BTSが21日、ニューデジタルシングル「Butter」のリリースを記念した『発売記念グローバル記者会見』を行った。

 2013年デビュー。韓国国内の新人賞を総なめしたBTSは、名実ともに韓国を代表する最高のボーイグループに成長。現在は、アジアにとどまらず、北米、ヨーロッパ、南米、中東など、世界的アーティストとして名を馳せている。21日リリースされた「Butter」はダンスポップベースの楽しい雰囲気にBTSの優しいながらも、カリスマ性溢れる魅力を感じることができる曲に仕上がっている。

 会見開始予定時刻の1分前からカウントダウンが始まり「Butter」のMVからスタートした記者会見。司会に紹介されステージに登場した7人は挨拶をし、早速「Butter」の話題へ。新曲についてJUNG KOOKは「メロディを一度聴いたら忘れられない、何回も聴きたい、見たくなる曲になっています」と、同曲の魅力を話し、JIMINは「バターのように滑らかに溶け込んで、君を虜にするという告白ソングのように受け止めていただけたら。少しお茶目だったりカリスマ性があったりと様々な魅力を盛り込みました」と語った。

 この曲のポイントについて髪をバター色に染めてきたというJ-HOPEは「エネルギッシュで可愛い曲なのでパフォーマンスでもそれを盛り込みました。小悪魔のように投げキスをしたり、髪をかき上げる動作がポイントです」と「Butter」の注目ポイントを語った。

 Vは「MVのエレベーターのシーンではフリースタイル、即興でダンスを踊っているのですが、そこで各自の個性を見てください」とポイントを述べ、JINは「ARMY(ファンの呼称)のみなさんへの愛を表現しました。僕とJUNG KOOKでARMYの“A”を作る部分があるのですが、最初振り付けを見た時にあまり“A”らしくみえないなと思い、2人で考えて今の形になりました」と、“A”にこだわったことを語った。

 質疑応答が行われ、この1年での経験が考え方や伝えたいメッセージ、追求する音楽スタイルに変化はありましたかという質問についてSUGAは、「僕は1年間自分たちの音楽を聴き返して慰められたり、励まされました。それによって自分たちの音楽を聴いて励まされているんだなと聴いて下さる皆さんの気持ちがわかり、それによって作業する観点が変わりました。自分はいろんな音楽を聴いて音楽を始めるきっかけになったんですけど、これからは僕がそういった影響を与えられると思いながら、責任感を持って良い音楽を届けなければいけないと思いました」。

 この1年でどのような教訓を得たのか、という問いにJ-HOPEは「ローラーコースターのような1年だったと思います。最も辛い時、不安な時に突破口になるのは音楽だと思いました。昨年1年間を経験して音楽というものが大きな力を持っていることが実感できました。これからもそういった音楽を作り、素敵なエネルギーを与えたいと思いましたし、当たり前だと思っていたことに対する大切さも実感できました」。

 新しい行動を起こすたびに社会現象を起こすBTSの影響力について聞かれたJINは「僕たちと共に何かをして下さることにありがとうという気持ちでいっぱいです。僕たちのことを応援してくださる方と、もっと多くのこと一緒にしたいと思って活動していますし、これからももっと良いことをしていきたいです」と伝えた。

 続いて、グラミー賞についてSUGAは「受賞したいという気持ち、『Butter』でもう一度挑戦したいという気持ちはあります」と語り、さらにRMが「もちろんグラミー賞は念頭に置いています。最善を尽くして挑戦したいと思っています」とグラミー賞への気持ちを語った。

 「Butter」は英語詞の曲というところで母語ではない大変さはあったのでは? という問いに、楽曲の作詞に参加しているRMは「いただいた時から完成度が高かったです。ただラップパートが僕たちのスタイルと少し合わない感じがしていて、そのパートを僕たちのスタイルで直したいと思い参加させていただきました。J-HOPEとSUGAも参加して、僕が作ったものを中心に修正していきました。母語ではないのですが、僕はアメリカのヒップホップやポップスを聴いて音楽を始めた背景があるので、割とスムーズにまとまったと思います」と述べ、SUGAは「英語の勉強を頑張って参加したのですが、選ばれませんでした。血も涙もないです(笑)」とビハインドストーリーを明かした。

 ちなみにRMが制作した部分は楽曲の最後にJ-HOPEと呼吸をするところと、SUGAとRMがやりとりする部分の半分くらいを制作したパートだという。

 K-POPらしさ、BTSらしさを作るということついてどのような意識があるのか、という質問にRMは「音楽だけではなく芸術という創作のプロセスの中にいる時はあまり分からなくて、時が過ぎた時に評価されたりしてわかることもあります。その中でK-POPというのはジャンルではなく産業、カテゴリーになって以前よりも少しは拡張された概念になったのではないかと思っています。BTSがK-POPという枠の中で説明されべきか、べきではないのかはわかりませんが、BTSとして最善を尽くした時に評価されるんじゃないかと思っています」とBTSの在り方について話した。

 今作で悩んだところについてJIMINは「ビジュアル的な部分やパフォーマンスでどのようにお魅せできるのか、声に関してもどうしたらもっと心地よく聴かせられるようにできるのか、というのは悩んだ部分でした」と試行錯誤したことを語り、RMは「僕たちの機能とはなんなのか、なんのために存在するのか、僕たちがBTSとしてどういった価値を実現していけばこの先、生き残っていけるのかなど考えていました」と、自分たちの存在価値について考えていたことを明かし、その中で「僕たちが今どういうことをしたいのか、などスタッフとインタビューのような話し合いをします。その逆で皆さんが僕たちから何を聴きたい、求めているのかということも話し合うんですけど、そういった悩みはあります。でも、今までやってきたことはその時にくだした最善の決断だったと思っています。今回もこの『Butter』で僕たちなりの答えを出せたと思っていますし、次に出てくる作品、答えが今悩んでいることへの結論になると思います」。

 そして、スタンスについて「僕たちは歌手なので本業において一生懸命準備してきましたし、うまくできていると思っています。ステージの完成度が低い人が人気が出るとは考えにくいので、第一にステージを考えられていることが僕たちBTSの強みなんじゃないかなと思います」と姿勢を語った。

 最後にRMは「最善を尽くしてがんばります」と、言葉を残し記者会見を締めくくった。【村上順一】

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