何度も感謝のことば

 そして、「インディーズの頃は3人くらいのお客さんに向かって演奏してた。それが2000人、ここまでこれました。KANA-BOONやキュウソネコカミら同じ世代のバンドでシーンを盛り上げたいと思ってるし、周りのスタッフたちもそれを望んでるけど、それよりも今はみんなを独り占めしたい。今のお客さんも昔のお客さんも繋がってほしいし、みんな仲良くしてほしい。俺は不器用なんだけど、こうやって大阪へ帰ってこれたのはみんなのおかげです。本当にありがとう!」と、何度も何度もお礼を言い頭を下げるシーンからも彼らの純粋な思いと喜びの気持ちがヒシヒシと感じられ、素直にこのバンドのさらなる活躍を願いたくなった。

 後半戦は、山中とあきらかにあきらのハーモニーが熱量を帯びたフロアを優しく包み込んでいった『僕は夢を見る』から。そして最新シングル『エイミー』に収録されている『踊り狂う人形』、『透明な雨宿り』はバンドが持つ類まれな表現力から感情を伝えるスローナンバーで、抑揚のあるメロディが心地よくスッと胸に染み渡ってゆく。あらためて彼らの音楽センス、振り幅の広さとポテンシャルにも驚かされるばかりだ。

 「後4曲! 俺らまだまだキラーチューン残ってる! ついてこいよ!!」の合図で会場全体が両手を挙げてレスポンス! その圧巻の光景はまさに絶景。

 「2011年、オーラル結成した時のキラーチューンです」と『mist...』、「2012年とてつもない化け物を産み出しました」と『大魔王参上』、「2013年初めて全国流通をしました」と『Mr.ファントム』、そして「2014年、我々をここまで連れてきてくれた...全員で声出して歌えるアンセム、『起死回生STORY』でお別れです!」とライブでもお馴染みの鉄壁のキラーチューンを全力で披露。

 そのステージング、渾身の煽りにライブ序盤とも思えるほどの熱量で最後まで楽しもうと全身全霊でぶつかるオーディエンスの姿、そのグルーブ感にただただ圧倒された───。

 アンコールでは「ここにいるあなたたちを、ずっと大事にしていきますから。一人一人に歌います。世界中の人々が笑えばこの歌をこれからも歌い続けます」と、最新シングル『エイミー』を。ファンのみんなと大切に紡いできたという同曲を愛おしそうに丁寧に演奏する彼ら。それを笑顔で最後まで聴き入るオーディエンスたち。渾身のライブで魅せてくれた彼らだが、22日に立て続いたライブの影響からか声が出なくなるというアクシデントがあったとのこと。

 今日のワンマンのステージが怖くなり、喋らない日を過ごしていたが「こんだけ人がいて、こんだけ笑顔で俺ら救われました!」と感嘆の思いも吐露。この一年をかけて、大阪で戻れる場所を作りたいと頑張ってきたメンバーの気持ち、そしてそんな彼らを応援し続けてきたファンの思いが実ったかけがえのない夜となり、5月からの対バンツアー、そして6月から全国9カ所で行われる初のワンマンツアーではさらなる成長を見せてくれるであろうことを約束してくれているような今後が楽しみになるライブだった。

 なお、この記念すべきなんばHatchワンマンのアンコールで披露されたニューシングル「エイミー」のライブ音源と写真が4月22日発売された「エイミー」に封入されているBKW!!で期間限定でダウンロードができる。

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[写真]THE ORAL CIGARETTES関西凱旋

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