明智光秀の長女・岸を演じる天野菜月(C)NHK

 女優・天野菜月(20)が、NHK大河ドラマ『麒麟がくる』で、明智光秀(演・長谷川博己)の長女・岸を演じている。大河ドラマ、そして時代劇は初挑戦。慣れない着物での演技に「想像よりも大変だった」と悪戦苦闘も、撮影現場は「吸収する事や刺激的な事で溢れていて、私にとって全てが貴重な体験でした」と感無量の様子だ。

 天野が演じる岸は、信長と対立する荒木村重の子に嫁ぐ。12月27日放送の第38回「丹波攻略命令」に初登場すると、1月3日放送の第39回「本願寺を叩け」では、高熱で倒れた光秀を、熙子(演・木村文乃)とたま(演・芦田愛菜)と共に看病した。

 天野は『麒麟がくる』への出演が決まった時、驚きのあまり実感が湧かなかったという。衣装合わせや撮影現場を見学するうちに「だんだんと実感が湧いてきました」。緊張やプレッシャーもあったが「素直に大河ドラマに出演できることが嬉しくて、わくわくしていました」

 演じるにあたっては「台本に描かれている明智家の家族の温かさや愛を、ドラマを見ている方に感じていただけるといいなと思いながら参加」していたといい、そのうえで「戦国時代に生きた女性の覚悟など、現在には無い価値観に難しさも感じ、想像を膨らまして演じていました」と振り返った。

天野菜月が演じる、明智光秀の長女・岸(C)NHK

 三好の一党や一向一揆の連合軍との戦いで戦果をあげるなど依然として戦続きの光秀の一方で、明智家のシーンでは成長した妹・たまとの姉妹がネット上では「かわいい」とツイートもされるなど、家族のシーンにも注目が集まっている。天野は「素晴らしい方達と、共演できることをとても光栄に感じました」と感無量。

 ただ、自身は「緊張やプレッシャーを大きく感じてしまい、明智家の長女らしくしっかりと演じられるか不安に感じてしまう時もありました」という。それでも「長谷川さんをはじめ、実際に明智家の方々とお会いした時に、皆さんの優しさや温かさに触れて安心して挑むことができました」とし、改めて「ご一緒させて頂いたすべての共演者・スタッフ方々の支えのおかげで無事に撮影ができたと思い、とても感謝しています。またご一緒できると嬉しいです」と感謝した。

 「吸収する事や刺激的な事で溢れていて、私にとって全てが貴重な体験でした」という今回の撮影。今後は「激しい動きをするアクションものや、SF、現実とかけ離れた役柄やミステリアスな役柄など、役者をやっているからこそ入り込める世界観や役に是非挑戦してみたいです」と意欲を示した。

 一方、プロデューサーの中野亮平氏は、天野を「ある映画の制作過程を追ったドキュメンタリーで見せていたあどけない表情と、オーディションのお芝居で見た表情がまるで別の人で、その振れ幅に興味を持ちました。大きな目から溢れ出る感情がとても魅力的な俳優さんです」と称えた。

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