![[写真]INKT・KOKIインタビュー【1】](http://www.musicvoice.jp/wp-content/uploads/2015/05/photonews-150504-02.jpg)
INKTの結成から最近の動向、そして本音を語ってくれたKOKI。彼の内面には音楽への真摯な思いがあった(撮影・編集部)
KOKI(田中聖)が所属する5人組バンドのINKTが4月25日、セカンドミニアルバム『サイサリス』を発売した。一昨年11月に、元HIGH and MIGHTY COLORのベースのmACKAz、ドラムのSASSY、そしてギターでリーダーのKei、キーボードのkissyとバンドを結成。昨年11月にデビューアルバム「INKT」をリリースした。ミュージックヴォイスではKOKIにインタビューを実施。結成からデビューに至るまでの心境やバンドに懸ける思いなど多岐に渡り話を聞いた。
好きな動物は「ライオン」。趣味は「格闘技」。ルーツは「パンク」。バンドのスタイルはエモーショナルロック。どれも前衛的且つ攻撃的だ。しかし、ツイッターやブログに綴る文脈からはどこか優しさがにじみ出ている。
今回のインタビューで見えてきたのはKOKIと田中聖という二面性だ。幼少期にいじめに遭っていたことや、心の繊細さを隠す為に格闘技に没頭したこと、ファンや両親に恩返しがしたいなど胸中を包み隠さず語ってくれた。彼を投影する歌詞、そして歌唱、彼の想い。今回は音楽、そしてKOKIを構成する内面に触れることができた。
「音楽しかない」結成の背景と思い
――セカンドミニアルバム『サイサリス』を聞いたイメージは「かっこいい」。また前作よりもだいぶ変わったなという印象がありますがいかがでしょうか
KOKI 変わったというか、変えていこうという気持ちが強かったですね。僕らはルーツもキャラもやってきた音楽も、聞いてきた音楽性も違うメンバーが集まっているんです。それをどこまでINKTの振り幅として出せるんだろう、という挑戦の1枚でもありました。そういう意味で、攻めのアルバムに仕上がっています。あとはやっぱり数回の開催ですが、ライブが出来たというのが大きく、ライブでこういう曲が欲しいというのが一番反映されたのかなと思います。
――1stアルバム『INKT』はどのような位置づけだったのでしょうか
KOKI 全員が全員「INKTとしてこれがやりたい」という初期衝動を詰め込んだアルバムで、名刺代わりになるような1枚にしようという話で作りました。
――前回はそれぞれパートの主張が強かった気がします。一方で今回はボーカルの声が尊重されていて、サウンドがサポートに回っているように思えます
KOKI みんなの良いところが分かり始めてきて、それを引き出せる様な曲作りが出来るようになってきたのかなと思います。例えばmACKAzだったら「こういうベースをここでやらせたら凄い格好いい」みたいな事がだんだんお互い理解出来てきて。もともと友達だったので、人間性は分かっていても、音楽性はまだ分からなかった。でも理解し合えるようになってきて、俺だったら「このキーが良いだろう」とか「こういう歌い方をして欲しい」とか、そういうことを考えて作ってくれましたね。
――互いの良い点に気づき始めたのはいつ頃ですか
KOKI 「ここ」というタイミングはなかったんですけど、1枚目を1年かけて作って。作りながら分かり始めて、ライブを2、3本やってそこでさらに気がついた点が大きかったと思います。
――2013年11月に結成しました。1stアルバムは結成後に作り始めたのでしょうか
KOKI そうですね。2013年11月、最初にスタジオに入って、何も分からず、音を出してみよう、見たいな。
――まだその時はバンドが結成されてなく、とりあえずやってみようという感じが強かった
KOKI まずは音を出してみよう、そのグルーブ感も含めて音を出してみようと。そう思ってやったら、気づいた時にはアルバムを作り始めていましたね。
――結成された頃の心境はどのようなものがあったのでしょうか
KOKI なにかしらでやっぱり「これしか知らない」「音楽しか知らない」できているので、「どんな事が出来るだろう」「どんなものが提示出来るだろう」と考えてました。本当はいろいろな感情はありましたけど、音楽というただその一点が一番なのかなと。
――そういう風に考えていたときに今のメンバーが音楽を誘ってくれた
KOKI どっちからという事もないんですけど、高校生がバンドを組む時みたいなもので「バンドやろうぜ」となり「じゃあどうやってメンバー集めようか」と。最初、Keiとkissyというギターとキーボードがいたので2人と話して「じゃあ、熱い奴知ってるからベースとドラムに声かけてみるよ」ということになって。
――バンドやってる時は楽しくてしょうがない
KOKI 今だにそうですね。楽しくてしょうがないですね。
――それは、音楽をやっていて純粋に楽しいのか、それとも表現出来る場があって楽しいのか
KOKI どっちもですね。
――人生の浮き沈み、いろいろな波があると思いますが今はどうでしょう
KOKI とにかく登らなきゃという感覚です。どのポジションにいようが常にその気持ちは持っていなきゃいけないと思っています。
――他媒体で「世界を目指す」という話もされていましたが
KOKI バンドを組んだ時から、世界を目指すというか、海外でもライブをやっていきたいと思っていました。日本を大事にしたいし、日本のファンも大事にしたいので、海外が活動のメインではないです。でも、やっぱり海外で待ってくださっているファンもいらっしゃるので、機会があれば積極的に行きたいなと思います。
――ファンへの想いはこの1年で変わりましたか
KOKI 変わってはいないです。ファンは大切な存在で、本当にいなくてはならない存在。いないと一人相撲になってしまう。ファンが求めなければ音楽を作る意味もないですし、発信する意味も、ライブをする意味もないので。