Snow Manの初冠バラエティ『それSnow Manにやらせて下さい』(TBS系、以下『それスノ』)が、毎週日曜ひる1時枠で4月11日から地上波レギュラー放送されることが決定した。同番組は、昨年4月から動画配信サービス「Paravi」でレギュラー配信がスタート。毎週金曜の配信日にはアクセスが集中し、時間差視聴が行われるほどの人気を集めていた。まさに、満を持しての地上波進出となる。本稿では、『それスノ』が人気を集める理由を3つのポイントから分析していく。

9人が生み出すピースフルワールド

 誰かがボケると、すかさずメンバーがツッコミを入れ、“自分”を面白く見せようというよりも、“みんな”で面白い番組にしていこう!という一体感。『それスノ』で見る9人のやり取りは、ファンが、「このグループを応援していて良かった」と思うであろうピースフルな空気に包まれている。

 特に、番組内で罰ゲームを実行するメンバーへの温かさがすごい。『それスノ』では、メンバーをランキング付けすることが多く、最下位になった「センスなし〜マン」は、罰ゲームを行う。女装で街頭インタビューをしたり、カツラをつけて1回分の収録を行ったり…ミリオンヒットを飛ばすアイドルらしからぬ容赦ない罰ゲームが、毎回用意されている。

 第35回の配信では、メンバー最年少のラウールが、メンバーに内緒で突然、芸人・永野のネタを披露しだす…という罰ゲームを行うことになった。ネタ披露を始めると、向井康二を発端に手拍子が巻き起こり、場の雰囲気が盛り上がる。すると、最初は照れていたラウールもノリノリに。何も知らないはずだったのに、反射的に手拍子が始まる温かいメンバー愛。場がしらけるかもしれないなどという心配を視聴者に与えることが一切ない。

 『それスノ』では、9人それぞれが、伸び伸びと自由にふざけるシーンが多く、そこから笑いが巻き起こるのだが、その笑いは「必ず誰かが拾ってくれる」という安心感から生まれるものなのだろう。

番組スタッフとの親密さ

 『それスノ』スタッフとのやり取りにも、信頼関係が見える。第24回の配信「それスノご褒美ツアー〜アクティビティ&昼食編」で、行き先を二択から選び、そのうち少数派だったメンバーは、その場に待機するという企画があった。

 「そもそも一体感があるから(多数決)する必要なくない?」と言うメンバーに、スタッフが、「じゃあ(バス)出発しないっすね!」と言い返したり、二択の解答を合わせようと必死に顔でアピールするラウールに、「ラウ、ラウ。顔で表しすぎだよ」とツッコんだり。そんなメンバーとスタッフの仲睦まじいやり取りが、番組の面白さをより引き出している。

 『それスノ』では、地上波特番決定など嬉しいお知らせをする時には、メンバーにサプライズ発表することが恒例になっている。告知の瞬間や、歓喜しているメンバーの映像には、いつも嬉しそうなスタッフの声や、やり取りが入っている。「Snow Manのために」と奮闘するスタッフと、「スタッフさんのために!」と番組を盛り上げる9人。その相乗効果が、番組をより面白くさせているのかもしれない。

止まることを知らないトークスキルと個性

 Snow Manは、個性豊かだ。9人それぞれが異なる魅力を持っており、集まることで爆発力を発揮する。

 リーダーの岩本照は、体脂肪率5%の肉体を持ち、クールに見えるが実は人一倍熱い。MCを務める深澤辰哉は、頭の回転が早くトーク回しが華麗。「美容マニア」と言われ、美意識が高い渡辺翔太は、いつもキレキレのワードチョイスで番組を彩っている。

 そこにいるだけで味を出す貴公子・宮舘涼太は、ストイックで努力家。ロイヤルな雰囲気を持ち、発する一言一言が俊敏だ。阿部亮平は、上智大学院を卒業しており、気象予報士の資格まで保有している超秀才。番組内で“キレキャラ”が定着しつつあるのも面白い。また、アニメ好きの佐久間大介は、いつも明るく場を盛り上げる。「メンバー大好き!」と愛をストレートに表現する佐久間の存在が、グループの仲睦まじさに繋がっているような気がする。

 そして、佐久間と同じくグループの盛り上げ隊長を担っているのが向井康二だ。優しく温かい性格で、バラエティで引っ張りだこ。目黒蓮は、番組内で「ホストになったら日給100万円!」と言われたビジュアル担当。モデルも俳優もこなす“オールラウンダー”だ。メンバー最年少のラウールは、7月9日公開の映画『ハニーレモンソーダ』で主演を務めることが決定。グループの起爆剤として成長している。

 9人全員がそれぞれに異なる魅力を持ち、『それスノ』ではその個性を存分に発揮している。そして、どんどん成長していくバラエティスキル。

 “金曜日のご褒美”から、“日曜日のエナジーチャージ”へ。形が変わっても、Snow Manの温かい空気感は変わらないはずだ。『それスノ』第二章の開幕を楽しみに待ちたい。【菜本かな】

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