「テッパチ!」で馬場良成役を演じた佐野勇斗(フジテレビ)

 2023年の活躍も期待される注目俳優の一人に、佐野勇斗がいる。2022年は、2021年10月からスタートした2クール連続ドラマ『真犯人フラグ』(日本テレビ系)に始まり、映画『嘘食い』やドラマ『テッパチ!』(フジテレビ系)など話題作の出演が続いた。タレントパワーランキングでも20代俳優部門で1位になるなど今、乗りに乗っている。

 半年間にわたり放送された『真犯人フラグ』。秋元康氏が企画・原案、『あなたの番です』スタッフが送るノンストップ考察ミステリーで、主人公・相良凌介が巻き込まれる、母子失踪事件をめぐる“怪しい”登場人物の一人、橘一星を演じた。大学4年生の橘一星は、アメリカ留学後、2年前にITベンチャー「プロキシマ」を立ち上げた若手起業家。放送開始早々にアンケート調査で怪しい人物1位になるなど、好青年の裏の顔を見事に表現させていた。物語が進むにつれ善人だけではない悪人の顔も見せ始め、視聴者の「真犯人推理」を大きく揺さぶることに寄与した。

「真犯人フラグ」橘一星役(日本テレビ)

 悪人と善人の顔を持つような二面性、含みは俳優・佐野勇斗の武器になってきている。2021年放送のTBS日曜劇場『ドラゴン桜』では、主人公・桜木の元教え子・米山をミステリアスさを含ませた芝居で好演。ラストの大逆転劇は、大いに話題になった。

 もともと好青年の佐野勇斗。所属する「M!LK」や、舞台挨拶、取材会でも愛くるしいキャラクターで周囲を和ませるなど、ムード―メーカー的な役割も持っている。過去の取材では「僕は昔からふざけるのが好きなタイプだった」と少年期を振り返っており、その少年のような真っすぐさは今も残る。それが人を惹きつける要素の一つでもある。

 容姿も性格もまさに“好青年”。それが際立つほど、芝居で見せる二面性はより引き立つ。映画『嘘食い』やTBSドラマ初主演となった『就活タイムカプセル』、自衛官役に初挑戦した『テッパチ!』でもその「含み」を持たせた芝居で物語の展開に抑揚をつけることに寄与した。今後も「二面性」「含み」は佐野勇斗の真骨頂として期待されるだろう。

「嘘喰い」梶隆臣役(C)迫稔雄/集英社 (C)2022 映画「嘘喰い」製作委員会

 活躍の場を広げているのは芝居だけではない。『午後の紅茶』(キリン)『キューピーコーワαチャージ』(興和)『ベビースマイル』(シースター)などのCMにも多数起用された。

 更に、Z世代・ティーン世代が選ぶ今年のトレンドランキングにランクイン。SHIBUYA109 lab.が15歳から24歳の女性564人を対象に実施した「SHIBUYA109 lab.トレンド大賞2022」の「ヒト部門」で1位。イナビティーンズラボが13歳から19歳の女性を対象に633人に行ったアンケート調査「ティーンが選ぶトレンドランキング」の「ヒト篇」で5位に入賞した。

 また、アーキテクト社が実施したタレントパワーランキング調査で、20代男性俳優のなかでパワースコア上昇率が1位となった。

 インスタグラムのフォロワーも100万人を超え、ティーン層だけでなく幅広い層で注目を集めている佐野。2023年の活躍にも期待だ。

「就活タイムカプセル」朝井拓真役(TBS)

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