【写真】ゲームショウに恋愛成就スポット(2014年9月20日)

恋愛成就神社を前で「縁結び出雲路」をアピールする松江観光協会の兼森一将さん(撮影・紀村了)

 恋愛成就を求めてゲームショウの神社に女性の列―。21日まで幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催されている『東京ゲームショウ2014』では、リアルさを追求したアクションゲームから人気アニメを題材にしたゲームなど様々なソフトが出品され、来場者の興味を誘っている。

 写真>ゲームショウでこんな煌びやかな女性も

 煌びやかなスクリーンに妖艶なキャンペンガール、そして重く歪むサウンド。現実離れした幻想的な世界観が広がる会場のなかで、女性の心を掴んでいるのが最近人気を集めている恋愛ドラマアプリの出展ブースだ。ゲームの世界から飛び出したイケメンたちに心うっとり…。

 アプリ開発会社の(株)ボルテージもそのうちの1社。他社ブースと同じく、ゲームのシチュエーションに合わせてイケメンが女性の来場者に優しく声をかけている。記念撮影が出来るコーナーには長蛇の列が出来上がっていた。

 そうしたなかで同社では一風変わった試みを行っている。それは、地方の観光協会との連携だ。同社が提供する恋愛ドラマアプリ『今宵、妖しい口づけを』にちなんで、即席の「恋愛成就神社」を設置した。

 イケメン神主の手ほどきのもとお参りし、用意されている短冊に想いをしたためて結び所に奉納すれば、後日、出雲國一之宮熊野大社(島根県松江市)に奉納されるという。熊野大社は、出雲大社と並ぶ古社で、縁結びの神・素盞鳴尊(スサノオノミコト)が祀ってある。ゲームアプリとリアル神社を組み合わせて恋愛成就させましょう―、という狙いだ。

 この企画は島根県にある「神話の国 縁結び観光協会」がバックアップしている。ゲーム会社と地方観光協会という一見珍しい組み合わせだが、同協会は、縁結びの地・出雲路の魅力を紹介できるとして同ブースへの参加を決めたという。

 同協会から委託を受けた一般社団法人松江観光協会(島根県松江市)の兼森一将さん(松江観光コーディネーター)はこう話す。

 「地方に人を呼び込むためには大河ドラマの撮影誘致もありますが、サブカルチャーの存在も無視できません。人気アニメやゲームの中に出てくる土地や建物などが現実の世界にある観光名所と繋がることで聖地化され、多くの人が訪れることを期待しています」。

 最近では、映画や漫画、アニメ、ドラマ、小説など、劇中に登場するシーンや物語性を観光資源に繋げる「コンテンツツーリズム」という手法が注目されている。携帯電話端末などの進化でゲーム産業の構造もめまぐるしく変わっているなかで、地方への呼び込み施策も多様化しているようだ。  【紀村了】

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