声優の逢田梨香子が11月13日に、1stシングル「for...」をリリース。表題曲はTVアニメ「戦×恋(ヴァルラヴ)」オープニング主題歌で、前作『Principal』に収録された曲たちとはまた違った一面を感じさせてくれる、戦う姿がイメージできるアップチューンに仕上がった。インタビューでは、8月におこなわれたバースデーイベントについてや「for...」の制作背景、さらにクリスマスの思い出など多岐にわたり話を聞いた。【取材=村上順一】
サウンドに歌で負けたくない
――逢田さんの誕生日当日、8月8日におこなわれた『1st EP『Principal』発売記念Birthdayイベント』はいかがでしたか。
BirthdayイベントでZeppのステージに立たせていただけたことがすごく嬉しかったですし、初めてソロ曲を披露させてもらったステージということもあって、とてつもないほど緊張していました。もうガチガチで、イベントの後にはアニサマ(Animelo Summer Live)も控えていたので、セットで緊張していたんです。Birthdayイベントの昼の部はファンの方がじっくり歌を聴いてくださっていて、夜の部はみんなで盛り上がるといった感じで全然違っていたのが面白かったです。
――アニサマのステージはいかがでしたか。
バースデーイベントで少し自信を持つことが出来たので、良かったと思います。それは、観に来てくれた皆様が温かく見守ってくれたからこそ、そういう気持ちになれたんだと思います。
――セットリストが同じでも反応が違うというのは面白いですね。
おそらく昼の部は私が緊張しているのが伝わってしまったのかも知れません。皆さんは私が緊張するタイプだというのは知ってくれているので...。
――バックステージでの逢田さんはどんな感じなんですか。
緊張しているので、もう一人でソワソワしています。傍から見ても緊張しているのは伝わっていると思います。だからといって周りとのコミュニケーションを遮断するとかはないんですけど(笑)。
――でも、ある程度緊張感はあった方がいいですよね。
私もあった方が良いと思います。それは今までの経験上実感もしていて、緊張しないと切り替わらないというか、小さなミスが多くなってしまうんです。
――やはり多少の緊張は必要ですね。さて、今作「for...」はテレビアニメ『戦×恋(ヴァルラヴ)』のオープニング主題歌ですが、アニメや原作を見て、この作品にはどのような印象をもたれましたか。
色んな要素が含まれたアニメだなと思いました。9人姉妹が戦うシーンやお色気シーンなどもあって振り切った作品だなと思いました。
――逢田さんは9人姉妹の四女、早乙女四乃の声優として参加されていますが、どういった役なんですか。
いちばん謎が多いキャラです。原作の方では顔は見せているんですけど、ミステリアスです。一言でいうと病弱で儚げな感じです。きっと過去に何かあったと思うんですけど、私としてもまだまだ謎が多いキャラです。
――逢田さんとリンクする部分は?
今のところないです(笑)。私とは真逆にいるキャラだと感じています。これまでも元気な感じのキャラは意外と少なくて、どちらかというと大人しいキャラが多かったんですけど、今回はいつも以上に大人しいなと感じています(笑)。
――謎が多いキャラとなると、役の作り込みも難しそうですね。
難しいです。9人全員個性豊かなんですけど、より個性的なキャラなので。
――逢田さんの役作りに注目ですね。さて、今作「for...」は前作にはなかったテイストの楽曲に仕上がりましたが、初めて聴いた時の印象はいかがでしたか。
シンプルにカッコいい曲だなと思いました。『Principal』からのギャップに驚きました。だんだん曲が完成に近づくにつれて、『Principal』から引き継ぐものを感じたり、通じるものもあるなと感じました。
――ちなみにどのあたりが引き継いでいると思いましたか。
バトル系の作品に寄り添った楽曲ではあるんですけど、楽曲の上品さだったり、繊細なサウンドは引き継いでいると思いました。ただ勢いだけで行くだけの曲ではない、というところがこの曲の魅力なんじゃないかなと思います。
――確かにただ激しいだけの曲ではないです。レコーディングはスムーズでした?
スムーズというわけではなかったです。2回ほどプリプロをさせていただいて、歌の方向性をつめて、しっかり練習させていただきました。なので、表現したいことは固まっていたので、レコーディング本番は大丈夫でした。ただ、サウンドが強めなので、そこに歌で負けたくないという思いはありました。歌から強い意志が伝わったらいいなと思いました。
――参考にされた曲やアーティストはありましたか。
あまり他の方を参考にして歌うというのはなかったです。それよりも声と曲とが混ざりあうように考えながら練習しました。ソロ活動が始まる前は色んな音楽を聴いて歌の参考にさせて頂いたりもしたんですけど、ソロ活動が本格的にスタートしてからは自分のカラー、個性を探すようになりました。
――さて、今作はアニメにも寄り添った作品になっていると思うのですが、逢田さんから見て特にアニメとリンクしているなと感じている部分はありますか。
曲はすごくカッコいいんですけど、歌詞は恋愛要素も含んでいて、私は特に落ちサビ前の「好きという思いを」のところがキャラクターがすごく浮かんできます。『戦×恋(ヴァルラヴ)』そのものだなと感じています。あと、<迷わない迷いたくはないから 信じて今 一歩踏み出そう>のところはしっかりと自分の足で進んでいく戦う女性らしさも出つつ、繊細な部分も持ち合わせているなと思いました。すごく自分と葛藤しているところが表現された歌詞だと思います。
――歌詞に<好きだけじゃダメだと >とありますが、これは恋愛以外でも起こりえることだと思うのですが、逢田さんもそう感じる瞬間はありましたか。
あります。声優業など、やっぱり好きなものを職業にするというのは難しいなと感じるところもあります。仕事ではなくても、好きなものというのはある程度の距離感があった方が、ずっと好きでいるためにも良いのかなと思う時があります。
――歌詞を読むと色んな気づきを与えてもらえるので面白いです。
今回、作詞をしていただいたのが、前作『Principal』に収録されていた「ORDINARY LOVE」を書いていただいたSatomiさんなんですけど、どんな歌詞が上がってくるのかすごく楽しみでした。
――そういえば逢田さんも作詞をやってみたいと以前仰っていましたが、何かアクションは起こされていますか。
本格的にはまだやってはいないんですけど、メモ帳とかに思いついた事を書いてみたりはしています。例えば映画を観て感じた事だったり、その時に感じた事なんですけど。
――そういったものが積み重なって最終的に歌詞になっていくと思うので、これからが楽しみですね。
作詞は未知数ではあるんですけど、自分でも楽しみにしていることなんです。自分の言葉で何かを伝えるというのはすごくドキドキします。怖い部分でもあるんですけど。