吉川晃司が8日、自身が主演を務めるカンテレ・フジテレビ系火曜夜9時の新ドラマ『探偵・由利麟太郎』(6月16日よりスタート)のテーマ曲に、新曲「Brave Arrow」(メインテーマ)、「焚き火」(エンディングテーマ)に決定した。

「Brave Arrow/焚き火」

 楽曲はいずれもドラマのために書き下ろされた新曲で、“都会という荒野を彷徨うカウボーイ”という、役を演じる上でも吉川が大切にしていた「由利麟太郎」のイメージを意識して制作された。

 メインテーマ「Brave Arrow」はサスペンス調のインスト楽曲でドラマのホラー/ミステリー感を表現。ハードボイルドにも通じる硬質なギターと妖しいドブロギターの音色が印象的で、ブルージーなロックテイストもにじむ。不穏な空気と哀愁が渾然一体となった世界はミステリアスそのもの。

 エンディングテーマ「焚き火」はカントリー&ウエスタン調の楽曲で由利の孤高感を表現している。この曲では幽玄と形容したくなるドブロギターと陰影の深いギターが効果的に使われていて、空間的な広がりのある音作りによって、夜空へと立ちこめる炎のゆらぎまでが見えてきそうだ。シンプルな構成だからこそ、スキャットの魅力が引き立っていて、郷愁と孤独感と無常観の漂う歌声が胸に染みる。

 「焚き火」の歌詞はわずか2行、ほぼ全編がスキャットという、吉川にとっても初の試み。「当初からスキャットでいきたい、歌詞はほとんどいらないなと思っていたんですよ。スキャットは自分のスタジオでデモテープを録った時にラフに歌ったままのものなんです。スタジオできっちり歌ったら、あの雰囲気は出せませんから。イメージとしては由利麟太郎が歌っている感じです。」また、弓で矢を射る武道・弓道の心得もある由利の人物設定から、「犯人を追い詰めることと“正鵠を射貫く”ことも重なるので。ならば矢がいいんじゃないか」と、楽曲タイトルや歌詞には「矢=Arrow」が由利を象徴するキーワードとして使われている。

 吉川は「あくまでもドラマに合った曲をという意識で制作にのぞみました。映像作品にプラスの要素をもたらす楽曲でなければ、本末転倒ですから。そこに吉川晃司のイメージは必要ない。あくまでもイメージしていたのは由利麟太郎。ドラマを制作されている方がイメージしている理想の曲の延長線上で、できることならばよりパワーアップできるようにと務めました。」とコメント。

 「Brave Arrow」(メインテーマ)、「焚き火」(エンディングテーマ)は、ドラマ初回放送日に合わせ、6月16日、配信限定シングルとしてリリースされる。

吉川晃司コメント全文

――ドラマの楽曲を作る上で心がけたことは?

 あくまでもドラマに合った曲をという意識で制作にのぞみました。映像作品にプラスの要素をもたらす楽曲でなければ、本末転倒ですから。そこに吉川晃司のイメージは必要ない。あくまでもイメージしていたのは由利麟太郎。ドラマを制作されている方がイメージしている理想の曲の延長線上で、できることならばよりパワーアップできるようにと務めました。

――「Brave Arrow」と「焚き火」はどんな流れで制作が進行したのでしょうか?

 脚本家の方も含めて制作チームと話している時に出てきたイメージがカントリー&ウエスタンでした。そのイメージに沿って、「焚き火」を作り、おおよそ完成してから「焚き火」を展開して広げていって、「Brave Arrow」を作りました。「焚き火」は都会という荒野をさまようカウボーイのイメージです。日が暮れてきて火を焚いて、獲ってきた獲物を火で焼きながら、ウイスキーで体を温めているという。由利麟太郎自身がどこか都会をさまよっているというイメージがあったので、こういう歌になりました。

――歌詞はわずか2行で、“空に放つ矢のように”というフレーズは「Brave Arrow」とも繋がりがあります。歌詞についてはどのように考えていたのですか?

 当初からスキャットでいきたい、歌詞はほとんどいらないなと思っていたんですよ。作詞家の松井五郎さんにも「ほぼスキャットでいきたい」という矛盾したお願いをしました。松井さんが用意してくださった中で使ったのは2行だけだったんですが、2行ですべてを言い尽くしていると感じました。スキャットは自分のスタジオでデモテープを録った時にラフに歌ったままのものなんです。スタジオできっちり歌ったら、あの雰囲気は出せませんから。イメージとしては由利麟太郎が歌っている感じです。

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