声優・アーティストの渕上舞が28日、3rdシングル「Love Summer!」をリリース。声優としてアニメ『ガールズ&パンツァー』の西住みほ役などでの活躍するほか、数多くのキャラクターソングを担当。2018年1月にアルバム『Fly High Myway!』でソロデビュー。今年4月に東京・中野サンプラザホールでの2ndワンマンライブを成功させている。今作「Love Summer!」は、夏の1日をテーマにテイストの異なる3曲を収録。楽曲それぞれに込めたものと、ソロデビューから約1年半経った現在の思いを聞いた。【取材=榑林史章】
夏の思い出はバイト先の仲間との旅行
――「Love Summer」は、夏のさまざまなシーンを切り取ったような1枚になりましたね。
せっかく8月にリリースするので、1曲目は夏らしい日中の空気感と景色で、2曲目は夕暮れ時に海辺で夕陽を眺めているような空気感、そして3曲目は夜まで遊び尽くそうというイメージで、ナイトプールの雰囲気がいいと話して作っていただきました。衣装も私にしては珍しいグリーンで、オフショルダーで肩も出していて、夏らしく爽やかな1枚になったんじゃないかと思います。
――まず表題曲の「Love Summer!」は、まさしく南国のようなサウンド感の楽曲ですね。
夏らしいハジけた曲がいいなと思って、作っていただきました。それにライブで歌う機会があった時に、みんなでタオルを回して汗をかいて、飛び跳ねて盛り上がれるような曲にしたくて。海のキラキラ感と日射しのキラキラ感が、合わさったような曲になりました。
――作詞は渕上さんご自身が担当していますね。<大事な日はいつも雨>と出てきますが、これは実際にそうなんですか?
雨女なんです(笑)。イベントや大きなステージ、荷物の多い時に限って雨が降るんです。だから雑誌の撮影などで「今日は天気が良くて気持ち良いね~」みたいな会話をした記憶がなくて。成人式の記念写真なんか、振り袖にビニール傘を持って写っているんです。それも含めて思い出だなって思いますけど…そういった自分自身のことや考えも反映しつつ、楽しくはしゃいで遊ぶ女の子を主人公にして書きました。
――<水鉄砲を発射!>のところの歌い方は、ハジけていていいですね。こういうところは、現場のディレクションで?
<発射!>のところは、ちょっと遊びました。事前に自分で考えて用意していって、それが採用された形です。合いの手を入れるところがたくさんあって、そこはライブでコール&レスポンスをしているイメージで歌いました。
――この曲の歌詞のように、夏にハジけた思い出はありますか?
いちばん色濃く覚えているのは、昔アルバイト先の同僚5、6人の男女で、車で伊豆に行ったことですね。海で遊んだり温泉に行ったり、みんなでご飯を作って食べたりしたことが、私の中でいちばん夏を満喫した思い出です。
――男女グループということは、その時に恋の展開は?
その時は仲間感みたいな楽しさだったから、そういうドキドキはまったくありませんでした。少し前に部屋の片付けをしていたら、その時の動画が入ったCD-ROMが見つかって。それを観たら「舞さん、朝ご飯ができましたよ」って後輩の男の子に呼ばれて、私が「わかったー」って携帯をイジりながら気のない返事をしているシーンが入っていて。バイト先が飲食店だったからご飯は全部男の子が作ってくれたし、私が先輩だったのもあったけど、それにしても私って、本当に何もしていなかったな…と思い出してそれが面白かったです。
――そういう関係性のグループだったんですね。
すごく楽しかった思い出ですよ。学生さんなら部活やサークルなど、仲間同士でワイワイと遊ぶ機会が多いと思います。私にはなかったけど、その中で片思いしている人とかも多いと思うので、そういうシーンにぜひ聴いて欲しいです。この夏何もなかった人は、このCDを聴いてそれを夏の思い出にして欲しいです。
――渕上さん的にこの夏はいかがですか。
この夏は、これと言ってなかったんですけど(笑)。代わりに「Love Summer」のMVで、夏らしいことをやり尽くしました。プールのシーン、海のシーン、水鉄砲やホースで水をかけたり、外でお料理をしたり。スイカ割りもして。
――エプロンが上手く着られないシーンもありましたね。
衣装さんから首を通すところを教わっていたんですけど、いざ撮影本番になったら間違えてしまって。それがそのまま使われているんです。
――こういうオフショットのようなリラックス感があるMVは、今まではなかったですね。
今回が初めてでした。今までは、セットを建てたり動きや角度をきっちり決めて撮った、作り込んだものが多くて。今回は空間を自由に使って遊ぶ感じだったので、仕事だけれどスタッフのみんなと遊びに来たような空気感で、本当に楽しい1日でした。