ピアノを奏でる野田洋次郎。見入る小松菜奈、坂口健太郎

 小松菜奈、坂口健太郎、野田洋次郎が17日、都内で行われた映画『余命10年』大ヒット御礼舞台挨拶に登壇した。サプライズで登壇した野田は、主題歌「うるうびと」を生演奏。横で聞いていた小松は「贅沢な時間だった」と感激の様子。一方の坂口は感動のあまり言葉を詰まらせた。RADWIMPSは主題歌だけでなく劇伴も担当。実写映画の音楽を担当するの初めて。作曲のため本作を「100回は観ました」といい、観客に向かい「みなさんも近づいてくれたら」と笑いを誘った。

 藤井監督が「クランクイン前に楽曲があると嬉しい」と要望して、撮影に入る前にはすでに、デモに歌詞を付けた楽曲を完成させていた。野田は「、脚本を読んだ段階での自分の素直な感情を歌詞にしました」と振り返った。

 一方の自らの余命を知り、もう恋はしないと誓った茉莉を演じた小松は「映画の撮影前はどんな風になっていくのか未知の世界だったんですけど、曲のおかげで扉が開いてくれたというか、この音楽を超えるものを作っていかないと負けてしまうと思いながら、目指す場所があったので、茉莉を演じていて曲に助られることが日々ありました」と感謝。

 生きることに迷い自分の居場所を見失った和人を演じた坂口は「初めて聞いた時は和人目線のような感覚でした。原作と台本を読んだ時にまだ自分の役とか映画の輪郭があんまり見えていなかったんですけど、曲を聴いて和人を本で読んでいたときに残される辛さみたいなのを考えたんですよ。でも(曲を聴
いて)“出会えたことの幸せ“という方向に転換された。和人を作る上で助けになりましたし、気が引き締まった感覚になりました」と役作りおいても指針となった存在だったと明かした。

 この日はその主題歌、そして劇伴の「和人の告白」を生演奏した。美しいメピアノの旋律と包み込むような野田の歌声が会場を包み込んだ。隣で聴いていた小松は思わず「すごい」。坂口は目を光らせていた。改めてその演奏を聞き、小松は「凄すぎます。言葉で言い表せない。超贅沢な時間だと噛みしめました」と感無量。坂口は感動のあまり言葉にできず。それでも「『うるうびと』は道標になるもので、演者だけでなくスタッフもそうだろうし、作品がクランクインして撮っていくときに指針のような印象があった。同じような方向を向いて歩けたのはこの曲の力です」

 野田は「手が震えましたね。二人(小松、坂口)の前で、映画を観てくださった皆さんの前で初めて演奏出来てすごく幸せでした」と感謝した。

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