PERSONZが7月2日、ヒューリックホール東京で『PERSONZ THE BEST:GREATEST SONGS_ver.2 Magical History Theater Live』を開催した。

 元々は映画館だった会場の特性を活かし、JILLの手による映像をステージ後方のスクリーンに写し出しながらのライブで視覚的にも客席を楽しませていた。それはまさに”Magical History Theater Live”のタイトルにふさわしいものだった。

PERSONZ(撮影:アンザイミキ)

 JILLは黒いナポレオンジャケットを見に纏い、世界で起こっている悲しい出来事へのアンチテーゼを音楽を通して表現し伝えていく。比較的初期の作品が多く演奏された中で、「どうしてもこの曲を今演奏したかった」とのMCの後に演奏された「武器よさらば」ではヘビーでラウドなバンドサウンドと共に平和へのリアルで強いメッセージを発していた。

JILL(撮影:アンザイミキ)

 その後のneo ACOUSTICメドレーでは一転してこれまでの本編とは違ったアプローチでPERSONZの隠れた(?)名曲を繊細なアンサンブルで披露し客席をクールダウンさせる。このパートではオーディエンスも着席し、そのサウンドにゆったり身を任せて心地よい音の海を漂っているようだった。

 声が出せないライブが2年以上も続く中、続いて演奏された「VENUSの憂鬱」ではステージから繰り出されるブラッシュアップされたソリッドなサウンドに客席は拍手、ジャンプなどの最大限のボディーランゲージでパワーをステージに届け、そのオーディエンスのもどかしさも全て受け止めたステージ上のメンバーは更にそのパワーを打ち返し客席とのキャッチボールを楽しんでいた。

本田毅(撮影:アンザイミキ)

 PERSONZの38年に渡るキャリアのなかで生み出された数々の名曲たちはその時代は違えど、今日のようにライブで並べて演奏してみるとどの時代の曲にもバンド結成当時から貫かれている信念のようなものがちゃんとある。ギターの本田曰く「還暦のビートロック」は「チョー気持ち良い!」し、オーディエンスもそのビートに撃ち抜かれて汗だくになり、この時間だけは嫌なことを忘れてPERSONZの奏でるROCKを心から楽しんでいたように感じた。

渡邉貢(撮影:アンザイミキ)

 本編を締めくくる2020年にリリースされた「I AM THE BEST」は発売後ライブでは必ず演奏されているせいか、今やライブを最高潮に盛り上げるキラーチューンとなっている。こうやってPERSONZはまたひとつ強力なアイテムを手に入れ経験値を重ね、この先もアクセルを緩めることなく猛進していくのだろう。

藤田勉(撮影:アンザイミキ)

 セカンドアンコールで披露された「THE SHOW MUST GO ON」でJILLは全身スパンコールの衣装に身を包み全身全霊を込めてこのバラードを歌い上げた。

 最後に演奏されたのはもちろん「DEAR FRIENDS」。いつもは大合唱になる”少し聞かせてよ〜”のパートもあえてJILLは歌わずに客席にマイクを向ける。オーディエンスの声は聞こえないが、バンドにはオーディエンスのその思いが届いていたはずだ。「まだまだ制約のある日が続くけど、いつかはみんな自由になります!その時には大きな声で一緒に歌いましょう!」とJILL。

 「DEAR FRIENDS」が終わるとステージ後方のスクリーンには映画さながらエンドロールが流れ、心地よい余韻に浸りながらライブは終了した。

PERSONZ(撮影:アンザイミキ)

セットリスト

1.7 COLORS(Over The Rainbow)
2.CAN’T STOP THE LOVE
3.Lucky Star
4.HOLLYWOOD MOVIE STAR
5.POWER-PASSION
6.武器よさらば
7. neo ACOUSTICメドレー
UNDER THE MOONLIGHT〜CROSS MY HEART〜ONLY DAY STAR〜SMILIN’ ANGEL〜
陽炎たちのゴスペル〜悲しみの天使
8.VENUSの憂鬱
9.DREAMERS
10.FUTURE STAR
11.I AM THE BEST

アンコール
12.BE HAPPY
13.夢の咲く花
14.FREEDOM WORLD

アンコール2
15.THE SHOW MUST GO ON
16.DEAR FRIENDS

ライブ・イベント情報

【ARE YOU EXPRIENCED?】
PERSONZ neo ACOUSTIC SESSION
2022年7月17日(日)
佐賀 浪漫座
佐賀市柳町2-9
佐賀市歴史民俗館 旧古賀銀行内
開場17:00 開演17:30
※整理番号順入場・自由席

2022年7月18日(月祝)
石蔵酒造 博多百年蔵
福岡市博多区堅粕1丁目30-1
昼公演:開場14:00 開演14:30
夜公演:開場17:00 開演17:30
※全席指定

<チケット代金>
・一般:8,000円
・小人(高校生以下):1,000円
*別途1ドリンク代必要
【お問合せ】BEA tel. 092-712-4221

2022年7月22日(金)
京都文化博物館 別館(旧日本銀行京都支店)
京都府京都市中京区三条通高倉西入菱屋町48番地
開場18:00 開演18:30
※全席指定

2022年7月23日(土)
南港サンセットホール
大阪府大阪市住之江区南港北2-1-10
開場17:30 開演18:00
※全席指定

<チケット代金>
・一般:8,000円 (消費税含む)
・小人(高校生以下):1,000円 (消費税含む)
【お問合せ】サウンドクリエーター 06-6357-4400(平日12:00~15:00)

※各公演新型コロナウイルス感染症拡大予防のガイドラインに沿った公演になります。

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