣や心掛けていることはありますか
HARUNA 自分たちの気持ちとしては、日本でライブをする時と変わらない気持ちで演ろうというのを心掛けましたね。日本ではホールでツアーをやっていたんですけど、海外はライブハウスの規模でセットもなかった。けど基本的には同じモチベーションで演るということが大事だなと思っています。あとは現地の言葉で出来るだけMCをするというのは心掛けてました。
RINA 心を外国人にしてステージに上がる方が良いと思います。大きな言葉、強い言葉でMCを話したいと思うし、常に良い演奏を聴かせたいと思いながらプレイをしてました。
MAMI 前に出ることかな。前に出て演奏すればソロとかでわかりやすく盛り上がってくれるんですよ。お客さんの盛り上がりに自分もテンションが上がって自然に前に行ってパフォーマンスをするということになるんですけど、そうするとしないとではだいぶ違うなと思いました。単純に距離も縮まるし、もっと言うと心の距離も縮まるような気がしましたね。
――ドキュメンタリー映画のワンシーンで「海外の方はノリが違う」とおっしゃっていたと思うのですが日本と結構違うものですか
MAMI その土地で違いますね。日本の中でも違うんですよ。それと同じようにその国によって違うし、その国の中でも地域によってきっと違うだろうし。なのでもっと細かく回りたいと思ったんですよ。
――イギリスの空気感は日本のどの地域に似ていますか
MAMI イギリスは老舗のライブハウスで演奏したので、そのライブハウスの常連のお客さんたちもSCANDALのステージを観てくれて。日本のガールズバンドがどいう音楽をして、どういうことを言うんだろうとちょっとシビアな目で観てくれる人もいるし、単純にお客さんがお酒を嗜みながらチラッとステージを覗いてくれてたりとかしてたんです。でも最後は立ちながら観てくれる姿もあったし、嬉しかったですね。日本ではなかなかない体験だったので。
RINA 日本のどの地域というよりか、ワンマンじゃない感じ、イベントで他のお客さんもいる前でどう掴みに行くかみたいな雰囲気だったんです。初めて見てくれる人ばかりだったし、日本のバンドが来るからどんなもんだって来てる人も半分ぐらいはいて、そういう空気はありました。
――沢山のフェスに今まで出演してきた経験がそこで活かされた
RINA そういうのを海外で体験して、日本のフェスで役立ったっていう方が大きいかも。
――訪れた国で住んでみたい国はありましたか
TOMOMI どこの国も素敵な所が沢山あって、住んでみたい国も沢山あったのですが、私は聴く音楽とかインテリアも含め西海岸が好きなのでロスは住んでみたいなと思いますね。
HARUNA 私も基本的にはロサンゼルスが好きなんですけど、でも今回行ってみてイギリスはすごく素敵だなと思いました。町の雰囲気もですけど。私は『ハリーポッター』が大好きなので、それの憧れもあって行ってみて改めてまた来たいなと思いました。
――ドーバー海峡を横断するシーンがありましたがどのような心境でしたか
HARUNA すごく普通に船の中にいた(笑)
TOMOMI フェリーの中がすごい充実していて何でもありました。フードコートとかもあるし。
MAMI ダンスゲームの『ダンスダンスレボリューション』もありましたよ!
――やられましたか
全員 やりました(笑)
TOMOMI プロモーターが元ダンサーだったんですよ。『ダンスダンスレボリューション』がめっちゃ様になっていて、それがフェリーの中で一番テンション上がりましたね。
――そのシーンはドキュメンタリー映画には出てきてないですよね
HARUNA 出てないです。そこはカメラ付いてきてなかった(笑)
――皆さんはデビュー前はダンスやられてたんですよね。久々にやられてみてどうでしたか
HARUNA 『ダンスダンスレボリューション』はあまりやったことない(笑)
――ダンサー魂に火がついたとかは
全員 それはなかったです(笑)
MAMI めちゃくちゃ難しかったですよ。
TOMOMI 難しいの選んでたしね。
――たまにゲームセンターでがっつりやっている人を見かけますけど、あのような感じですか
MAMI そうですね。必死でした(笑)
TOMOMI 楽しかったね。
――RINAさんはどこか住んでみたい国はありましたか
RINA 私はパリですね。フランスが大好きです。もう行く前から好きで家具とかもそうだし、ファッションとかメイクとかも映画から影響を受けてたりするので、本当にその国に行けることを毎回楽しみで嬉しいですね。同じデザインのマンションが一つの通りにずらっと並んでる感じとかもすごい素敵でカワイイなと思いますね。
――MAMIさんは
MAMI うーんどこだろう。メキシコは肌に合ってる感じがします。食もそうだし言葉とかも何も考えずに覚えられそうだなという感じはあります。すごい人もハッピーだし、ずっとみんな笑顔なんですよね。なので見てるだけで本当にこっちまで楽しい気分になるし。世界遺産に訪れてみたり、歴史のことも触れつつ色んなところに観光もしたので興味はすごく深まりました。