MADKID「5年後にみんなで笑っているビジョンが見えている」未来への確信
INTERVIEW

MADKID

「5年後にみんなで笑っているビジョンが見えている」未来への確信


記者:村上順一

撮影:

掲載:21年02月03日

読了時間:約13分

 2ラッパー&3ボーカルから成る5人組DANCE&VOCALユニットのMADKID(マッドキッド)が2月3日、1st E.P.『REBOOT』をリリース。2014年結成され2018年メジャーデビューし、2019年2月にリリースしたシングル「RISE」がTVアニメ『盾の勇者の成り上がり』OPテーマに起用されて海外を中心にヒット。2020年9月に所属事務所を独立。自ら設立した事務所Future Notesに移籍し、新たなスタートを切った。E.P.『REBOOT』はバラエティに富んだ5曲を収録し、MADKIDの多面的な魅力が詰まった1枚に仕上がった。インタビューでは思うように活動できなかった期間のことから、『REBOOT』の制作背景、そして、メンバーそれぞれの気持ち、未来のことなど5人に話を聞いた。【取材=村上順一】

「REBOOT」は1年間共にしてきたからこそ出てきた言葉

『REBOOT』【Type-A】ジャケ写

――『REBOOT』は再起動という意味がありますけど、この再起動に至るまでどんな想いがあったのでしょうか。

YOU-TA 様々な事情により、思うように活動できない時期があって...。メンバーと話をしていく内に、ここが新しいステップに進むタイミングなんじゃないかとなって、昨年の6月にこれまで所属していた事務所を離れて9月に自分たちで新しい事務所を立ち上げたんです。そのタイミングでコロムビアさんにお話を聞いていただいて、またこうしてご一緒する事になりました。

LIN こうやってもう一度一緒にやろうと言っていただけたことが何より嬉しかったですし、活動への力の入れ方も当時よりもっとフルアウト出来ている、すべてのことにしっかり向き合っている感じがしています。

SHIN 今こうやって活動できていることに日々感謝しています。なので前よりももっと頑張らないと、という思いは強いです。

YUKI 実際、やること自体はそこまで変わらないと思うんです。恩返ししたいという気持ちが強いです。僕らができることをしっかりやっていかないといけない、ということが明確に見えている実感はあります。

KAZUKI 素直に嬉しいという気持ちと、思うように活動できなくなった時にコロムビアさんの存在の大きさというものを感じた1年でした。戻ってきたからには「売れてやる」という気持ちは人一倍あります。

――今YouTubeに皆さんそれぞれの想いを語る動画がアップされていますが、公園で遊んでいるシーンとか、ナチュラルな一面も見れますね。

KAZUKI 僕が撮影した公園は、僕が小さい頃によく遊んでいた思い出の場所なんです。

SHIN 僕は神社で撮影したんですけど、以前住んでいた近くにあった神社なんです。当時は東京の生活のスピードが速くて疲れていて、よくあの神社でゆっくりする時間を設けたりしていました。自分をリフレッシュする場所だったんです。

YOU-TA 僕はKAZUKIとYUKIと初めて顔合わせをしたカフェで撮影しました。もう7年ぐらい前の話なんですけど。

LIN 僕はMADKIDで初めてMVを撮った横浜にある象の鼻という場所でインタビューしてもらいました。

YUKI 僕は自分が通っていた大学で撮影する予定だったんですけど、ちょっとこのコロナで学内での撮影が難しくなってしまい、近くの公園で撮影しました。なのでその公園に縁はないんですけど、撮影してくださったカメラマンさんが近所に住んでいるみたいで、僕より詳しいという(笑)。大学の通学路でも撮影していただいたので、そこはちゃんと思い出があります。

――それぞれの思い出の場所だったんですね。そして、今回E.P.『REBOOT』がリリースされますが、表題曲の「REBOOT」はどんな想いで制作されたんでしょうか。

YUKI 歌詞の作り方はいつもと変わりはないんですけどこの5人の今の思いを込めた内容に自然となりました。「REBOOT」は、この1年間共にしてきたからこそ出てきた言葉だと思うので、紛れもなく5人の言葉だなと思っています。

LIN 今回CDを手に取ってくださった方は、歌詞を見て「なるほど」と思ってもらえるんじゃないかなと思っています。

――楽曲制作の流れはどんな感じだったんですか。

LIN 今回のE.P.を制作するに当たり、いろんな楽曲を聴かせていただいて、この「REBOOT」という言葉に合う楽曲をメンバーみんなで選ばせていただきました。なので単純に曲が良いというだけではなくて、「REBOOT」という言葉に合っていたというのが大きいです。そこからアレンジなど僕たちのカラーを出すための作業があって、そこから歌詞を書いていくという流れでした。今回通してそういった感じで、それは今までとは違った流れの制作スタイルだったので、すごく楽しかったですし、勉強になりました。

――「REBOOT」という言葉ありきの楽曲選びだったんですね。皆さんが完成したMVを視聴するリアクション動画も上がっていますが、最後のSHINさんがビニールを破るシーンで大きな盛り上がりを見せてました。

YOU-TA MV撮影がSHINのビ二ールを破るシーンから始まりました。そのシーンを3回撮影していたんですけど、どれがどのシーンに使われるんだろう、というのが僕らの中にあったんです。

KAZUKI そのビニールを破るシーンがSHINちゃんのパートで出てこなかったので、もしかしたらボツになったのでは? というのもあって、最後にそのシーンが出てきたので、すごい盛り上がって(笑)。

YOU-TA 僕は最初のシーンで使われるんじゃないかなと予想していたんですけど。

SHIN 新たに生まれ変わるという気持ちで破かせていただきました(笑)。使われたのが1回目のテイクだと思うんですけど、撮影の緊張感が僕の表情から伝わると思います。

――椅子が大量に積まれているシーンも緊張感あります。

LIN 緊張感ありました。撮影前にスタッフさんから「絶妙に積み重ねているので絶対に触らないで下さい」、と念を押されていました。そう言われていたので撮影が始まってからも、けっこうソワソワしていたんです(笑)。

――あの積み上がった椅子はどんな意味を持っているのでしょうか。

LIN 全て同じ見た目の椅子で、どれに座っても同じだとは思うのですが、その中から一つ自分の椅子を見つける、選びだすという意味があると思いました。僕はそういうイメージで撮影に臨みました。

――KAZUKIさんはどんな意識で撮影に臨みましたか。

KAZUKI 僕のシーンはダークな感じなんですけど、最初はネオンを使ったカラフルなイメージの撮影になる予定だったんです。 撮影の朝まではそのイメージだと聞いていたんですけど、撮影直前にスタッフさんが色々試行錯誤して下さって、地下道で撮ることになりました。結果、僕が歌うBメロの雰囲気とマッチしていて良かったです。なので、場所も地下道ということでどこか閉じ込められている、思うように活動できなかったこの1年間、辛かった期間のことをイメージして撮影に臨みました。

――YOU-TAさんは雨に濡れながら歌唱するシーンで。

YOU-TA 最初はそんなに濡れる予定ではなかったんです。撮影中にどんどん自分がヒートアップしていって、「もっと水が掛かっても大丈夫です」と言ってしまったので、自分が思っていた以上に濡れました。(笑)。

YUKI 僕は炎を使ったシーンでした。それもあって鼻の穴の中が煤(すす)で真っ黒になっちゃって大変だったんですけど(笑)。あと、僕のシーンは好きに踊ってもいい雰囲気だったので、体を自由に動かして表現しました。このシーンから自由にやれる楽しさというのを感じていただけたら嬉しいなと思います。

『REBOOT』収録曲に迫る

――それぞれの個性が出たMVになりましたね。今回バラエティに富んだ5曲が収録されていますが、皆さんそれぞれのおすすめポイントはどこですか。

YOU-TA 最近の僕らはダンスミュージックとロックの融合をテーマに制作していて、ロックサウンドに負けない声というのを研究しています。でも、今作は全く違う歌い方を5曲通してやっているので、そこは注目してほしいポイントです。例えば2曲目の「Unveil」だったらLINのデモを聴いてその世界観に合わせるようにしましたし、「Zero」はミクスチャーバンドっぽい曲なんですけど、聴きやすいロックというイメージで僕は歌っていたり、「With you」の最後のフェイクのところはすごくこだわってレコーディングしました。自分なりのフェイクのアレンジも入れたので、そのメロディーラインも楽しんでいただけたら嬉しいなと思っています。

――「With you」はリラックスできる、夢の世界へ誘ってくれそうな曲ですよね。続いて、LINさんはいかがですか。

LIN レコーディングもいつもとは違うスタジオでやらせていただいたんですけど、良い意味で、どの曲もいつもと変わらない感じにできたんじゃないかなと思っています。それもあって歌詞もナチュラルに自分の気持ちをそれぞれの曲に合わせたスタイルで歌うことができたんじゃないかなと思います。あと、ライブの時に一番MADKIDらしくパフォーマンスできる、というのを考えながら作れるようになってきたとも感じているので、突飛なことをやっても、らしさを感じてもらえると思います。

――SHINさんは?

SHIN 僕は「Be the light」です。すごく聴き心地がよくて音楽が包み込んでくれるかのような感覚があります。同時にめちゃくちゃ苦戦した楽曲でもあるんです。ちょうどこの曲を取った時に僕が舞台をやっていて、喉が疲れていたというのもあって、すごくみんなに迷惑をかけてしまいました…。結果的にこの曲のレコーディングを2回やらせていただいて、その舞台が終わってからもう1回レコーディングしたんですけど、そこですごく良いテイクが録れたので、それもあって思い出として強く残っています。あと、LINのラップパートの歌詞がすごく気に入っていて、<プロットなんてない きみと僕の物語 巻き戻しもDon't need エンドロールに 要らない ラストネームはもう 二つの名前だけを>という歌詞はこの曲の最後にくる言葉としてすごくいいなと思いました。

――KAZUKIさんはいかがですか。

KAZUKI バラエティに富んだ曲調の中で、僕もYOU-TAと同様に声質や歌い方というのを変えています。今までだったら一辺倒だった歌い方も、今作ではロックテイストもありつつ、使い分けもできたと感じています。昔だったら声が曲に負けてしまうような時もあったんですけど、「REBOOT」と「With you」では声の使い方も全く違うので、特にそこを聴いていてほしいです。

YOU-TA 僕が楽曲の歌割りを考えさせていただいてるんですけど、本当にKAZUKIは上手くなっていて。この楽曲の一番美味しいところをKAZUKIに歌ってもらっているんですが、期待以上のものを出してくれました。

――YUKIさんのおすすめポイントは?

YUKI 僕は今回歌詞を書いている中で気づいたことがあって。またこうやってコロムビアさんと一緒にやらせていただくにあたって自分の中で心情の変化がありました。この1年間うまく活動できなかったというのと同時に未来への不安もすごくあったんです。以前まではその不安というのを無理矢理にでも捻じ曲げてやろうという思いで動いていた感じもあって。それに対して今は一緒に動いてくれる人たちがいて、この5曲全てに見えないポジティブさがある、という事を歌詞を書いた後に思いました。無理やり強がっているというよりは、自分たちがやることも見えていますし「やるしかないんだ」という思いがしっかりと落とし込めたと思います。

 例えば、ラブソングの「Be the light」ではしっかりと温かみを表現できたと思います。何回か歌詞も書き直したんです。最後のシーンに合わせるようにラップで流れを作りました。「With you」ではこのコロナ禍のことはもちろん踏まえつつ、音楽の大切さというものを書いたメンバーもいましたし、MADKIDに対する思いが強くなった1年だからこそ、しっかりとやりきれた1枚になったんじゃないかなと思っています。

――その意気込みが現れている言葉として「Zero」の歌詞にある<剛毅果断>という四字熟語が印象的でした。

YUKI 今作はけっこう四字熟語を使いました。僕の中のロックのイメージに四字熟語というのがあって、普段から調べていたんです。ラップのライムに上手くはまりそうなものを探していて、跳ねるワードで意味合いとしてもすごく良い言葉が見つかって。あと日本語の良さというのを出したいなというのもありました。僕のラップは速くなりがちで聞き取りづらいところもあると思うんですけど、歌詞を見た時にちゃんと日本語で「これなんだろう?」と調べて、意味があった方が僕は好きですし、分かっている方が聞き取れた時に面白いというのもあるんです。

5年後にみんなで笑っているビジョンが見えている

『REBOOT』【Type-B】ジャケ写

――さて、ご自身たちで事務所「Future Notes」を設立して新たな一歩を踏み出しましたが、大変ですよね?

YOU-TA すごく大変なんですけど、自分の中で5年後にみんなで笑っているビジョンが見えています。自分たちで会社を作って、誰も助けてはくれない状況を自ら作ったので、それで成功した暁には誰よりも笑っている、というのは確信しています。

――5年後というワードも出ましたけど、皆さんそれぞれ未来はどんな自分になっていたいと思いますか。

YOU-TA 今年の春のライブで初披露するんですが、バンドとしてのMADKIDも見せていきたいと思っていて。実現すればより幅広く僕たちの音楽を届けられるんじゃないかなと思います。5年後は僕が32歳になってる歳ですけど、きっとこの5人でくだらない話をしながらも、音楽を楽しめていると思います。

LIN シンプルに5年後も今と同じ熱量で活動できていたら嬉しいです。そして、もっと作曲家としてスキルアップしていきたい、という目標があります。人生の中で時間を無駄遣いしてしまう時もあると思うんですけど、今は全くなくて毎日が本当に充実しています。考えることもたくさんありますけど、それを凌ぐぐらい毎日が楽しいです。

SHIN 世界中にアクセルの輪を広げていきたいというのがあって、きっと5年後は海外でも活動できるグループになっていると思います。それに加えてバンドも始まるのでめちゃくちゃ活動の幅は広がりますし、僕も表現者としていろんなことに挑戦できる5年後になっていればいいなと思います。みんなにエンターテインメントをもっと届けていきたいです。

KAZUKI 5年後も好きな人たちと好きなことをやっていく、というのが大前提としてあります。僕個人としてもマルチに活躍していきたいという思いがあります。表に出ることも好きなので、バラエティ番組とかにも出たいというのもあるんですけど、それだけじゃなく裏方としても映像系の仕事もしてみたいと思っています。今もメイキング映像は作らせてもらってるんですけど、表に出ない部分でもこれから活動の場を広げていけたらなと思っています。

YUKI きっと5年後、大きなステージに立った時に僕らは絶対そこに映える存在になっていると思います。その確信が最近すごく芽生えて、結構リアルにステージでアイコンタクトをしている様子などが思い浮かぶんです。未来は自分たちで一つずつ作っていくしかない、想像できるものは叶えることができると思っています。その未来を一日も早く現実にするために頑張っていきたいです。

――未来は明るいですね。

YOU-TA これまでメンバーが変わったり独立したり色んな事がありましたが、どんな時でも解散とか弱音を吐くメンバーは一人もいなかったんです。僕らのようなグループはそんなにないんじゃないかなと思っています。6年やってきて、そういったことが一度もないということは、きっとこの先も明るくやっていけるんじゃないかなと思います。

(おわり)

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