唐沢寿明主演映画キックオフ、吉川晃司が主題歌担当「全力で曲を書いた」
唐沢寿明主演の映画『イン・ザ・ヒーロー』(東映配給、9月6日全国公開)のキックオフ会見が6月30日に都内で行われ、唐沢寿明や本作の脚本を担当した水野敬也氏、武正晴監督、そして主題歌「Dream On」を担当する吉川晃司が登壇した。
映画は、ハリウッドの映画のアクターすら降板する、危険なヒーローアクション映画に挑む、日本一のスーツアクターの物語。映画に命をかける男たちの姿を通じて、夢追うすべての人に贈る応援エンタテインメント。観客に顔を知られることなく、肉体を酷使しながら闘う彼らの、一直線に夢を追い求める熱い想いを描いている。
会場に超満員のマスコミが集まる中始まったキックオフ会見。過去にスーツアクターをやっていた経験のある唐沢は、自分にとってこの映画が「自分の経験談かと思った。とにかく一生懸命やるしかなかった作品」と熱弁。一方、主題歌を担当し、本作の新たなヒーローとして仲間入りを果たした吉川は唐沢と共に仕事をするのは今回が初。
そんな唐沢の映像を観た吉川は「唐沢さんは歳も近いので、アクションが大変な気持ちがわかります」と語り、「僕もステージで暴れる方なんで、この歳になると骨折ったりとかしょっちゅうです。でも唐沢は映画の中で飛んだり跳ねたりしてるんですよ。本当に素晴らしかった!これが日本の映画だ、という感じで、けっこう泣きました」と賞賛を贈った。
最後に唐沢は「アナログ感たっぷりだけど、肉体一つで勝負している作品。子供からおじいちゃんおばあちゃんまで観てほしいと思います。せっかく作った映画ですから、より多くの方に楽しんでもらいたいです。そのためにはみんな巻き込んで宣伝しないと。トム・クルーズだってやってますよ!」と話し、公開に向けての意気込みを語った。
以下はトーク内容。唐沢と吉川の箇所を抜粋。
唐沢 本日はたくの方にお集まりいたただき大変光栄です。とにかく精一杯、一生懸命やるしかない撮影の連続でした。この想いが観客の皆に届けばいいと思います。完成を楽しみにしていてください。
吉川 ほぼ完成している映像に歌を合わせていますが、映像を観たときはものすげえいい映画だなと感動したので、全力で曲を書かせていただきました。
――本作は、観客に顔を知られることなく、肉体を酷使しながら闘う彼らが、一直線に夢を追い求める熱い想いを描く作品です。実際にスーツアクター経験のある唐沢さんですが、初めて台本をお読みになった時、どのように思ったか。
唐沢 自分の経験談かと思いましたよ。スーツアクターの経験がある方ならお分かりかと思いますが、本当にこんな生活です。現場にいったら、かぶるだけ、飛ぶだけ、切られるだけですからね。
――ご経験があったからこその大抜擢ですね。
唐沢 大抜擢っていうのかな(笑)。でも経験があったからこそ出来たのかな、と思います。
――撮影ではスタントシーンの撮影などかなり過激なアクションがあったとお伺いしましたが、 アクションシーンの撮影はいかがでしたか?
唐沢 撮影までたく準備をしていましたが、かなり怪我しましたね。昔の気持ちで飛んだりしたら全然できなかったです。
――主題歌を担当されました吉川さん、本作のために新曲を書き下ろして頂きましたが、台本を読まれた時、また編集中の映像を御覧になった時、どのように思われましたか?
吉川 唐沢は歳も近いので、アクションが大変な気持ちがわかります。僕もステージで暴れる方なんで、この歳になると骨折ったりとかしょっちゅうです。でも唐沢は映画の中で飛んだり跳ねたりしてるんですよ。本当に素晴らしかった! 自分が亡くなるとき、走馬灯に唐沢が出てくると思います(笑)。 これが日本の映画だ、という感じで、けっこう泣きました。
――主題歌は、どのような想いを込めて曲を作られたのですか?
吉川 本当に泣けたので、自分がその役を担えなかったらアウトですから、プレッシャーはありましたが、やりきりましたよ!
――スクリーンに唐沢がショーに出ているときの写真が投影。この写真は、何歳の時の写真ですか?
唐沢 18、9の頃じゃないかなぁ。
――何をされてた頃ですか?
唐沢 どう見ても宙返りしてるでしょ(笑)。ショッカーやったり、仮面ライダーやってたりしないときはこうしてショーに出てたんですよ。
――この頃からかっこいいですね!
唐沢 それは昔からよく言われます。
――この時の「夢」は何でしたか?
唐沢 やっぱり俳優ですね。見ているのは子供やお母たちですけど、ショーに出て、顔を出して演技が出来る時はすごく嬉しかったです。あの頃は誰も自分の事を見ていなくても、誰かが自分を見てる、って信じて疑わなかったです。
――今、このとき自分を振り返って、どう思われますか?
唐沢 もう戻れないですね(笑)。ひとつの事をひたすら信じてやっていました。
――この写真の頃から長い時間が経ちました。いまの「夢」は何ですか?
唐沢 できるだけ穏やかに暮らすことですかね。でもこうしていい作品や素晴らしい人々と仕事に出会える事は嬉しいことなので、これからもそういった作品に参加したいと心から思います。
――スクリーンに吉川の過去の写真が投影。この写真は、何歳の時の写真ですか?
吉川 高校1年の時、水球をやっていた時代ですね。
――この時の「夢」は何でしたか?
吉川 全国優勝でしたね。この時はスポーツ選手かミュージシャンになりたくてどっちもやってました。
――今、このとき自分を振り返って、どう思われますか?
吉川 (ギターを抱えた写真を見て)服装もう少しどうにかならなかったのかなぁ…(笑)
この時オヤジの靴履いてるんですよね、恥ずかしい!
――この写真の頃から長い時間が経ちました。いまの「夢」は何ですか?
吉川 子供のころ描いていた自分に一歩でも近づくことですかね。人間は亡くなるときに完成するって言いますから。ローリング・ストーンズも70歳過ぎてもバリバリやってるじゃないですか。ゴールはないので、いつまでも噛みついていきたいと思ってます。