伊藤万理華、乃木坂46卒業後2年は「試練だった」今だから話せる苦悩と葛藤
INTERVIEW

伊藤万理華、乃木坂46卒業後2年は「試練だった」今だから話せる苦悩と葛藤


記者:木村武雄

撮影:

掲載:20年01月25日

読了時間:約10分

新たなスタートを切る、それが今回の展覧会

――この2年、伊藤さんのなかで何があったのかが知りたいのですが、まず『賭ケグルイ』に出演された時期はどうでしたか。

 消化不良だった時なのかなって今になって感じます。その時期の作品はそうかもしれないです。もちろん、頂いた仕事は全力で精いっぱいに取り組みます。でも集中しすぎて他のことが手につかなくなるぐらい。仕事をやっていくうえで、ほかの仕事をやる上でモチベーションを保たないといけない。それをどう維持するのか、それはこの2年で学びました。

――この2年は伊藤さんにとってどういう期間でしたか。

 この展覧会をやらせて頂く上で、「この2年間が無駄じゃなかったんだ」と思いたくて、こういう形にしたかったというのはあります。

――今回は自らやりたいと手を挙げたようですが。

 そうです。前回お世話になったパルコの担当者さんに、いまこう思っていて、こうやりたいんですと。偶然、OKが出ました。

――そもそもなぜ展覧会を開こうと思ったのですか。

 卒業してからいろんな人と出会いました。例えば、自分と同じジャンルではないクリエイターの方など。そういう方とお話して新しいものができるなと思えて。実は、そういう感情は卒業してからの期間、なくなっちゃって。そうなってしまったのは前回の展覧会で完全燃焼したからです。本来の自分の性格や本来の自分は、もっと外に出ていろんな人と話して、あんなこと、こんなことをやりたいと思っているはずだった。でも、引き籠ってしまい、外に出るまで時間がかかって、やっと外に出て話をいろいろとしたときに、自分から提案する勇気が出てきました。

――『賭ケグルイ』の時は?

 必死で現場に着いて行こうとして、やれることをやろうと思っていました。ただ、必死になり集中しすぎてしまい他のことに気がまわらないというか、手が付けられない状況にあって。自分から何かを生み出すことをしたくない時期でした。もともと前回の展覧会で最後にするつもりでした。展覧会を開くことも、何かを生み出すこともやらないと思っていたらどんどん内に籠ってしまい。でもそれも発見でした。こうやって生きて2、3年後に作品を生み出して消化する、そういうサイクルというか。何かをやりたいという思う時は必ず来る。それは展覧会だけでなくもっとジャンルを広げていくべきだろうと思います。

伊藤万理華

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――ではこの2年は試練でもあり、発見でもあった?

 試練でした。展覧会に到達するまでに私はこれぐらい時間がかかる。それも発見でした。そうやって溜め込んで機会があればこうやって形にしていく。それが学べた2年間でした。

――前回と今回はスタンスが違います。作品にどう反映されますか。

 全く違います。乃木坂46という環境にいながらやった展覧会と、一人になってから自分で駆け寄って、もちろん前回も一人で駆け寄った部分はありましたが、よりそこからプレゼンしに行ったり、これやったら面白いと思うと、私が苦手な言葉にして伝えなくてはいけない部分も一から学んだ感じです。私の人生の中で初めての仕事で、それは自然と作品にも表れていると思います。

――この展覧会を機に新たなスタートが切れる?

 そうです。時期的にも年が明けて最初にお披露目できる場です。自分のなかでも転機になると思います。

(おわり)

「HOMESICK」個展
https://art.parco.jp/galleryx/detail/?id=342&pv=on

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伊藤万理華
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