山下達郎、松田聖子、福山雅治ら周年の歌手でみる音楽の変遷
小室ファミリーの全盛
20周年には、平井堅(43)や相川七瀬(40)、そしてglobeや華原朋美(40)、BONNIE PINK(42)、V6などがいる。この年は歌唱力や独自の世界観をもった歌手が生まれた一方で相川のように当時は下火になったいた女性ロック路線で奇抜性を狙ったものもあった。そしてなんといっても小室ファミリー全盛期である。その代表格が華原であった。
今年の活動では、平井は5月12日・13日にZepp Tokyoで20周年ライブを、相川は昨年末に20周年に先駆けてトリビュートアルバムを発売。globeもお祝いソングとして新曲を制作中。20周年Twitterアカウントも開設された。
華原も1998年10月に発売された「daily news」以来となる小室哲哉作曲による新曲「はじまりのうたが聴こえる」を5月20日にリリースする。6月にはオールタイムベストの発売や7月から全国16カ所公演予定の『TOMOMI KAHARA 20thAnniversary TOUR KAHARA’s HISTORY @19952015』を開催する。
BONNIE PINKは自身のブログによればニューアルバムを制作中。5月27日発売のSuperflyの5枚目アルバム『WHITE』に作詞作曲で参加した。曲のタイトルは「Woman」。V6はデビュー20周年突入第一弾シングル「Timeless」を5月8日に発売。更に約2年振りとなるツアーも8月からスタートする。昨年は紅白歌合戦に初出場したことでも話題を集めた。
実力派・個性派女性シンガー
そして、15周年には椎名林檎(36)、鬼束ちひろ(34)、矢井田瞳(36)、AI(33)、LOVE PSYCHEDELICOなど実力と個性溢れる女性アーティストが迎える。彼女らがデビューした2000年は、90年代後半から登場したマキシシングルがこの頃から定着しはじめ、「Play Station2」の発売によってDVDも一般に普及してきた年代でもある。
MISIAや宇多田ヒカルなどR&Bを基盤とするアーティストが人気があり、浜崎あゆみのような中高生のカリスマも登場した。このようなアーティストが人気絶頂のなか、椎名林檎は個性的な音楽性で人気を集めた。ちなみに300万枚に迫る売り上げを記録したサザンオールスターズの「TSUNAMI」が発売されたのもこの時。
また、今では中田ヤスタカ作のエレクトロテクノポップの代表格で世界的人気を集めるようになったPerfumeが結成されたのもこの年だった。
今年は、椎名は『FUJI ROCKFESTIVAL』にも出演予定で、8月には台湾でのライブ『椎名林檎(生)林檎博’15 -垂涎三尺-』も行われる。鬼束は、新曲「スター・ライト・レター」をFC会員限定リリース、矢井田も6月から『弾き語りTOUR2015~ヤイダヒトリ~』と銘打った初の弾き語りツアーを全国15会場で開催される。
AIは昨年、ディズニー映画『ベイマックス』の日本版エンディングソングに「Story(English Version)」が起用されていた事も記憶に新しい。
LOVE PSYCHEDELICOは2月にベスト「THE BEST I」と「THE BEST II」を発表。それに伴った全国ツアーも5月から始まる。今回はバンドメンバーにあのYMOの高橋幸宏も参加することで話題となっている。
アイドル戦国時代
10周年を迎えるは、AKB48、AAAやアニソン歌手のMay’n(25)、そしてUVERWORLDなどだ。アイドルグループ時代の再来の礎はモーニング娘。が作ったが、別角度から登場したのがAKB48だった。当時は「アキバ48」とも間違われ「パンツみせ集団」とも揶揄されたがいまや知らない人がいないほどの人気を誇る。また、同時にアイドル戦国時代の到来を意味した。一方でロックはブームを終えた青春パンクから移り変わったエモが流行り始めた。
そのAKB48は7年前に劇場10周年記念ライブチケットをフォトアルバムの景品として発売していたことでも話題となった。そのフォトアルバムは限定2000冊のプレミアムチケット。既に完売している。
AAAは現在、7カ月連続リリース、10周年記念アリーナツアー『AAA ARENA TOUR 2015 10th Anniversary -Attack All Around-』が1日にスタートしたばかり。May’nは初のベストアルバムのリリースも決定し、8月には日本武道館でのコンサートも行われる。
UVERWORLDもデビュー10周年にあたる7月から18公演の全国ツアーがスタート。9月には国立代々木第一体育館で女性限定や神戸ワールド記念ホールで男性限定ライブも行われる。「男祭り」に関しては過去最大規模のライブになる模様。
と、これだけみても多くのミュージシャンやバンドが2015年にアニバーサリーイヤーとして迎えている。どんなことでも10年、20年、更には40年と続けることは簡単なことではない。ましてや止まる事なくトップであり続ける事は並大抵のことではないだろう。そのアーティストが持つ、魅力やスキルそして人間性などトータルバランスが求められる。ファンやスタッフ、内外の人達からの信頼がなければ成り得ないはずだ。
2016年には浜田省吾(62)が40周年、徳永英明(54)が30周年、久保田利伸(52)が25周年、絢香(27)やGReeeeNが10周年を迎える。GReeeeNは既に来年の10周年に向け『9周年だヨ!10周年目前イヤー!~来年僕たち10歳です~』という企画がスタートしている。他のアーティストたちもどんな趣向を凝らしたアニバーサリーなイベントを用意しているのか期待が高まる。 【上村順二】
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