<写真>2年ぶりに開催されたアコースティックライブで熱唱する秦基博

2年ぶりに開催されたアコースティックライブで熱唱する秦基博。緩急ある『静』と『動』のステージに時はゆったりと流れた(宮家秀明撮影)

<ライブレポート>
 シンガーソングライターの秦基博(33)が、2年ぶりとなるアコースティックライブ『Hata Motohiro presents an acoustic live “GREEN MIND 2014”』を4月30日・大阪フェスティバルホールを皮切りにスタートさせた。今年は全国13会場17公演のツアー形式で開催される。

 ツアー初日となったフェスティバルホール公演は、スタートこそ初日ならではの緊張感あるステ-ジとなったが、秦は「『GREEN MIND 2014』へようこそ!2年ぶりのアコースティックライブ『GREEN MIND』のツアーが、ここ大阪フェスティバルホールから始まるという事で、本当に有難うございます!“アコーステック”という事で、ゆったり、のんびりと楽しんでいただけたらと思います」というMCとともに、会場の緊張感もすぐに解けていった。

 秦の原点とも言える“弾き語り”あり、サポートメンバーに鹿島達也(Bass)、朝倉真司(Percussion)、皆川真人(Piano)を迎えたアコースティックスタイルでの“バンドセッション”ありの緩急ある『静』と『動』のステージに、時にはゆったりと、時には身体を揺らしながら、オーディエンス達と心地良い音楽空間を共有した。

 また、本ツアーでは、リリースされたばかりの最新シングル『ダイアローグ・モノローグ』も披露された。この曲は主人公が昔の自分と対話をし、過去を振り返るだけではなく、現在と向き合い、未来へ踏み出していこうとする姿が描かれた、秦基博流のメッセージソング。

 ツアー直前にリリースされたニューシングルという事で、本ツアーで初披露となった、シングルのカップリング曲『五月の天の河』とともに<一緒に何かを共有する、そんな時間を大切にしたい>という気持ちも込めて制作された、『GREEN MIND 2014』ツアーへの招待状のような楽曲であり、ライブでの初披露に会場のオーディエンスもその想いを確かに受け取ったことだろう。

秦基博、ドラえもん主題歌のタイトル発表

 さらに、本ツアーでは秦基博からのサプライズもあった。今夏に劇場公開される、3DCG映画『STAND BY ME ドラえもん』主題歌に起用された新曲(8月6日発売のニューシングル)のタイトルを発表。

 秦は「ドラえもんって、小さな頃から僕らの中にずっと居るじゃないですか。そんなドラえもんのストーリーとも共通する、僕らの身近にある、いつもそばに居てくれる人の大切さやというものをテーマにこの曲を書きました」と紹介した。

 既に楽曲の一部は映画『STAND BY ME ドラえもん』の公式サイトにアップされた予告編でも聴くことが出来る。

<写真>アコースティックライブ初日公演で歌う秦基博

2年ぶり時がゆったりと流れた秦基博のライブ(宮家秀明撮影)

 また、同日4月30日には、昨年12月に開催された映像作家・島田大介氏を総演出に迎え、“Visionary live”と謳われた秦 基博のスペシャル・コラボレーションライブ『Hata Motohiro Visionary live 2013 -historia-』のBlu-ray・DVDもリリースとなった。

 ライブ全編にプロジェクションマッピングを取り入れ、デジタルとアナログを混在させた島田氏ならではの独創的で美しい映像とコンセプチュアルな美術、そしてバンドメンバーと息の合った秦のパフォーマンスとが見事に融合した、今までのライブとは一線を画する素晴らしいステージ。

 Blu-ray・DVD化にあたっては、公演後、新たに撮影された映像も加わり、まるで時空を超え、舞台や映画を観ているかのようなミュージック・フィルムとなっているので、秦 基博のライブに参加した事がある方も、そうでない方も、ぜひ秦基博のスペシャル・ライブを体感して欲しい。

秦基博が自主企画する「GREEN MIND」

 『GREEN MIND』(グリーン・マインド)とは、2008年5月4日に神奈川県民ホールにて第1回目が行われて以降、形を変えながら毎年5月“みどりの日”を中心に開催されている自身の自主企画によるアコースティックライブである。

 2009年は全編弾き語りで、全国21ヶ所にわたるツアーを展開。2010年は、札幌・長崎・奈良・山梨の4ヶ所にて全会場“野外”での開催、2011年は口蹄疫、火山の噴火、鳥インフルエンザなど、厄災との苦闘が続いていた故郷宮崎県を力づけようと、宮崎1カ所での開催となった。

 また、この年はデビュー5周年を締め括るべく、福島いわき市と東京・日本武道館にて“GREEN MIND”を掲げての弾き語りライブを行い、“GREEN MIND”としては初のダブル開催となった。そして2012年は、ワンマンライブは初となる島根・滋賀・沖縄・茨城の4県での開催に加え、世界遺産にも登録された岩手県・平泉にて『GREEN MIND 2012 in 岩手×第19回世界遺産劇場・特別記念公演-平泉-』としても開催された。

 2013年はアルバム・リリースを受けた全国ツアー『Signed POP TOUR』開催のため『GREEN MIND』を休止していたが、今年約2年振りに全国ツアー形式で開催される事となった。

 4月23日にリリースされた、ニューシングル「ダイアローグ・モノローグ」の初回生産限定盤には、『GREEN MIND』のヒストリーを“弾き語り”から多彩な“バンド・セッション”まで、年代順に7会場分(横浜・淡路・河口湖・宮崎・東京・茨城・平泉)のライブで辿る、映像版“BEST OF GREEN MIND”とも言うべき特典DVDが付属されている。

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<写真>2年ぶりに開催されたアコースティックライブで熱唱する秦基博
<写真>アコースティックライブ初日公演で歌う秦基博

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