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ヤンキーギャグ漫画として金字塔を打ち出した西森博之の同名コミックを実写化した『お茶にごす。』が、地上波での放送に先駆け、Amazon Prime Videoで全12話一挙配信中だ。ひょんなことから茶道部に入部することになった主人公の船橋雅矢(鈴木伸之)が、むやみやたらと喧嘩を売られてしまう日々を卒業して、平穏な日々を手に入れるために奮闘する姿を、青春・学園・ヤンキー・コメディのエッセンス満載で描く。
その本作で、茶道部部長・姉崎奈緒美役を、久間田琳加が好演。雑誌『Seventeen』の専属モデルを務め、原作の再現度の高さが話題を集めたドラマ『マリーミー!』(ABCテレビ・テレビ朝日)では地上波連続ドラマ初出演にして初主演。女優として活躍目覚ましい久間田が、人を見た目で判断せず、船橋に対して優しく接する唯一の部員・姉崎奈緒美役にどう挑戦したのか。【取材=鴇田崇/撮影=冨田味我】
ワンカット撮影が多かった茶道部
――学園ヤンキー・コメディの本作ですが、脚本の最初の印象は?
どういう展開になるのかなと、セリフだけでは想像つかない部分もあって、現場に行ってみないとどうなるかわからないことも多かったので、撮影に入る日が楽しみでした!読み合わせの時も共演のみなさんと空気感を探ったり、今回のようなコメディ要素がある作品は初めてだったので、いつもより新鮮でした!
――どういうジャンルが普段多いのですか?
女優経験はまだ多くないのですが、その中でも割と恋愛をする役が多かったので、ここまでのコメディは自分の中ではめずらしいです。なのでチャレンジでもありました!でも、現場で確かめて役柄に合わせていくことがかったので、次第に不安はなくなりました。
――勝手な想像ですが、現場の雰囲気がよさそうだなと思いました。
私自身はもう高校は卒業しているのですが、わいわいしていて本当の学校みたいでしたね。それぞれキャラも違って、盛り上げ役の方がいたりと、懐かしい気持ちになりました。コロナ禍なのでみんな前を向いてお弁当を食べていたのでお昼を食べながらわいわいお話はできなかったのですが、それ以外でする会話や学校の机の雰囲気も、全部が懐かしくてすごく楽しかったです!
――その一方、茶道部のシーンでは緊張感もありますよね。
茶道のシーンは、ワンカットで撮ったりしていたのでとても緊張しました(笑)。わたしがお茶をいれている間、みなさん正座したままでないといけないのですが、特に男性陣は正座が辛そうだったので絶対1回で成功させないといけないと思いました。今まで強気な発言はしたことがなかったのですが、「絶対1回でOKを出します!」と強気な発言をしてしまったことが現場でありまして、実際、無事に1回で終わらせることが出来て良かったです。その時の私は姉崎さんが乗り移っていたようでした(笑)。
――その演じられた姉崎奈緒美は、茶道部の部長でした。
『お茶にごす。』は、茶道部とヤンキーという異色な組み合わせの作品で、わたしは茶道部の部長の役でした。主人公の船橋(鈴木伸之)君が茶道部に入るきっかけもわたしが演じている部長で、物語を引っ張っていく感じの役です。姉崎さんは、落ち着いているところや、仲間を大事にするところなど学ぶところが多かったです。かよわいだけでなく、強く凛としているところもあって、でも無邪気な面もある。いろんな面がありますが、考えさせられることが多かったですね。すごく素敵なセリフも多かったので。
――たとえばどのようなセリフが?
第1話に「人は見た目で判断してはいけない」というセリフを部員に言うシーンがあるのですが、今の世の中、自分の仲の良い友だちが間違っていたことを言っていたとしても、それを素直に違うと言いづらかったりしますよね。ただ姉崎さんは言いづらいことも丁寧にみんなが嫌な気持ちにならないような姿勢で言うので、そこにはすごく学びがありましたね。
――角が立たないように言うって難しいですよね。
実際は場の空気などいろいろなことを考えてしまいますよね。でも間違ったことは間違っていると、ちゃんとみんなに説明できる正義感もあるので、やっぱり部長だなって。彼女は女性の鑑のような存在で、今まで生きていてまだ部長のような方には出会ったことがないなって思いました。とても素晴らしい女性でした!
――久間田さんもしっかりされているので、もはや学びなど要らないのでは!?
ありがとうございます(笑)。私はまだまだです(笑)。
やっぱりバラエティ番組が好き
――そして20歳になりました!
ただ、「わたしもう今日からハタチって言っていいんだ!」みたいな、20歳の実感はまだないのですが、スタッフさんとお話をしている時に「10代ってこういうの流行っているよね?」みたいな会話の中で、「私もうハタチです!」と言うと一気に大人になった感はあります(笑)。
――やってみたいことは?
コロナが明けたら友人と乾杯をしたいです!中学の友人、仲のいい友人と一緒に。今は全然会えていないので。
――仕事ではいかがですか?
今は女優業のほか、テレビに出させてもらったりしているのですが、マルチに活躍したい気持ちは大きいです。どのジャンルも全力で頑張りたいです。「Seventeen」の先輩はモデルから女優一本になる方が多いので、1つのジャンルだけでなくいろいろなジャンルでも活躍できるような道を作りたい思いはあります。タレント業も女優業もモデル業も、どれも頑張ってるねと言われるような活躍ができるようになれたら、うれしいなと思いますね。
――タレントの仕事では何をしたいですか?
バラエティ番組でMCの芸人さんの横に立って、アシスタント的な仕事がしたいんです。わたしはテレビっ子だったので、その世界で仕事が出来ていることがすごくうれしいですね。あとは街ブラやアポなし企画もやりたいです!
――若いのにテレビを観ているのですね!
そうですよね。みなさんけっこうYouTubeを観ていることが多いと思いますけど、わたしは断然テレビっ子です。今でも家ではずっとつけています。バナナマンさんの『せっかくグルメ』、あとは『有吉ゼミ』『ジョブチューン』『坂上&指原のつぶれない店』をよく観ています。やっぱりバラエティ番組が好きなんですよね。
――お友だちと話しは合いますか?
確かに友人とテレビの話題はあまりしないかもしれないです(笑)。どちらかというとみんなYouTubeを見ている友人のほうが多いと思います。でも、私は今まで観ていた番組に出られることがすごく嬉しくて、収録に行ったときに「こういうセットだったのか!」とか口には出さないですけど、心の中で思ったりしています(笑)。
――テレビに出るようになり、改めてどういうところに魅力を感じますか?
とにかく面白くて笑えるところです!バラエティを観れば、その日の疲れが吹っ飛びます。自分が出演している番組もテレビに関しては、視聴者の目線で観ちゃうんですよ。「こうしなきゃ!」という仕事モードにはならず、いち視聴者として、純粋にテレビを楽しませてもらっています。
――共演してうれしかった芸能人はいますか?
テレビの現場で生の芸人さんと会うと、尊敬の眼差しで見ててしまいますね。瞬発力というか、現場の回し方だったり、テレビでは感じられなかったものを、そういうことを近くで見られて貴重な経験だなって思います。なので、芸人さんとたくさんのお仕事がしたいです。
もっといろいろな役を演じたい
――さて、今回は茶道部部長役でしたが、今後はどういう役に挑戦したいですか?
最近、いろいろ役をやりたいと思うのですが、まだ女優業は始めたばかりなんですよね(笑)。前回は『マリーミー!』で強制的に結婚させられるニートの役を、今回は学生役を演じましたが、この仕事を通して、もっといろいろな役を演じてみたいなと思っています。
――人生のほうの目標は?
仕事じゃないのですが、孫の顔を見る、ですかね。結婚をすっ飛ばしていますけど、一個飛ばして孫の顔が見たいです(笑)。
――その前に息子ではないのですか(笑)
長生きをするという意味も込めまして、ちょっと孫の顔が見たいかなって(笑)。もちろん孫の顔が見たいということは、自分の子どもがいることが前提です(笑)。
――最後にメッセージをお願いいたします!
仲間や絆を描いた作品ではありますが、最大の見どころは船橋君が茶道部に入部して暴力を卒業できるのか、というところだと思います。こういう人たちって素敵だよねと、茶道部を見て思っていただけたらうれしいです!
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