NEWS、グループ初のトリプルA面シングル MVから読み解く
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先月23日、NEWSがグループ初のトリプルA面シングル「ビューティフル/チンチャうまっか/カナリヤ」をリリースした。新生NEWSとなって初のシングル曲だ。ここでは、それぞれのMVや楽曲から見られる新たな魅力や個性について、分析していきたい。
等身大の「ビューティフル」
「ビューティフル」は、増田貴久が主演を務めたドラマ『レンタルなんもしない人』(テレビ東京系)の主題歌で、優しい旋律が魅力。MVは、運転をしながら…、本を読みながら…、髪の毛を乾かしながら…と、それぞれが楽曲を口ずさみながらが進んでいく。
2番に入ると、舞台は屋上に。加藤シゲアキが優しく微笑んだ先に、NEWSのメンバーが現れる。<さりげなく気付く愛が/こんなにも近くにあること/当たり前じゃない 分かってるけど>という歌詞が、メンバーを愛おしそうに見つめる微笑みにリンクする。
決められたダンスもなく、時折空を見上げたり、笑い合いながら、優しく歌う3人。2番のサビでは、空気感がガラッと変わり、真剣に話しながら、何かを決意したように前を向く。歌詞のように、自分たちらしく歩んでいこうという決意が伝わってくるMVだ。
“らしさ”を感じさせる「チンチャうまっか」
バラエティ番組『ぐるぐるナインティナイン』(日本テレビ系)内のコーナー『ゴチになります』のエンディングテーマ曲でもある「チンチャうまっか」。同曲は、世界各国の“おいしい”という言葉を使いながら、男女のロマンスを描いたハイテンションなアッパーソングで、<今夜こそゴチらせて>など、番組にリンクする歌詞も登場する。
近年、「トップガン」や、「生きろ」など、シングル曲では、力強いメッセージソングが続いていたNEWS。「チンチャうまっか」は、「チャンカパーナ」や、「チュムチュム」、「EMMA」など、これまでの彼らが得意としてきたキャッチーで、セクシーさを感じさせる楽曲に似た雰囲気がある。MVでも、ノリの良さと危なげな色気を堪能することができ、「これぞNEWS!」と、“らしさ”を再確認できる楽曲となっている。
メッセージ性の強い「カナリヤ」
「カナリヤ」は、力強いメッセージとエモーショナルさが同居する、新生NEWSを提示するような楽曲だ。8月に放送された『24時間テレビ43』(日本テレビ系)で、初披露された際、リーダーの小山慶一郎が歌い、加藤がハモる<君が言った/「幸せってすぐそこにあるようで あると思う度、見つからないよな?」/それでいいと言いきれる強さが僕にあったら/こんなことになってないのかな>という1番のBメロの歌詞が、「リーダーとしての想いを歌っているようだ」と話題になっていた。
発売後には、2番のBメロでも全く同じ歌詞が使われていると再び注目が集まった。雑誌『ザテレビジョン』(KADOKAWA)で、増田が、「(そのパートの歌詞を)変えないでほしいんだけど、どう思う?」と小山に尋ね、「俺も変えない方がいいと思ってた。伝えたいメッセージなら帰る必要はない」と返したことが明かされていたが、彼らにとって、この歌詞はそれほど深い意味を持ったものなのだろう。
加藤が歌う<あの日君が諦めた道を/僕ら強く抱きしめて生きよう/信じていた夢の日々を/進んでゆくさ あの日の一歩>もそうだが、この楽曲からは、“過去を大切にしながら前を向いていこう”という彼らの強い意志が伝わってくるようだ。
MVでは、マイクスタンドに向けて“音楽”と向き合う3人の姿。歌詞も印象的だが、「カナリヤ」は、彼らのアーティストとしての部分を強く感じる1曲に仕上がっている。
2020年、さまざまなことが起こり、それを乗り越えてきたNEWS。沢山のことを乗り越えてきた彼らだからこそ伝えられることや、人々の胸に響かせられるものがきっとあるはずだ。これからも、3人で共に笑い合いながら、ありのままで輝いていけますように…と願う。【かなぴす】
筆者紹介
かなぴす メディア学科卒のライター。19歳の頃から109ブランドにてアパレル店員を経験。大学時代は学生記者としての活動行っていた。エンタメとファッションが大好き。ツイッターは@kanawink