【インタビュー】ベッキー×ハマ・オカモト「何年経っても察知できる」約３年ぶりの番組共演で何を思う【音楽】

　『「FULL CHORUS〜音楽は、フルコーラス〜」一夜限りの大復活スペシャル！』が、10月28日にBSスカパー！で放送される。

　「FULL CHORUS～音楽は、フルコーラス～」は、2015年3月31日から2019年6月24日まで放送されていた音楽番組で、“作った楽曲を最初から最後まで聞いて欲しい”、“新曲をなるべく多くの人たちに聞いて欲しい”というアーティストの願いを叶えるべく、フルコーラスのスペシャルパフォーマンスを届けるというもの。「一夜限りの大復活スペシャル！」のゲストにはOKAMOTO'S、Juice＝Juice、モーニング娘。'22、吉澤嘉代子の４組が出演する。

　MusicVoiceでは、約３年ぶりの復活となった同番組のMCを務めるベッキーとハマ・オカモトにインタビューを実施。阿吽の呼吸だったと話す収録エピソードから、２人がMCを務めるにあたって心掛けていることなど、話を聞いた。【取材＝村上順一】

引っかかるポイントが変わっていない

ベッキー＆ハマ・オカモト

――３年ぶりの復活となりましたが、どんなことを感じながら収録してましたか。

ハマ・オカモト　ベッキーさんは「先月も収録したんじゃない？」と思ったと話していて、僕もそうなんじゃないかと思うくらいタイムラグは感じませんでした。

ベッキー　本当にびっくりしました。こんなにすぐに当時の感覚に戻れるんだなって。

――OKAMOTO'S、Juice＝Juice、モーニング娘。'22、吉澤嘉代子さん４組のアーティストが出演されますが、お２人が思う見どころは？

ハマ・オカモト　もともとレギュラーでやらせていただいていた時期に、もっとも出演の回数が多く、番組の空気を作ってくれた方達がもう一度来てくれたという見どころもあると思いますし、バンドはOKAMOTO’Sだけで、最多出演アイドルと番組スタッフを虜にした詩人・吉澤嘉代子さんが来てくれて、バランスもすごく良かったと思います。あとは成長ぶりと言いますか、３年前のレギュラー放送を観ていた方からすると、みんな大人になっているといいますか、僕らMC陣もそうですけど、そこも面白いんじゃないかなと。

――ハマさん、レギュラー放送の時よりも若返っているとアーカイブ映像を観てお話ししていましたね。

ハマ・オカモト　自分でも不思議なんですけど、そこは怖いですよね。

――ベッキーさんはこの期間にお子さんを２人産んで、大きな変化があったと思います。

ベッキー　お仕事をすることはすごく好きだったんですけど、子育てが始まると一番大変なことが子育てになります。ちょっと大変だなと思っていたお仕事も楽しいでしかないんです。今日はずっと楽しくて「あと１組で終わってしまう」とか、そんなカウントダウンしている自分がいて驚きました。

ベッキー

――ベッキーさんが思う見どころは？

ベッキー　ハロプロの皆さんは、当時とはメンバーが変わっているというところでレギュラー放送の時と同じ曲をパフォーマンスしても見え方は違います。そういった楽しみ方ができると思います。吉澤さんとOKAMOTO'Sさんはこの数年で経験された沢山のライブがあると思うので、さらにパワーアップした姿をお届けできると思っています。私は歌の収録には立ち会っていないので、視聴者の皆様と同じように楽しみにしているところなんです。

――トークを拝見していて面白かったのが、ベッキーさんがJuice=Juiceの段原瑠々さんへの興味が、当時から変わらずにあって。

ベッキー　ベッキー　アーカイブの映像でも同じこと言ってましたから（笑）。ハマさんもそうなんですけど、アンテナの張り方と言いますか、引っかかるポイントが変わっていないんですよね。

ハマ・オカモト　僕も同じこと言っているなと思いました。流石に僕らも細かくは覚えていないので、アーカイブを観れて良かったです。

――アーカイブも観れるのも見どころですね。さて、お２人のトークのテンポも素晴らしいなと思いながら観ていたのですが、MCとして心がけていることはどんなことですか。

ベッキー　MCのテンポでトークをしないことです。ゲストの方のテンポに私たちが合わせていくことを意識しています。口の動きを見ながら息を吸っている人は今から喋るということなので、そういったところは気にしています。何事も順番がありますし、待つということも大事なんです。

ハマ・オカモト　僕はMCのお仕事はそんなに多くはないので、自分はMCをタレント業だとは思ってはいなくて。ミュージシャンとしてMCをやるということは一つ決めていることです。なのでゲストの方は同業なんですよね。同業者ならではの、なかなか聞かれない質問だったり、常套句のように台本に入っているけど、「これあまり答えられるものがないんだよな」という同業だからこそわかることがあります。それは自分の地の利を活かした上手いやり方なのかなと思っています。

ハマ・オカモト

――MCという意識ではないんですね。

ハマ・オカモト　そうです。僕はそんなにきっちり喋れるタイプではないので、僕がふわふわしていたらゲストの方もそんなに緊張しないんじゃないかな、という気持ちでやっています。今回の出演者の皆さんはジャンルも人数も違いますけど、それぞれの立ち位置、集団で動くとなるとそれぞれにポジションがあるんです。そのポジションを見極める、ベッキーさんと僕ではお互い違う目線だと思いますが、そこを見極めているからスムーズにいくところもあるんだと感じています。

ゲストに対する反応速度を切り替えてくる凄さ

――今回、お２人でトークを展開していく中で、ここがすごかったと思うところは？

ハマ・オカモト　僕はレギュラー放送の４年間はベッキーさんに頼ってMCをやっていたので、ある意味この３年間は巣立っています。ベッキーさんと同じカロリーで自分で誘導することも増えてきました。こうやって古巣に帰ってきて、いかに自分がベッキーさんにやってもらっていたことが多かったんだなと感じました。当時は今ほどそこに気づけていなかったんですけど、反応速度にプロとアマの差があって、ベッキーさんはパンチを出すのもガードするのもコンマ何秒速い。自分は牛歩なので、そのスピード感がすごいなと思いました。それぞれのゲストに対する反応速度を切り替えてくる凄さがありました。

ベッキー　久々に阿吽の呼吸というのがぴったりな方で、打ち合わせてもいない、目を合わせてもいないのに、ここはハマさんお願いします、ここは私がいきますみたいなのが、信号でピピっと感じあえるのが本当にすごいなと思いました。お互い連絡先も知らないのに、その阿吽の呼吸はハマさんとしかないものだと感じていますし、何年経っても察知できるのは良いなと思いました。そして、ハマさんがそれぞれの楽曲を解説をしてくださるんですけど、曲の見え方や聴こえ方が変わってきます。この番組深みや重みを持たせてくれるのもすごいな、と思いながらいつも聞いています。

ハマ・オカモト　でも、OKAMOTO’Sにはそういうのはやらないですけどね。あえて言うこともないですから。

ベッキー　あははは。

――最後に、『「FULL CHORUS〜音楽は、フルコーラス〜」一夜限りの大復活スペシャル！』を楽しみしている方へ一言お願いします！

ハマ・オカモト　当時レギュラーでやらせていただいたころから話しているんですけど、結局この番組が終わってしまった後も跡を継ぐような番組はないんです。曲というのは起承転結を考えながら作っているので、最初から最後まで聴かせて１曲というところを守りつつ、それを歌っている人間性の面白いところと、音楽をフルコーラスで届けるというのは音楽番組として自慢できるプログラムだなと思います。今回の特番で知ってくれる方も沢山いたらいいなと思うので、楽しく観てもらえたら嬉しいです。「こんな番組やってたんだ。観ておけば良かった」とちょっと後悔もしてほしいですね。

ベッキー　この数年で世の中はいろんなものを切り取るようになったので、そんな時代にこの番組をお届けできるというのが本当に良いなと感じています。始まりから終わりまで全てをお届けできる番組は『FULL CHORUS』だけだと思いますし、おしゃべりを通じて皆さんそれぞれの素敵なキャラクターも感じていただけると思うので、アーティストの部分からプライベートな部分までいっぱい楽しんでいただけたらと思います。一言で表すなら「面白い番組」です！

（おわり）