三吉彩花

 三吉彩花、村井良大、笹野高史、黒木瞳監督が7日、都内で映画『十二単衣を着た悪魔』公開記念舞台挨拶に臨んだ。弘徽殿女御を演じた三吉を、黒木監督は「素晴らしい」と称えた。

 【写真】黒木瞳監督と手を振る三吉彩花(全6枚)

 脚本家で小説家の内館牧子さんの長編小説『十二単衣を着た悪魔 源氏物語異聞』が原作。「源氏物語」を題材に、平安時代にタイムスリップした主人公が、妥協や忖度を一切しない強い女性・弘徽殿女御や周りの人々との出会いによって、自分の存在価値を見つめ直し、少しずつ成長していく姿を描く。

 16年に『嫌な女』で監督デビューした黒木瞳。長編2作目の監督作品となる。監督と女優とでは見える景色が全く異なるといい「女優の時はスタッフに感謝。監督の時は出演者に感謝。エンターテインメントの世界で40年、多くの人に支えられここに立っています」と感慨に触れた。

 ブレずに信念を貫く弘徽殿女御のカリスマ的キャラクターを体現させた三吉。この日司会を務めた笠井信輔フリーアナウンサーは「『源氏物語』など文学の世界では悪女として描かれてきたが、三吉さんの弘徽殿女御からは現代のキャリアウーマンに繋がる芯の強さやブレない姿勢を持っていて、1000年早く生まれてきてしまったんだと、そんなことも感じる魅力がある」と称えた。

 その三吉は「年齢を20年近く重ねる役が初めて」といい、母の優しさや年齢を重ねて生まれる言葉の説得力や凄みを黒木監督と相談しながら作り上げたという。その指導は、セリフの滑らかさや強さといったトーンの高低や強弱、発声など細部に渡ったという。そのうえで「黒木監督の指導がなかったら私は弘徽殿女御をどういうふうに演じていたんだろうと今は思います」と振り返った。

 弘徽殿女御を自分のものにした三吉を、黒木監督は「素晴らしかったです!」と絶賛。あくまでも自身の考えと前置きし「悪魔というものは凡人にまねができない、人の叡智を備えた心の強い人と捉えていました。それを三吉さんに伝えて。それと僭越ながら先輩なのでお芝居の仕方や女優として分かる細かい所をアドバイスしました」と明かした。

黒木瞳監督、三吉彩花、村井良大、笹野高史

 出来上がった作品を「共感しながら」観ていたという三吉。印象に残っているセリフは「やれることもやれぬこともやって私は生きる」。

 その理由を、マネージャーがそのセリフを三吉に言わせたいという思いを黒木監督に強く伝えたという。そのことをのちに知った三吉。「そのセリフを言い終えたときに、マネージャーさんも監督もいろんな方に、この役でしっかりと恩返しできたと実感が湧いたセリフでしたので心に残っています」と語った。

 また、黒木監督の印象を「素晴らしい監督です」と称え、「マンツーマンで撮影に入る前から指導して下さって、現場に入っても良い意味で空気感が変わらない。柔らかい温かい方。撮影の合間も美味しいごはんやお酒などの話をしたり、ご飯にも連れてってくださって。お母さんの様なお姉さんの様な感覚で一緒にいました」と振り返った。

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