松本穂香

 多摩市民などからなる実行員会が表彰する『第12回TAMA映画賞』の授賞式が29日、東京都府中市の森芸術劇場どりーむホールで行われ、最優秀新進女優賞を受賞した松本穂香は、ふくだももこ監督とこの場に立てたことを「嬉しい」と喜んだ。

 本年度最も飛躍した女優、もしくは顕著な活躍をした新人女優を表彰する「最優秀新進女優賞」。松本は、『君が世界のはじまり』『わたしは光をにぎっている』『酔うと化け物になる父がつらい』『his』などで評価された。

 『君が世界のはじまり』は、昨年公開の映画『おいしい家族』に続く2度目のふくだももこ監督作への出演となった。そのふくだ監督は本作で、同映画祭の「最優秀新進監督賞」を受賞しており、松本は「ふくだ監督と受賞できたことが本当に本当に嬉しくてたまりません。また違う作品でこの場に立てるように頑張っていきたい」と喜んだ。

 同作の舞台は大阪。堺市出身の松本は「関西弁で素の部分が出た」と回顧。更に、演じた高校2年生の縁の方が自分よりも「大人びている」とも語った。

受賞を喜ぶふくだ監督と松本穂香

 受賞スピーチには、ふくだ監督も加わった。

 福田監督は、松本を「単純に好き。最初の頃は顔がおもろいから好きと言っていたけど、最近は大人の顔でめっちゃ綺麗になっている。芯が強く声が良くて、度胸もあって、でもそれを見せないし、見えない。けど芝居をしたら見える」と絶賛。

 更に「ずっとやっていきたい。昔の監督と俳優さんの関係性のように撮り続けたい」と思いを明かした。

 一方の松本は「日頃からそう伝えてくるので」と照れながらも「映画を通しても皆の撮り方ひとつひとつとっても愛情を感じます。そこまで愛情をもって撮って下さる監督もなかなかいない。これからも頑張りますので、宜しくお願いします」と意気込んだ。

 『第12回TAMA映画賞』は、多摩市及び近郊の市民からなる実行委員が「明日への元気を与えてくれる・夢をみせてくれる活力溢れる“いきのいい”作品・監督・俳優を、映画ファンの立場から感謝をこめて表彰する。受賞者は以下の通り。

各賞と登壇者

▽最優秀作品賞
◎…『海辺の映画館-キネマの玉手箱』
大林恭子プロデューサー、奥山知由プロデュサー、常盤貴子、厚木拓郎、細山田隆人、細田善彦、吉田玲
◎…ラストレター
岩井俊二監督、福山雅治、森七菜

▽特別賞
◎…『アルプススタンドのはしの方』
城定秀夫監督、小野莉奈、西本まりん、中村守里、目次立樹
◎…『音楽』
岩井澤健治監督

▽最優秀男優賞
◎…福山雅治(『ラストレター』『マチネの終わりに』)
◎…濱田岳(『喜劇愛妻物語』『グッドバイ嘘からはじまる人生喜劇』『コンフィデンスマンJPプリンセス編』ほか)

▽最優秀女優賞
◎…水川あさみ(『喜劇愛妻物語』『グッドバイ嘘からはじまる人生喜劇』『ミッドナイトスワン』)
◎…長澤まさみ(『MOTHER マザー』『コンフィデンスマンJPプリンセス編』/大森立嗣監督代理出席

▽最優秀新進監督賞
◎…HIKARI監督(『37セカンズ』)/リモート出席
◎…ふくだももこ監督(『君が世界のはじまり』)

▽最優秀新進男優賞
◎…宮沢氷魚(『his』)
◎…北村匠海(『サヨナラまでの30分』『思い、思われ、ふり、ふられ』『影踏み』ほか)/VTR

▽最優秀新進女優賞
◎…松本穂香(『君が世界のはじまり』『わたしは光をにぎっている』『酔うと化け物になる父がつらい』『his』ほか)
◎…森七菜(『ラストレター』『青くて痛くて脆い』『地獄少女』『最初の晩餐』)

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