Little Glee Monsterが21日、神奈川・パシフィコ横浜国立大ホールで全国ツアー『Little Glee Monster Live Tour 2023 “Fanfare”』最終公演を開催した。2022年11月に加入したミカ、結海、miyouを含む編成で臨む初の大規模ツアーは、昨年4月22日からスタート。同年12月までに全19公演を実施し、年をまたいでツアーファイナルが行われた。

 バンドメンバーがステージに登場すると、会場は歓声で湧き上がる。BGMに合わせたクラップで一体感を作っていくと、そのまま場内が暗転。バンドメンバー5人がそれぞれ息の合ったマーチングドラムを披露すると、客席の中にメンバーが姿を現し、本ツアーのオープニングナンバー「Fanfare Opening」を歌い始める。このサプライズにガオラーは大興奮し、かれんの合図に導かれ会場がひとつになって歌声を響かせていく。

 続いて、バンドメンバーが軽やかなインストナンバーを奏でると、メンバーがステージへ移動する姿がスクリーンに映される。走りながらステージへ向かうその様子に、客席からは「頑張れー!」などの声が湧き起こり、メンバー6人がステージに勢揃いしたところで「全力REAL LIFE」にてライブは本格的にスタート。白を基調にした衣装を纏ったメンバーはパワフルで伸びやかな歌声を客席に届け、続くソウルフルな「⻘い風に吹かれて」とともに会場の熱気を高めていく。

(撮影=Yusuke Satou)

 最初のMCでは、MAYUが「今年は新年に入ってから胸が苦しくなる出来事がたくさんあったんですが、そんな中でも私たちにできることは歌を届け続けること。微力かもしれませんが、私たちの音楽が希望の歌になればいいなと、そんな気持ちで今日は最後まで歌わせていただきます」と挨拶。続けて「(会場が)広いし、せっかくなので踊りながら楽しんでいただけたら」と、「WONDER LOVER」を筆頭にダンサブルな楽曲を立て続けに投入する。同曲ではかれん考案の振り付けをツアー中に積み重ねたことで、より一体感の強いダンスを楽しむことができた。その後も「Heart feels...」「Rolling Rolling Rolling」とグルーヴィーなナンバーで会場を巨大なダンスフロアへと一変させる。

 結海が「温かく迎えてくれる皆さんがいるから、新体制1周年を迎えることができました。これからも6人で新しいことに挑戦していきたいです」と告げると、その第一歩としてメンバー全員で作詞に挑戦した「Go For It」をライブ初披露。6人の思いが込められたこの曲に対し、客席からは温かなクラップや声援が送られる。ポジティブさがダイレクトに伝わる「HELLO NEW DAY」で客席に多幸感を充満させると、続くミディアムバラード「今この瞬間を」では心温まる歌声と美しいハーモニーで聴き手を優しい空気で包み込み、代表曲のひとつ「ECHO」では逞しさや力強さを伴う歌声でガオラーたちを圧倒させた。

 ライブ中盤のMCでは、ミカが「すごく長いツアーだったんですけど、私はあっという間だったと感じました」と本ツアーを振り返り、ガオラーに向けて改めて感謝の言葉を届ける。そして、「小さな恋が、終わった」や「ギュッと」といった切ないラブソングで穏やかな空間を作り上げてから、バンドメンバー紹介を交えたインストパートへとつなぐ。そこから衣装替えをしたかれん、ミカ、結海が「恋を焦らず」をそれぞれの個性を発揮させながら巧みなボーカルワークで表現。間髪を容れず「書きかけの未来」へとつなげるとMAYU、アサヒ、miyouがカラーの異なる歌声を重ねて、唯一無二のハーモニーを構築する。

 その後、miyouが「今日はツアーファイナル、特別なことをするでしょ?」と告げると、昨年夏にSNSで募った「リトグリに歌ってほしい曲」の上位3曲を披露することが明かされる。客席から歓喜の声が湧き上がる中、リトグリの6人は「ガオガオ・オールスター」「きっと大丈夫」「Everything could be your chance」とレア曲や人気ナンバーが混在する3曲で観る者を大満足させることに。約8年ぶりに本格的にライブで披露された「ガオガオ・オールスター」では、ステージ上の6人も観客も満面の笑みで心をひとつに踊り楽しみ、「Everything could be your chance」ではメンバーの心情がストレートに伝わるエモーショナルな歌声に客席から惜しみない拍手が送られた。その後、最新シングル「UP TO ME!」でギアが一段高く入ると、「世界はあなたに笑いかけている」や「SAY!!!」といった代表曲が連発され、この6人にとっての“はじまりのうた”である「Join Us!」でライブ本編を盛大に締め括った。

(撮影=Yusuke Satou)

 アンコールを待っていると、突如スクリーンに鍵で扉を開ける映像が映し出される。すると、3月20日にニューアルバム『UNLOCK!』が発売されること、続いて3月30日から最新ツアー『Little Glee Monster Live Tour 2024 “UNLOCK!”』がスタートすることがサプライズ発表され、会場中に喜びの声が湧き起こる。メンバーが再登場すると、アサヒが「タイトルの『UNLOCK!』は自分自身を解き放つという意味」と伝える。そして、「リトグリは今年で10周年を迎えます。私たちにはまだまだ叶えたい夢があって、この先の未来に向かって、リトグリにしか伝えられないハーモニーを世界中に届けていきたいと思います」と力強く宣言し、長きにわたり愛され続ける日本の名曲「上を向いて歩こう」をアカペラメインのアレンジで歌唱。繊細な歌声で表現されるこの名カバーで聴き手の心を温めると、バンドメンバーも加わって「CELEBRATE」で再度一体感を高めていく。

 大きな節目を祝福するような1曲を終えると、この日のライブも終わりの時間が近づく。メンバーを代表してかれんが「ここまでツアーを回ってきて今日を迎えられたのは、皆さんのおかげです。リトグリはみんなのことが本当に本当に大好きです。いつもありがとう!」と感謝の言葉を口にし、「最後に私たちからのメッセージ、皆さんに愛を込めて、心を込めて歌います」と美しいアカペラから「Fanfare Ending」へとつなげる。曲中、6人はそのまま客席へ降りてガオラーとコミュニケーションを図りつつ、生命力溢れる歌声を響かせる。クライマックスでは再び会場がひとつになるシンガロングが発生し、最高の一体感を作り上げたところでツアーファイナルを大成功のうちに終えた。

(撮影=Yusuke Satou)

 最高のライブで2024年の幕開けを飾ったリトグリ。このあとも新体制で初のフルアルバム『UNLOCK!』発売や新規ツアーなどが控えており、デビュー10周年のアニバーサリーイヤーを大いに盛り上げてくれそうだ。(文/西廣智一)

セットリスト

01. Fanfare Opening
02. 全力REAL LIFE
03. ⻘い風に吹かれて
04. WONDER LOVER
05. Heart feels...
06. Rolling Rolling Rolling
07. Go For It
08. HELLO NEW DAY
09. 今この瞬間を
10. ECHO
11. 小さな恋が、終わった
12. ギュッと
13. 恋を焦らず
14. 書きかけの未来
15. ガオガオ・オールスター
16. きっと大丈夫
17. Everything could be your chance
18. UP TO ME!
19. 世界はあなたに笑いかけている
20. SAY!!!
21. Join Us!
アンコール
22. 上を向いて歩こう
23. CELEBRATE
24. Fanfare Ending

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