LONGMAN「元気付けたい」最も愛する音楽で聴く人に届けるエネルギーと未来
INTERVIEW

LONGMAN「元気付けたい」最も愛する音楽で聴く人に届けるエネルギーと未来


記者:平吉賢治

撮影:

掲載:19年11月05日

読了時間:約10分

「僕らもお客さんも真っ白になって非日常に」

――“メロディックパンクバンド”と銘打つ皆さんの音楽のルーツは?

さわ ELLEGARDENさんとSpecialThanksさんです。こういう音楽を聴くきっかけになったのがELLEGARDENさんなんです。そこからハマっていって高校生の頃にSpecialThanksさんを聴いて自分でも楽器を弾き始めました。

――そこでベースに触れだした?

さわ 最初はギターボーカルだったんです。

ひらい LONGMANになってからベースになったんです。

さわ SpecialThanksさんのミサキさんに凄く憧れて。GO!GO!7188さんも大好きで。ライブを初めて観に行ったのがGO!GO!7188さんなんです。女性ギターボーカルという存在が好きで、その影響がありました。

――ひらいさんのルーツは?

ひらい 僕が一番影響を受けているのは10-FEETさんとSum 41さんです。メロコアを基盤として、ちょっとミクスチャーのものが入っていると飽きなくて好きなんです。Zebraheadさんも好きです。

――ひらいさんの楽器は最初からギターだったのでしょうか?

ひらい そうです。大学1年生の頃に始めました。

――ほりほりさんはどんな音楽に影響を受けましたか?

ほりほり 僕はL'Arc en CielさんとUVERworldさんです。

――2人とはちょっと毛色が違う感じですね。

ほりほり そうなんです。父がオリコンランキング10位くらいまでのCDを毎月レンタルしてくるので、それを聴いているうちにだんだんと。だから、バンドを追いかけるというより、TVなどで自然に流れる曲を聴いているタイプだったんです。

――LONGMANのポップな面はほりほりさんのカラーかもしれませんね。

ほりほり あるかもしれないです。

――コアなバンドサウンドというかは、みんなが楽しめるサウンドというか。「Wish on」は正にそういった感じで楽しめました。どのように制作しましたか?

ひらい 基本的に僕がギターと歌で先に作って、それを録って送って「何となく考えておいて」って言ってスタジオにみんなで入ってアレンジします。

――そのやり方がベーシックな感じでしょうか?

ひらい 最初からずっとそうです。

――今作の3曲でもそれは変わらない?

ひらい 特に変わりませんでした。曲自体は、「Wish on」も「No End」も2年くらい前に作ったもので。

――歌詞で一貫しているメッセージはありますか?

ひらい 元気を出してほしくてやっているんですけど、あまり直接的には言わないようにしています。共感してもらって元気を出してもらうという感じもあると思っていて。「僕もつらいんだよ」と言われるだけで「つらいのは自分だけじゃないんだ」と思って元気が出るパターンもあるかなと思っています。そのイメージで毎回書いています。自分がつらい時に「こうやって言ってもらったら元気になるかもしれない」というのを基本的にイメージして歌詞を書いています。

さわ 私もほりほりもそういうスタイルは好きなんです。

ひらい 日本語の細かい文言などはけっこう相談したりします。英語だとハマるのに日本語にしたら「あれ?」ってなっちゃうときもあるので(笑)。

――ライブを意識してサウンドメイクをしたりするのでしょうか?

ひらい それもあるし、していない曲もあります。

――ライブの意気込み的には「遊び心」の一点?

ほりほり ライブはそうです。僕らもお客さんも真っ白になって非日常にしたいと思っています。

――これまで様々なライブ、『ROCK IN JAPAN』『MONSTER baSH』などの大型フェスにも出演されていますが、オーディエンスからの熱はどのように感じますか?

ほりほり ライブハウスでは僕らを観に来ているお客さんが中心なので、そういう意味ではライブハウスのほうが熱いのかもしれませんけど、フェスでは僕らのことを「LONGMANという名前を聴いたことはあるけど知らない」とか、そういう人が多いと思うんです。そうなってくると、「初めて観てくださる人達に聴いてもらう」という部分に重きを置いているという違いはあります。

ひらい ライブハウスは良い意味で「身内ノリ」を出せるし、フェスは良い意味で「よそ行き」なんです。

さわ 第一印象は大事だと思っているんです。

――地元でライブをやる場合と、別の場所でやる場合のオーディエンスの反応は違いますか?

ひらい 地元は野次が多いです(笑)。

さわ 愛のある野次です(笑)。

ひらい ずっと昔から観てくれていた方々がいっぱいいるから、親心のようなものがあるようでして。

さわ 何かあったらすぐにイジられるような。

ひらい 昔はけっこうほりほりがMCをやっていて、その頃の僕達を知っている方が多いので「ほりほり!」っていうのは愛媛ならではです。他の県では一切ないんですけど。

ほりほり 一切ないってことはないでしょ(笑)。

――「Wish on」に込めた想いは?

ひらい みんなを「元気付けたい」というのはあるんですけど、わりと自分の状況を歌っているところもあります。バンドとしても人としても大きくなりたいと日々思っているんです。ちょっと劣等感が強いことがあって。どうしても「どうせ自分なんて」と思うことがよくあって。サビの最後の<陽は昇って>というフレーズがあるように、とは言えやらなきゃいけないことはあるし、人生やるしかないと思っているので。決意表明を込めた曲でもあります。

――「No End」はインパクト絶大ですね。しかも1分で終わるという。

ひらい これが僕らのいつものスタイルというか得意分野なんです。「Wish on」はいままでのLONGMANに新しい要素が入っているという部分が強いので、2曲目はいままでのお客さんに向けてというところが強いんです。僕らの得意分野、高速ビートの激しいロックです。僕らのやりたいことを1分に詰めたという感じです。

――得意分野を1分に収められるって凄いですよね。

ひらい ありがとうございます。これからも僕らはこういう感じをやるという想いを、いままで聴いてくれている方々に発信したくて。これから聴いてくださる方には1曲目のポップでキャッチーなところで引っかかってくれたところで、2曲目で1分で刺さってくれないかなと(笑)。メロコアが好きなお客さんが増えたらいいなという想いもあります。

――LONGMANのサウンドの中核はメロコア?

ひらい あまり意識はしていないんですけど、結果的にそうだと思います。

――サウンド的なこだわりは?

ほりほり 僕はドラムが前に出過ぎないようにしています。あくまで歌、メロディを活かしたいんです。激しいサウンドのなかでも主張し過ぎないようにしています。

ひらい ずっと新しいことをやりたいと思っているんです。好きなのはメロコアなので、そこにどうしたらLONGMANらしくなるかとずっと考えています。色んな音楽を聴いて取り入れてやっているんですけど、まだ道半ばです…。

――“らしさ”って大事ですよね。

ひらい “唯一無二感”をいかに出すかというのはいまだに追求しています。現在進行形の課題なんです。「LONGMANは違うよね」って言われたいです。

――一線を画しているバンドだと。

ひらい はい。そういう感じになりたいです。

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