RAMMELLS「音楽が一番」“現代のビートジェネレーション”を呼び覚ます鼓動
INTERVIEW

RAMMELLS「音楽が一番」“現代のビートジェネレーション”を呼び覚ます鼓動


記者:平吉賢治

撮影:

掲載:20年01月15日

読了時間:約10分

様々な変化を加えつつも核にあるRAMMELLSらしさ

――サウンド面では様々なアプローチがあると感じました。表題曲の「Beat generation」は今までにあったようでなかったストレートなロックテイストですね。どのような着想で制作しましたか?

村山努 インディーズの頃の「Blue」という曲があって、それはバッキングギターが薄い感じの曲で、最近そういう曲を作っていないなと。単純に、ギターをかき鳴らして歌えるような、シンプルで良い曲を作りたいと思ったんです。先にトラックを作ってメロディは任せました。

――そのトラックにメロディはスムーズに乗りましたか?

真田徹 わりとすぐメロディはつけられました。綺麗な曲だし、村山君が作る曲のわりにコードも少ないし、良い曲になりそうだなと思いました。

――「Overdrive」ではソウルテイストな曲調の中にアコースティックギターが入っていますね。

真田徹 今作では「Beat generation」と「Overdrive」だけアコギが入っているんです。毎回1曲くらいはアコギが入っていて、そんなに多くはないんです。

――「The sugar」ではグロッケンの音が印象的です。

黒田秋子 前作のレコーディング期間中にグロッケンを買ったんです。今作でも入れたいなと思いまして。

――そういえば『Mirrors release tour』の代官山UNIT公演の時、ステージにグロッケンを置いていましたね?

黒田秋子 置いてた! 弾こうと思ってたんですけど。

彦坂玄 弾かなかったよね?

真田徹 もう次のツアーで捨てようと思ってます(笑)。

黒田秋子 その次の大阪公演では弾いていたんですけど。「やべっ!」と思って(笑)。

――「I'm a runner」はこれまでのRAMMELLSらしさが出ている楽曲と感じました。Aメロはボーカルが黒田さんではないのですね。

黒田秋子 Aメロは真田が歌っています。前作でも一応、Bメロをちょっと歌うというのはあったんです。でもエフェクトをかけていたので、今回ほどがっつりとは歌っていなくて。

真田徹 先にメロディが出来ていて、女性ボーカルの声だと低い音域だったんですけど、メロディを変えたくなかったんです。

――そういった背景もあったのですね。「think other」はギターリフが強烈ですが、リフから生まれた楽曲でしょうか?

黒田秋子 そうです。ギターリフが「いいじゃん」ってなって。

――ギターソロも今作で最も強烈と感じました。

真田徹 初めてコントロールルームでギターソロを録ったんです。そこだけみんながいる所でのびのびと弾きました。録っている時にヘッドフォン越しにまわりが色々言っているのが聴こえるほうがプレッシャーがないというか。

――「rain」には間奏のリードの音色が非常に印象的ですが、これはどういったサウンドメイクをしたのでしょうか。

村山努 元々、黒田が作ってきたデモでシンセのソロパートがあったんです。そこをスタジオにあったアナログシンセで作りました。

彦坂玄 あれはマニュピレーターの方と今回サポートの鍵盤の方と一緒に一から音を作っていました。プラグを抜いたり差したりして。デモの段階でもそのシンセソロはけっこう印象的で。「ギターでいいじゃん」とか色々言っていたんですけど、結果的にアナログシンセにして良かったと思います。

黒田秋子 そうだね。かなりいい音で録れました。

――候補に上がったギターでのソロバージョンも聴いてみたいですね。

彦坂玄 そうするとギターソロが多くなっちゃいそうというか。何曲あるっけ?

真田徹 今回は少ないよ。7曲中、3曲くらいしかギターソロ弾いていないような…RAMMELLS的には少ないほうです。

――ライブでギターを弾きまくるイメージがあるので、数を聞くと確かに少ないとも感じます。でも一つひとつのギターソロが印象的だから音源では少ないとは感じませんでした。

真田徹 「Beat generation」も2回ギターソロを弾いていますし、「think other」のソロも長いし(笑)。そういえば「千年後」でも弾いています。

――「千年後」ではエレクトロ的なアプローチがありますね。どういった着想で生まれた曲でしょうか?

村山努 レディオヘッド(英ロックバンド)のアルバム『KID A』の楽曲から、最初の曲の雰囲気でイントロを作りたいなと思って、そこからです。そのままエレクトロにするのも普通なのでバンドっぽくして。この曲を作っていた時たまたま『KID A』をよく聴いていて。『The Bends』とかも聴いていたので、「千年後」と「Beat generation」は、けっこうブリティッシュロック寄りを意識して作ったかもしれないです。

――確かに「Beat generation」からはブリティッシュなテイストを感じます。今作のタイトルにかかるのですが、アルバム全体でビート面にこだわった点もあるのでしょうか?

彦坂玄 タイトルが「Beat generation」だからそう思いますよね(笑)。音楽的なビートはあまり関係なかったりするんです。でも、ビートは芯を強めというか。「Overdrive」は逆にサクサクさせていたりするんです。今回はドラムのチューニングを自分でやったんです。

――それは大きな変化かと。

彦坂玄 けっこう低いのが合うと思ったんです。だからそれも叩いてからコンソールに走って聴いて、また調節してという往復作業がありました。確かにビート面も頑張った作品です。

――これまでのRAMMELLSの作品で最も太い音のビートだと思いました。

彦坂玄 確かに全体的に重めのものが多いし、ドシドシしてます。よく「速い曲を作って」と言われたんですけど、それも振り切って(笑)。そこにRAMMELLSらしさがあると思ったので。

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