ソーシャルディスタンスを保ったなかで行われた舞台挨拶。左から奥平大兼、長澤まさみ、阿部サダヲ

 長澤まさみ、阿部サダヲ、奥平大兼、大森立嗣監督が15日、都内で行われた映画『MOTHER マザー』(7月3日公開)完成披露舞台挨拶に登壇した。新型コロナウイルス対策を行った上で観客は入れずに報道陣のみで実施。久々の公の舞台に主演の長澤は「とても嬉しい気持ち」と喜んだ。

 新型コロナウイルスにかかる外出自粛要請などで映画館でのイベントは中止されていた。一時は年内の公開も難しいのではないかと不安を募らせていたという長澤まさみは「映画が公開できると聞いてともて嬉しく思いました」とし「沢山の方が待ち望んでいると実感している作品。このような時期ですが、体調と相談しながら映画館に観に来て頂けたら」と期待を寄せた。

 一方、阿部サダヲは報道陣が座る客席を見渡し、「外に出られることが嬉しいと思っていた頃。久しぶりにカメラのシャッター音を聴いて人と会うのは嬉しいなと実感して。こちらから見る景色は一生忘れない」と感慨に触れた。

 本作で俳優デビューする奥平大兼は「思った以上に緊張していません」と笑顔を見せた。その奥平はステイホーム期間中、趣味の音楽を聴いたり、映画を観て芝居の勉強していたという。対する阿部は「ボーっとしていました。勉強してません」と苦笑いを浮かべつつ「美味しいラーメンの作り方は勉強しました」とも。「続かない」性格で、人気漫画『鬼滅の刃』を見始めたものの「まだ4巻です」。それでも続いたものは「煮卵です」と笑んだ。

 長澤も映画やドラマを観たり、料理をするなどして過ごしていたといい「皆さんとやっていたことは変わらないと思います。料理はいつもよりも時間をかけて丁寧に作っていました」と明かした。

他人ごとではない

笑顔を見せる長澤まさみ

 本作は、河村光庸プロデューサーが、実際に起きた「少年による祖父母殺害事件」に着想を得て、大森立嗣監督とタッグを組み、新たな物語として映画化した。

 主演の長澤はシングルマザーの秋子を演じ、社会の闇へ堕ちていく母親に挑戦。「私自身も母から受けた影響はとても大きいと感じることはあって、親が子を作ることを考えさせられました。大人にはそういう責任がある、台本を読んだときに他人ごとではないと演じてみたいと思いました」とオファーを受けた理由を明かした。

 秋子と内縁の夫になるホスト・遼を演じた阿部は長澤とは初共演。「やっぱりすごいと思いました。最後のシーンは長澤さんの顔がアップされますが、あの表情はなかなかできない」とその演技力の高さを称えた。

 母親・秋子の歪んだ愛情しか知らずに育った17歳の少年・周平を演じた奥平は、舞台挨拶は「緊張していない」と語っていたが、撮影現場では「長澤さんの顔が小さくて可愛くて緊張しました」と笑顔を見せていた。

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