林青空「未来に期待出来る1枚が出来た」アルバムに刻まれた自信と葛藤
INTERVIEW

林青空「未来に期待出来る1枚が出来た」アルバムに刻まれた自信と葛藤


記者:村上順一

撮影:

掲載:20年02月25日

読了時間:約11分

気持ちを持って歌わないとダメ

林青空

――さて、レコーディングはいかがでしたか。

 レコーディングは回を重ねるごとに楽しくなっていきました。8曲目に収録されている「アイス」は人生で初めて本格的にレコーディングした曲なんです。それまでは弾き語りで一発録りしかやったことなくて。勝手もわからないし、手探り状態だったんですけど、回を重ねる毎に、もっとこうしたいという欲が出てきました。

――このアルバムで一番最後にレコーディングしたのは?

 「ファイティン」です。曲によってこういう風に歌いたいと、声や息の使い方は後半はより意識して歌えていたので、成長を感じてもらえるかもしれないです。

――「ファイティン」と「アイス」は曲順が並んでるので、一番わかりやすいかもしれないですね。曲順も悩まれましたか。

 悩みました。私は他のアーティストさんの曲を聴く時もアルバムを通して聴くのが好きなので、そこはこだわりたいと思っていたところなんです。「出航日和」は作っているときから1曲目にしたいと決めていたので、「光」をどこに持って来るかで、アルバムの印象が変わると思いました。最後に持ってくるか、前半で「前に進むんだ!」という意思を先に伝えるかで悩んで、最終的には2曲目に収まりました。

――「猫背」を最後にしたのも意図があるんですね。

 はい。「猫背」は私の中で今までにない曲の作り方をした曲なんです。衝動的に歌詞とメロディとコードをぶつけた曲になりました。サウンドもパワフルで、これから先の林青空に期待してもらえるような曲になったと思って、未来を感じてもらえるように最後にしました。

――猫背という言葉は割とネガティブですけど、曲はアグレッシブで良い意味で期待を裏切りますよね。ちなみに林さんはコンプレックスはあるんですか。

 こうやって曲にしてみたらけっこうありました(笑)。これまでも挫折や悔しい思いもしてきたので...。

――挫折とは?

 本格的に音楽活動を始める前のことなんですけど、歌のオーディションに参加したことがあるんです。そのオーディションに落ちてしまってすごく悔しかったんです。その時にちゃんと気持ちを持って歌わないとダメなんだ、というのがわかりました。それまでは自分が歌っていれば大丈夫だろうという根拠のない自信があったんです。そうじゃない事を色んな場面で思い知らされる事になって、根拠のない自信が削られていって、一度空っぽになって、イチから自信をつけていく事になりました。

――「BLUISH WHITE」はその想いが歌詞に入っているのではと思いました。

 そうです。思いや後悔、決意を東京に連れて来れたことは嬉しいと思いましたし、それがある分もっともっと頑張らないといけないなと思った時に書いた曲です。「出航日和」や「光」は前に進んで行く曲ですが、「BLUISH WHITE」は、都度振り返って行きたい曲になりました。

――様々な気持ちや想いが詰まったアルバムになっていますね。最後にこのアルバムはご自身に取ってどのような1枚になりましたか。

 このアルバムが出来たことによって自信がつきましたし「もっとやれる!」という前向きな気持ちにさせてくれる作品が出来たと感じています。このアルバムで初めて私の事を知ってくれる人も出てくるタイミングで、アルバムという形で届けられることがすごく嬉しいです。昔から歌っていた曲も、今の私も入れる事が出来ましたし、林青空をたっぷりと知っていただけるものに仕上がったと思います。自分が未来に期待出来るのと同時に、聴いてくれる皆さんが私に期待してもらえる1枚なので、皆さんに届く日が楽しみです。

(おわり)

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