[写真]東方神起10周年記念ツアーは幻想的に

10周年記念ツアーの最終公演で幻想的に舞った東方神起

 本編を締めくくる「MAXIMUM」「Rising Sun」は、剛勇で華美でアグレッシブ。特に20本もの火柱が吹き上がった「Rising Sun」は映画のワンシーンを見ているかのような大迫力のスペクタクル。壮絶・圧巻のパフォーマンスだった。

 アンコールでは、「今の2人にも当てはまる物語だと思います」というチャンミンの言葉から最新シングル「サクラミチ」を披露。続けて「With Love」のイントロが流れると、光るリストバンドによって「TOHOSHINKI 10YEARS」という大きな文字がスタンド客席後方に浮かび上がり、正面スクリーンには10周年を祝福&応援するファンやスタッフからのメッセージと写真が次々に投影された。

 このサプライズに感極まったユンホは歌いながら大粒の涙を流し、その姿を見たファンも涙。歌い終わり、顔を手で覆って号泣するユンホの肩をやさしく抱き寄せたチャンミンの目にも涙が光っていた。

 一呼吸置き「今日は本当に幸せでした」と切り出したユンホ。その後、彼の口からはこの日の観客が予想しながらも耳にしたくなかった言葉が続く。

 「このことをいつ言うか悩んでいたんですが、単独ライブツアーではしばらくみなさんと会えなくなります。でもすぐに2人で戻ってくるから、元気で待っていてください。僕が『ただいま』と言ったら『おかえり』と言ってください」と思いを告げると、悲鳴にも似た絶叫が会場のあちこちから上がった。

 だが、ユンホはその悲鳴を遮るように、自分の立っている足下を指さし、「必ずここで会いましょう!約束だからね」と笑顔で指切りポーズの手を高く突き上げた。

 続けてチャンミンも「またここ、東京ドームで再会できたら嬉しいです」とメッセージ。「みなさんに巡り会えたことが僕の人生でいちばん大切なプレゼントです」と、10年間を支えてきたファンとスタッフに心からの感謝を述べると、会場から温かい拍手が送られた。

 この日はファイナルということで、トリプルアンコールに応えて「時ヲ止メテ」を特別に披露。胸につかえていた思いをはき出せたこともあるのだろう。目の前に広がるこの場所、この空気、この瞬間を噛みしめながら、どこか安らいだ雰囲気で歌う2人の表情が印象的だった。

 東方神起とファン、両者の胸にこみ上げる10年間の感謝と惜別の念が入り交じり、感動以上の何かが会場をつつんだこの日の夜。ステージの去り際に、ユンホがとてもやわらかな表情で、しかし決意を感じさせるトーンで放った言葉「また会いましょう」。いつか「おかえり」と言える日をファンは待っている。  【猪又孝(DO THE MONKEY)】

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