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俳優の新谷ゆづみが、FOD(毎週金曜20時~)で配信中&フジテレビTWOドラマ・アニメ(毎週土曜11時~)で放送中のドラマ『今日のさんぽんた』に出演。柴犬・ポン太(声・安田顕)の飼い主で大学受験を控える高校生の「りえ子」を演じる。本作は、小学館『ゲッサン』連載中の田岡りき氏による同名のマンガを実写化。りえ子のボケに、ポン太が心の中でツッコむシュールなお散歩コメディ。MusicVoiceでは主演を務める新谷にインタビューを実施。予測不能のポン太の行動に翻弄されたという撮影エピソードを聞いた。【取材・撮影=村上順一】
「雨」の回は奇跡のカット
――今回ポン太とのツーショットシーンが多く、これまでの主演作品とはちょっと違う雰囲気もあったと思うのですが、座長としての心構えは?
今回は1人でずっと喋っていることが多かったので、とにかく目の前のことを一生懸命やろうという意識でした。座長ということに対してそんなに気負った感じはなく、座長だからこういうふうに振る舞わなければという気持ちはありましたが、だからといって特別何かを意識するということはなかったです。過去にお芝居に集中してもらえたらそれで十分だよと言ってくださった監督がいらして、私もそれが一番大切だなと思ったので、今回もお芝居に集中する、やることはやるという気持ちで臨みました。
――新谷さん演じるりえ子にどのようにアプローチされました?
原作があるので正解があるというのは心強かったです。脚本のみのオリジナル作品は自分次第でどんな方向性にもなるのですが、原作があるからこそ、同じセリフのときにどういう表情しているのかがわかるので、原作で勉強させてもらって、マネできるところはとことん追求しました。また、その場で起こったことに対してはポン太と一緒にその場を楽しむという感じで、できるだけ原作に近い空気感にしたいという気持ちでした。
――ポン太を演じる「のこ」ちゃんは予測不能な動きをするとコメントされていましたが、その場合はこちら側が臨機応変さを求められる?
はい。基本的にはとても賢い子なのですが、たまに予測不能な動きはしていました。急にこっちへ行ったり、あっちへ行ったりというのもゼロではなかったので(笑)。ただ、この純粋さがのこちゃんの魅力だと思うので、そこを無理やりこちら側に連れ込むのではなく、あくまでのこちゃんに合わせて動こうというスタンスでした。できるだけ自然体でいてほしいと思っていました。
――さて、第5話「9歳9月 雨」の回なのですが、りえ子が雨が止んだタイミングで、リードを引っ張ってポン太を散歩に連れて行こうとしたけど、ポン太は嫌がって抵抗するシーンは大変だったのでは?
それが全然大変ではなかったです。のこちゃんはポイントポイントでしっかりお芝居をしてくれていました。リードをある角度で引っ張ると『ゴー!』という感じになるのですが、少し斜め上に引くとそうならないんです。監督のイメージする画もばっちり撮れたみたいで、あのシーンを撮り終えた後、みんなで拍手しました。意外とすんなり撮れたので奇跡のカットでした。
――新谷さんが印象的だった撮影のシーンは?
いまお話ししたシーンも印象的でしたが、空想の中でお散歩をするシーンです。ポン太が空想のお散歩に「もう飽きた」「もうやってらんない」と自ら小屋にすぽっと収まるシーンがとても印象に残っています。あのシーンもこちらからは何も指示はなく、のこちゃんの意思で動いてくれました。監督は「素晴らしいシーンだ」と仰っていて、完璧でした。
――さて、ポン太の声は安田顕さんが担当されていますが、知ったときの心境は?
お話をいただいた時から安田さんがポン太の声を演じられると聞いていましたが、意外とすんなりとイメージが湧いて、安田さんの声で再生しながら原作を読んで、これは絶対面白くなるなと思いました(笑)。
――昔のポン太の時は、安田さんもそれに合わせてちょっと声を高くしていたので、それもいいなと思いました。ところで撮影期間はどのくらいだったのでしょうか。
1ヶ月半ほどです。
――クランクアップのときは寂しかったのでは?
はい。のこちゃんと別れる寂しさもありましたし、無事に最後まで撮り終え、ほっとして涙が出ました。
犬の散歩のコツをつかんだ
――りえ子はアイス好きですが、新谷さんもアイスはお好きですか。
はい! 私もアイスが大好きなので、りえ子と同じく冬でも食べます。さすがに真冬に外では食べないのですが、アイスを食べたくなってしまう気持ちは「わかるわかる」と思っていました。
――新谷さんが最近お気に入りのアイスは?
選ぶのは難しいのですが、あえて一つ選ぶなら「pino」かな? 昔から変わらず今もずっと大好きなんです。他にも「パナップ」や「雪見だいふく」も好きでよく食べています。
――本作にはコンビニもよく登場しますが、新谷さんはコンビニに行ったらよく購入するものは?
やっぱりアイスは買ってしまいます。ふらっと帰りにコンビニに寄って、ご飯を食べるほどでもないけど、ちょっと甘いものを食べたいなとなったら、私はコンビニスイーツではなくアイスを買っちゃいます。
――そういえば、新谷さんはご実家で犬を飼われているとお聞きしたのですが、今回の撮影に役に立ったところはありましたか?
犬を飼い始めたのが、割と最近なんです。和歌山の実家の両親が急に写真を送ってきて「犬、飼いました」みたいな(笑)。まだ1年経ったか、経たないかぐらいで、実家ということもあり散歩とかもほとんどやったことはなかったので、撮影で役に立ったかというと… 逆に今回の撮影で犬の散歩をたくさん経験して、かなりコツをつかみました。
――撮影後に実家のワンちゃんには会いました?
はい。撮影が終わってすぐ実家に帰ったので散歩に行きました。のこちゃんのおかげで散歩はもうお手のものといった感じで、リードさばきのスピードもプロ並みになりました(笑)。
――あはは(笑)。ちなみにワンちゃんのお名前は?
ルビーちゃんです。7月生まれで誕生石がルビーだったので、家族で話し合って付けました。
――いい名前ですね! さて、今回やまもとはるとさんの「散歩道」が主題歌です。曲を聴かれてどんなことを感じましたか。
ドラマで聴いたときは散歩道の風景と柴犬、女の子という世界観にマッチしていて、この作品に合いすぎていると思いました。メロディーと歌詞も素晴らしいのですが、特にやまもとさんの歌声がしみじみと染みました。CDをいただいたので、帰ってからあらためて聴きたいと思っています。
――ちなみに普段はどんな音楽を聴いていますか。
ジャンルとか気にせずいろんな曲を聴くので、これって決まっているわけではないんです。昔から好きな曲をプレイリストにして聴いているのですが、もういつ追加したかわからないような曲もミックスされて流れているみたいな感じです。ただ、歌が入っていないインストの曲を聴くことが多いかもしれないです。寝る前に睡眠用の曲を聴いたりしています。
――最後にどんな方にこの作品は観てもらえたら嬉しいですか。
気張って「よし、観るぞ!」という作品でもないと安田さんとも話していて、ポン太とりえ子、時々登場するお友達、幼少期のりえ子、どこかは公表されていないけど田舎の散歩道という、とても穏やかな空気感の中で繰り広げられるりえ子とポン太の関係性が素敵な作品です。シンプルにポン太がかわいいとか、りえ子が面白いと思ってくれるだけでもいいなと思っていて、ドラマを観てちょっとクスッと笑って、ほっこりして、感動したりしてもらえたらいいなと思っています。フラットに穏やかな気持ちで観ていただけたら嬉しいです。
(おわり)
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