柄本佑(C)三橋優美子

 2020年1月18日スタートのNHK土曜ドラマ『心の傷を癒すということ』のキャストがこのほど発表され、主演を柄本佑が務めることが決まった。

 本作は、「傷つきにやさしい社会」の実現を願う精神科医・安克昌氏が懸命に生きた証を綴る被災者の“心のケア”のパイオニアとして奮闘しつづけた精神科医のヒューマンドラマ。

 阪神・淡路大震災発生時、自ら被災しながらも、他の被災者の心のケアに奔走した若き精神科医・安克昌(あん・かつまさ)氏。手探りながらも多くの被災者の声に耳を傾け、心の痛みを共に感じ、寄り添い続けた日々。震災後の心のケアの実践に道筋をつけ、日本におけるPTSD(心的外傷後ストレス障害)研究の先駆者となった。在日韓国人として生まれ、志半ばでこの世を去りながらも、険しい道を共に歩んだ妻との「夫婦の絆」と、彼が寄り添い続けた人々との「心の絆」を描く。

 主人公の精神科医・安和隆を柄本佑が演じ、妻役に尾野真千子、親友役に濱田岳、兄役にはNHKドラマ初出演となる森山直太朗が決定した。阪神・淡路大震災から25年を迎える2020年に、人の心に寄り添い、心の絆を繊細に描くヒューマンドラマが届けられる。

 ※安克昌氏の遺族関係者への取材から得た事実を元に、人の心の傷に寄り添い続けた精神科医の物語として大胆に再構成し、人物や団体名改称した上で、フィクションとして届けられる。また、安克昌氏が書いた同タイトルのルポ/エッセイ集とは内容を異にするオリジナルストーリーとなる。

あらすじ

 ジャズピアノはプロ級の腕前、レコードと読書をこよなく愛する“はにかみ屋”の若手精神科医・安和隆(柄本佑)。自分の居場所を探し続ける青年時代を送ってきたが、明るい妻・終子(尾野真千子)と出会い、同じ在日としての悩みを共にできたことでようやく心穏やかな日々を送る。第一子が誕生した直後、阪神・淡路大震災が起きる。精神科医としてできることは何か・・・模索の日々が始まる。和隆は被災者に寄り添い話を聞き続ける中で、精神科医にできることは、被災者を治療することではなく、治癒力を回復させる手助けをすることだと気づいていく。その後、精神科医として見た被災地の様子を一冊の本にまとめ、学芸賞を受賞。明るい兆しが見えはじめた、39 歳のある日、がんが発覚する。

主人公・安和隆役・柄本 佑コメント

 現在、桑原亮子さんのホンが3話まで手元にあります。桑原さんの描かれる登場人物は皆、文字という2次元の世界で3次元的に苦しんだり、悲しんだり、喜んだり、生き生きと躍動しています。そんな脚本に出会えた事に興奮しています。10月より安達もじり監督たちと共に安克昌さんを探す旅がいよいよ始まります。愚直にまっすぐ、安さんの人生を生きていこうと思います。頑張ります。

精神科医・安克昌(あん・かつまさ)氏プロフィール

1960 年大阪市生まれ。神戸大学附属病院精神科勤務を経て、神戸市西市民病院精神神経科医長を務める。阪神・淡路大震災直後より、全国から集まった精神科ボランティアをコーディネートし、避難所などでカウンセリングや診療活動を行う。震災一年後に臨床報告としてまとめた「心の傷を癒すということ~神戸・・・365 日~」で第18 回サントリー学芸賞を受賞。PTSD(心的外傷後ストレス障害)の若き研究者として治療活動に尽力するも、2000 年12 月死去。共訳に「多重人格性障害-その診断と治療」などがある。

土曜ドラマ【心の傷を癒すということ】

【出演】柄本佑・尾野真千子・濱田岳・森山直太朗・趙珉和・浅香航大・上川周作/濱田マリ・平岩紙/石橋凌・キムラ緑子・近藤正臣
【放送】 2020 年1 月18 日(土)~2 月8 日(土)<NHK 総合>午後9:00~9:49(毎週土曜日・全4回)
【作】 桑原亮子 (NHK・FM シアター「冬の曳航」で文化庁芸術祭優秀賞・ギャラクシー奨励賞受賞。今作が連続ドラマ初作品となる)
【音楽】 世武裕子 (映画『日日是好日』『生きてるだけで、愛。』・連続テレビ小説『べっぴんさん』など)
【スタッフ】 制作統括:城谷厚司 プロデューサー:京田光広 堀之内礼二郎 橋本果奈 演出:安達もじり 松岡一史 中泉慧
【収録予定】10 月上旬から12月下旬 神戸市・関西近郊 他
土曜ドラマ「心の傷を癒すということ」番組サイト: https://www.nhk.or.jp/dramatopics-blog/6000/411467.html

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