激しさのなかにも…SHIHO

[写真]Draft Kingが全国ツアー完走【3】

SHIHO

 4曲目はWink「愛がとまらない」のカバーだ。彼女たちにとっては定番ともなっている曲で、原曲よりもアップテンポに仕上げている。

 ドラムのSHIHOは毎回、激しいドラムさばきを見せているが、それが更に増したようにも見えた。ドラムスティックを縦横無尽に扱い、激しさのあまり表情は金色の髪に隠れる。その姿もまた迫力がある。攻撃性のあるパフォーマンスだが、その一方で落ち着き感がみられるのもSHIHOだ。激しさのなかに一瞬そうした表情ものぞかせる。この日は、満面の笑顔をメンバーに贈り、音も弾んでいるようだった。

 MCを挟んで5曲目に披露したのは「満月」。ericaは、バンド加入のため上京した当時を思い起こしながら優しく歌い上げた。続いてもバラード曲を贈った。

 2曲を披露した後はトークコーナー。全国ツアーで起きた珍事件をファンに報告するもの。ステージに運ばれた大きなパネルには「MAOが本気でキレた」など10項目が書かれている。中でも聴きたいエピソードをファンのリクエストで明かしていった。このコーナーではメンバーの素の表情が表れていた。ファンとの交流を楽しむように笑いが絶えないものだった。

控えめな表情に潜む前衛性…MAO

[写真]Draft Kingが全国ツアー完走【5】

MAO

 トークで和んだところでericaが「一緒に歌ってくれますか」と「贈る言葉」を披露。全国ツアーの成功を、そしてファイナルを無事迎えられた喜びを表現するためか、カバーシングルよりもやや早めのテンポ。心弾むようにericaが歌い上げ、MAOもまたファンの目の前でギターソロを展開した。

 控え目な表情のMAOだが前衛さを持ち合わせている。前髪で表情を隠しながら演奏するのがMAOのスタイルだがギターサウンドは極めてアグレシッブだ。いつもみられるドラムのSHIHOと向かい合って演奏する姿のほかに、ソロでは何度もステージ前に乗り出した。NOHANAと背中合わせで弾き合う姿もあった。

 そして迎えた本編ラスト「誓いの歌」。全てが終わる嬉しさとその対比にある寂しさが交差するように気持ちとサウンドが深く絡み合った。ericaとNOHANA、MAOの息の合ったステップもファンを楽しませた。

経験を積んで得られた心の余裕…erica

[写真]Draft Kingが全国ツアー完走【2】

erica

 多くの声援を受けて行われたアンコールでは、ericaの心境を投影させたという新曲「This is me.」を7月に発売することを発表。早速この場で披露された。ラスト2曲は定番にもなっている「Hey My Love」と「アブラカタブラ」。「もっともっとドラフトキングの歌を届けたい」と語ったericaは激しく舞い、そして激しく歌った。

 全国ツアーを通して大きな変化が見られたのはericaだった。以前からステージ上では堂々としたパフォーマンスをみせていたが、この日は良い意味での余裕が感じられた。

 バンド加入当時に自身の不甲斐なさから不安になることもあったと語っていたが、その不安を払しょくできたかのように、心から楽しんでいるようであった。ヒラヒラと舞ったスカート、そしてスタンド付マイク。赤らめた顔。全てが明るく、そして力がみなぎっていた。

 バンドはライブを通じて魅力が増す、と言われているが彼女達もまた例外なく全国ツアーで魅力が増したようだった。

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