INTERVIEW

松井咲子

「常に存在していることが重要」活動への希求


記者:村上順一

写真:村上順一

掲載:23年12月31日

読了時間:約6分

 元AKB48の松井咲子が、3作目となる写真集『松井咲子 3rd 写真集 妄想椿』(KADOKAWA)を12月25日に発売した。“3度目の妄想”をテーマに、大人の魅力を詰め込み、松山、道後温泉で撮影。赤のワンピースで足湯を楽しむ様子や白のワンピースで海を眺める姿も収めた。タイトルの『妄想椿』(もうそうつばき)には、“妄想する松井咲子”という意味が込められ、椿は松井咲子の誕生日である12月10日の誕生花。インタビューでは写真集『妄想椿』撮影の裏側や、2024年の活動の展望まで話を聞いた。【取材・撮影=村上順一】

ありのままの自分で挑んだ

村上順一

松井咲子「3rd 写真集 妄想椿」と

――3冊目の写真集が決まったとき、どんな気持ちでしたか。

 まさか3冊目を出せるとは思っていなかったので、すごくびっくりしたのが正直なところなんですけど、今までより遠征しての撮影と聞いて、すごく楽しみな気持ちも大きかったです。1st写真集『松井咲子 1st写真集 咲子』の多くは都内のスタジオで、2nd写真集「delusion」は伊豆のほうで撮ったのですが、今回は愛媛県の松山で撮影しました。行ったことがなかった場所なので、すごく新鮮でプライベートで楽しんでるような姿がたくさん写真集には載っています。

――“3度目の妄想”テーマはリアルなんですよね。これは何か考えていたことがあったのでしょうか。

 撮り終わった結果、よく見たらすごくリアルな私が詰まっているなと思いました。2冊目は本当に妄想という感じで、コスプレが多かったり絶対やらないような格好が多かったんですけど、今回は私の中で絶対にない妄想よりも、もしかしたらありそうかも、といったリアルな妄想がテーマになっています。

――お写真を選ぶときのこだわりはありましたか。

 会社員風な格好も収められているのですが、選ぶ基準として「私、絶対こういう格好しないよね」というカットよりは、「あれ? いつもの咲子さんなのに雰囲気が違う」みたいな、ちょっと普段っぽさも残した方が妄想としてよりドキッとするんじゃないかと思い、写真を選ぶ時もそういうカットを多めに選びました。

――パラレルワールドに近いのかなと思いました。さて、先ほどお気に入りカットを見せていただいたのですが、それを選ばれた意図は?

村上順一

お気に入りカットを紹介する松井咲子

 服装もすごく好きなんですけど、旅館に泊まった次の日の朝といったシチュエーションをイメージしているのですが、実際に朝に撮った写真なんです。撮影最終日の朝に撮ったのでリアル感がでていますし、和室とのコントラストもすごく気に入っています。また、私は和室と窓の間にあるちょっとした空間、「広縁」というみたいなのですが、その場所がすごく好きで、シチュエーションも気にいっていたので、お気に入りカットに選びました。

――今回着物もあったり和のイメージも強いんですけど、それはリクエストされたりも?

 事前に「和な感じが好きです」とお伝えしていました。畳や襖(ふすま)障子といった和のテイストが好きなんです。1st写真集『咲子』、2nd写真集「delusion」よりも和のテイストが強く出ました。最初は6畳一間のような生活感のあるアパートで撮ろうと話していたんですけど、「せっかくだから遠出しましょう」ということで、愛媛県の旅館や古民家で撮ったんです。

――それに加えて今回、露出度もあがりましたね。

 そこは特に意識していたわけではなかったのですが、妄想が膨らみすぎてしまったかもしれないです(笑)。

――ボディメイクでこだわったところはありますか?

 以前はボディメイクを意識していましたが、今回は逆に何も意識せずに撮影に臨みました。その方がよりリアルかなと思い、本当にありのままの自分で挑みました。

大変だった猛暑の撮影

村上順一

松井咲子

――『妄想椿』というタイトルは事前に決めていたのでしょうか。

 撮り終えてからつけたタイトルでした。椿は私の誕生花で和のイメージがある花なので、すごく素敵なタイトルを授かりました。

――他のタイトル候補もあったのでしょうか。

 いえ、これ一択で迷うことなくこのタイトルになりました。

――撮影で大変だったシーンはありましたか。

 9月の頭に撮影したので、猛暑のなか和装で観光しながら撮影は大変でした。すごく汗だくになりながらの撮影だったので、よくこんな爽やかな表情の写真があったなと思うくらいです(笑)。古民家もエアコンが1部屋しか付いてなくて、スタッフさんも汗だくになりながら撮ったというのは1つの思い出です。

――手を縛られているカットがありますね。

 そうなんです! いくつかあるのですが、撮影していくなかで「縛って撮ってみましょう」みたいな。そこからどんどんこだわりが強くなっていって、紐はもうちょっとこっちに垂らした方がいいとか、話し合いながら撮りました。

自分から「どうだった?」と聞くのも照れくさくて(笑)

――先日、ご結婚を発表されましたが、旦那さんの上田航平さんは今回の写真集にどんな感想を?

 今回の写真集はまだ見せてはいないんですけど、今までの写真集はこっそり電子版で買ってくれているみたいなんです。「写真集、買ったよ」という報告はしてくれるのですが、感想は言ってくれなくて...。私も自分から「どうだった?」と聞くのも照れくさくて、感想を聞いたことがないんです(笑)。電子版だからタブレットでいつも持ち歩いてくれているので、常に見てくれていたら嬉しいです。

――新婚生活はいかがですか。

 大きく変わったかと言われたらそうでもないのですが、皆さんが「おめでとう!」と言ってくださることで、徐々に結婚したというのを実感しています。

――南海キャンディーズの山里(亮太)さんもラジオ番組で、結婚をお祝いしてくれたみたいですね。松井さんは婚姻届を出された役所から山里さんに報告されたようで。

 『松井咲子 1st写真集 咲子』の帯のコメントは山里さんに書いていただいていたり、20歳くらいからずっとお世話になっています。私の節目をたくさん見届けてくださっている方なので、1番にお伝えしたいなと思っていました。

――今後の展望をお聞きします。個人的にはそろそろピアノソロアルバムの発表を期待しているのですが…。

 ありがとうございます。ファンの方や親からも言われます(笑)。

――ソロ・デビュー・アルバム『呼吸するピアノ』のリリースが2012年。もうすぐ干支が1周するのでさらに熟練した松井さんのピアノが聴けそうだなと思っています。

 2023年は音楽面でも色んな挑戦をした1年だったので、また何か形に残るような活動がたくさんできたらいいなと思っています。年齢も重ねて環境も変わったので、その変化を音でも表現できたらいいなって。

――ズバリ2024年の目標を一言で表すならどんな感じになりますか?

 「売れる」です!

――直球ですね! とあるアーティストさんは「◯◯ってずっといるよね」と言ってもらいたいとお話しされていて、それに近い感覚もありますか?

 その感覚わかります。細く長くじゃないですけど、「なんだかんだ松井咲子ってずっと頑張ってるよね」と言ってもらえたら嬉しいです。この世界で15年くらいいるからこそ、いろんなお仕事ができています。常にそこに存在しているということがすごく重要になってくるので、そのためには売れるしかないと思っています!

(おわり)

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