映画『エルヴィス』(7月1日公開)で主演を務めるオースティン・バトラーと『ムーラン・ルージュ』や『華麗なるギャツビー』のバズ・ラーマン監督が28日、都内で行われた『「エルヴィス」来日記念!ワールドツアーフィナーレ』に登壇した。加えて玉城ティナと新しい学校のリーダーズがスペシャルゲスト出演しイベントを盛り上げた。

 先日のカンヌ映画祭での上映を皮切りにワールドツアーで世界中を巡った俳優のオースティン・バトラーとバズ・ラーマン監督がツアーの最終地である日本に到着。24日の全米・世界各国での公開直後のタイミングでの来日。劇中に登場するエルヴィスが着用したピンクスーツにちなみピンクカーペットが敷かれた“ワールドツアーフィナーレイベント”を開催した。

 『VOGUE』&『GQ』Presentsワールドツアーフィナーレプレオープニングイベントでは、モデルの新井貴子、俳優・モデルの濱尾ノリタカ、ミュージシャンの今村怜央、モデル・俳優・DJの大平修蔵、モデルの福士リナ、江原美希、橋爪愛が登場した。

 エルヴィスの「監獄ロック」に乗せたダンスをSNSで発表し話題となった4人組ダンスボーカルパフォーマンスユニット新しい学校のリーダーズが、エルヴィスのつま先立ちダンスを取り入れた、“エルヴィスダンス”をオープニングアクトとして生披露し、イベントに華を添えた。

 トークセッションではバズ・ラーマン監督が本作について「今までにないような経験をしました。エルヴィスのことをリサーチするため、オハイオ州のクリーブランドに住んだりもしました。でも、コロナ禍になりこの映画が作れないかもしれないと思いましたが、コロナには負けなかったんです。あと、私たちはこの映画を観たエルヴィスの妻であるプリシラ・プレスリーがどんな感想を持つのか不安でしたが、彼女はこの映画を認めて下さいました」と安堵したことを語った。さらに続けて「特に若い方にはこの映画を観てエルヴィスと共にスピリチュアルな旅に出てもらいたい。本当に辛い時に観れば喜びを感じてもらえると思います」と、作品への想いを語った。

 主演を務めたオースティンは「生前、日本に来れなかったのはエルヴィスにとって大きな悲劇の一つだったかもしれません。そのエルヴィスの夢を僕は叶えることができた。その素晴らしいストーリーを皆さんと分かち合えることが本当にすごいことだと思っています。ここがワールドツアーの最後の場所だというのも誇らしく思いますし、今夜カラオケに行くのをとても楽しみにしています」と、笑顔を見せた。

 続いて、スペシャルゲストの玉城ティナがバズ監督に質問を投げかけた。ライブシーンでのこだわりについて聞かれたバズ監督は「すごくユニークな体験はオースティンに会った時でした。彼は週7日、1日24時間ずっと働き詰めで、しかもライブシーンはカット割なしで全部パフォーマンスしているんです。僕は30年間同じスタッフと一緒にやっているんだけど、ある年配のスタッフが私のところにやってきて、「彼はなんなんだ? 僕は『スーパーマン』も『マトリックス』も『スターウォーズ』も仕事してきたけど、こんな体験をしたのは初めてだ」と言ったんです。つまり、僕は演出は何もせずにオースティンに全てを任せ、スタッフにはカメラを回しておけと伝えたくらいなんです」と、ライブシーンの舞台裏を明かした。

 そして、バズ監督はさらに続けて「『華麗なるギャツビー』の続編があったらティナさんをキャスティングしますね」と、玉城にとって嬉しい場面も。それを聞いた玉城は取材陣に向けて「皆さんしっかり(今の言葉)録音してくださいね」と嬉しそうに呼びかけた。

 そして、玉城はオースティンに「エルヴィスの一番の魅力は?」と尋ねると「“人間”エルヴィスなんです。彼は貧しい家庭の出身で、生まれた時は双子だったけど兄弟を失って、生涯に穴が空いていた。そして、とても仲が良かった母も若かりし頃に失ってしまう。それが彼に影響を与えている部分なんです。僕は色んな意味で彼の魂を見つけることがとても大事でした。彼が大きなステージでああいうパフォーマンスをする、エルヴィスに至らしめるもの、何が彼を駆り立てていたのか、そういうことを学んできました」。

 さらに続けて「彼は特に笑い声が本当に素敵で、ユーモアのセンスもあり心が広く、すごくスピリチュアルで、いろんなことを深く考える人でした。エルヴィスのことを知れば知るほど大好きになりましたし、それがあるからこそステージに立った時の彼はあそこまで生き生きしていたんだと思いますし、愛に溢れていましたよね。だからこそああいった観客とのやり取りを持つことができたのだろうし、僕は本当に心からエルヴィスのことが大好きなんです」と、魅力を語りイベントを締めくくった。【村上順一】

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