<『未成仏百物語』インタビュー連載>込山榛香
AKB48から選出された8名のメンバーが、巷に溢れている不可解な出来事やミステリアスな世界、心霊現象などを成仏させるという、かつて類を見ない怪談エンターテイメント映画『未成仏百物語~AKB48 異界への灯火寺~』に出演した。8名それぞれが怪談エピソードを座談会で語り合い、その後供養するドキュメント形式で、メンバー全員が紹介するエピソードのうち、小栗有以、倉野尾成美、込山榛香、武藤十夢はドラマパートとなり、坂口渚沙、鈴木優香は事故物件サイトの運営でおなみの大島てる氏との事故物件現場による対談。行天優莉奈は都内某所による心霊スポットへの体験ツアーへ向かい、大盛真歩は“怪談語り”と様々なアプローチで怪談話を披露する。今回、MusicVoiceでは8人全員のインタビューを連載。アイドルとしての笑顔を封印して映画に身を投じた彼女たちは、出演を経て何を想い、何を感じたのか。話を聞いた。【取材・撮影=鴇田崇】
湯本亜美はホラー好き
――こういうホラー的な作品は、仕事とはいえども怖くはなかったですか?
めちゃくちゃ苦手なんです(笑)! ホラー映画や怪談話はとても苦手なのですが、お話をいただいた時にうれしい気持ちが勝ちましたね。台本を読み合わせした時も怖かったのですが、うきうきしていたところはあったと思います。ただ、アドバイスがあって、撮影当日を迎えるまでにホラー映画や怪談映画を「最低でも3本は観て勉強してきてね」という言葉をいただいた瞬間、「げっ!」と思いました(笑)。
――実際何を観たのですか?
たとえば『呪怨』の場合、本当のお化け系の作品になるので、恐怖体験をして怖がっている人の反応を勉強したかったので「本当にあった怖い話」などを観ました。
――本当に怖がりだと大変なお仕事でしたよね。
そうなんです。わたしがAKB48で一番仲がいい湯本亜美ちゃんがホラー映画が大好きで。ちょっとグロテスクな映画でもグロければグロいほどいいという子なので、そういう映画が公開になると、必ず誘ってくるんです。でも、断わられるとわかっているので、全然違う言い方で誘ってくるんですよ。
――どういう風に?
「どんでん返しがすごいらしいよ!」とか(笑)。よくダマされて映画を観に行っちゃいます。映画館では、ほぼそういう作品を観ていますね。「どこがどんでん返しだよ!」といつも思っています(笑)。
怖さに勝った芝居欲
――ご自身は「見逃し」というドラマパートの撮影でしたね。
この「見逃し」はわかりやすい恐怖の怪談話だったと思うのですが、新潟で夜中まで撮影をしていて、新潟のホテルに後泊だったのですが、どうしてもひとりでホテルは無理ですと言いまして、車で6~7時間かけて戻りました(笑)。
――メンバーが集まるお寺でのロケの時はどうしたのですか?
わたしと小栗有以ちゃんは後泊の予定だったのですが、それもホテルに泊まりたくなくて、1時間お風呂にも入らず、ベッドの上でSNSを見て過ごして、始発で帰りました。どうしてもお風呂と睡眠は無理になってしまいました。
――霊感がある?
そういうわけではないのですが、何かを感じた時に後ろを振り向いて、何もいないのにいるはずみたいな、恐怖心がどんどん膨らんでしまうタイプです(笑)。
――大なり小なりみんなそうだとは思いますけどね。
チワワを飼っているのですが、チワワが窓に向かって吠えたり、誰もいない空間に向かって吠えたりすることがけっこう多いんですよ。これが本当に怖いんです(笑)。
――その今回の「見逃し」ですが、大変な熱演でしたよね。お芝居への取り組み方がすごいと、ほかのメンバーの方も言われていましたよ。
お芝居の仕事は本当にうれしいんです。最初は「ホラー映画に興味ありますか?」と連絡が来て、めちゃくちゃ苦手なので興味があるわけはないのですが、仕事だと思ったので「あります!」とお返事したんです。その後、二週間後に撮影に入ることになり、公開を迎えて今、映画に出たんだなと実感しているところです。
恐怖感演出のため「ほぼスッピン」
――アイドルとは違う仕事はいかがでしたか?
普段のアイドルでは、どれだけかわいく映るか、どれだけ盛るかが重要になってくるのですが、インスタグラムも大量に撮影した中での奇跡の一枚を載せていますが(笑)、かわいいに貪欲に活動しているんです。でも演技ではかわいいではなく、何よりも恐怖を感じてほしかった。メイクも血色いいままでは恐怖心を表していないのではないかとか思ったので、ほとんどメイクは止めました。ほぼスッピンです。なので「本当に怖かった!」と言ってもらえると、とてもうれしいですね。
――ホラー映画の場合、顔面演技も重要ですが、ものすごい表情で感心しました。
実は家族と一緒に観たのですが、「この顔、大スクリーンに映して大丈夫? めっちゃブサクだけど!」と言われたのですが、初めてブサイクと言われたことはうれしかったですね。それはスッピンも絶叫した顔も可愛ければ最高なのですが、可愛さを求められるよりも「怖かった」の一言が本当にうれしくて、わたしって演技が好きなんだなって思いました。
――これでお芝居に目覚めたのではないですか?
そうですね。これから本当に頑張りたいと思うようになりました。以前にもAKB48のお仕事でプロレスをやったこともあったのですが、技をかけて髪の毛をどれだけくしゃくしゃにするかとか、任侠ドラマの時は体を大きく見せるために着物の中にタオルを巻いていたのですが、自分の可愛さよりも作品の中で自分が作品のためのリアリティーを出したいんです。ただ、演技は楽しいなと思ってたのですが、なかなか演技の仕事がしたいとは言えなかったんですよね。
――それは自信がなかった?
そうなんです。女優になりたいなど、当時は本当に口に出せなかったんです。でも今回のホラー映画の撮影を経て、ようやく女優になりたいと口に出せる自信を持ちました。
――ファンの方の反応も気になりますよね。
ファンの方たちには今回ばかりは「顔面の期待はしないでね!」と伝えたいです(笑)。
ゆいゆいは最初から最後までかわいい
――反対に込山さんから観て、奮闘が印象に残ったメンバーはいますか?
わたしとは正反対の意味で、ゆいゆいですね。小栗有以。わたしはどっちかだけというか、盛るのであればとことんメイクで顔を盛りますし、今回は演技の追求なので、自分の演技力だけでは自信がなかったのでメイクさんの力も借りながら、「何でもやります!」という精神で完成させましたが、ゆいゆいは最初から最後まで永遠にかわいいんですよ(笑)。
――確かにかわいいですよね。
アイドルとしてのかわいさも成立させているし、恐怖の表現をする女優さんとしても成立させていて本当に器用だなと思いました。元がかわいいのですが、どの角度もかわいい(笑)。ブサイクな瞬間がなくて怖がっていてもかわいいのですが、それでもゆいゆいではなく、元のゆいゆいを残しながらも作品の中に登場する女の子になっていたので、本当にプロだなと思いました。
――込山さんは、どういう表現を目指したいですか?
わたしは器用ではないので、自分を消した俳優になれればと思いますね。ザ・主役の女の子は、元の良さも残しながらだと思うのですが、わたしは悪役も挑戦してみたいんです。
――似合いそうですよね。
よく言われます(笑)。「恋愛ドラマだったらライバルか元カノだよね」って、めっちゃ言われます。でも、ドラマで憎まれたりすることは、それだけ力があるということだと思うので、ドラマによってまったく違う印象が残せる俳優になりたいなと思います。
――さて今回の映画、いつも応援してくれているファンの方たちには、どうお届けしますか?
AKB48の新しい一面が間違いなく出ていると思うので、楽しみにしていてほしいです。でも、ファンの方たちじゃない方々が作品を観た時にどう思われるかが不安なんです。たとえばホラーのファンの方や怪談がお好きな方が観た時に、これは怪談として認めてもらえるのか、ひとつの作品として観た時の反応や感想、評価が気になりますね。実話もありながら、ラストの締め方も独特なのかなとも思ったので、いろいろと感じてもらえたらうれしいです!
(おわり)
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