板垣恭一氏、清水くるみ、ソニン、柚希礼音、実咲凜音、石田ニコル

 元宝塚歌劇団星組トップスター・柚希礼音と、ソニン、元宙組トップ娘役の実咲凜音、清水くるみ、石田ニコルが27日、都内でおこなわれた、ミュージカル『FACTORY GIRLS~私が描く物語』取材会に出席。報道陣に稽古の一部が公開されたほか、同作への意気込みを語った。

 本作は、ブロードウェイの新進気鋭ソングライティング・コンビと日本のクリエイティブ・チームが共作する新作ロックミュージカル。自由を求め闘った女性達の物語で、世界に先駆けて日本で上演される。

 日本版脚本・演出を手掛ける板垣恭一氏は、米新進気鋭の作曲家コンビ、クレイトン・アイロンズ氏とショーン・マホニー氏が書いた曲をもとに脚本を書いたという本作を「産業革命当時のアメリカを描いた。メインは女性。労働問題など現代に通じるものはあるが、それをただ暗くおこなうのではなく、エンターテインメントとしてしっかりやろうと思った。いわば女性たちの青春群像劇」と語った。

 芸歴20周年を迎えた柚希礼音は、自由を求め闘った女性達の物語で、女性の権利を求めて労働争議を率いた実在の女性、サラ・バグリー役を演じる。「女性がこれだけ並ぶのはなかなかない。革命的なミュージカルだと思っています。恋愛がメインになっていない、でも女性にも共感が得られる。もちろん男性には、女性はこういうことを思っているんだということがわかる」とし、リーダー的な役どころから「宝塚のトップ時代にリーダーとして悩んだことが思い出される」と述べた。

 女性が多くを占める稽古場ともあって、普段とは様子が異なるという。共演の清水は「いつもの稽古場とは違う空気。女子高みたい。みんな役者だから、言いたいことは言うし」と述べると、柚希も「宝塚以来」と笑みを見せた。

 また、宝塚の後輩にあたる実咲は先輩との共演に「まさか柚希さんとご一緒できると思っていなかった」と喜びつつも、役どころとしては柚希の先輩を演じることから立場は逆転。「これまでは憧れの先輩で見上げている感じでした。舞台では肩を組む感じで…」と恐縮していた。

 共演の石田は本作がミュージカル2回目の出演となる。「みなさんが履くダンスシューズをみたり、いろいろな発見があります。吸収して楽しめたら」と初々しさを見せた。

 また、サラとぶつかり合いながらも固い友情を結ぶハリエット・ファーリー役を演じるソニンは「本作は新作なので、私たちがオリジナルになっていく。日々演出家や振付、みんなで話し合いながら一緒に作っています。正直、大変なところもあるけど、幕が上がった時にいままでにない達成感が得られると思う。女性だけが並んで、激しく踊って、女性のユニゾンで歌うのも迫力がある。きっとお客さんはソワソワと思う」と期待を膨らませていた。

 改めて柚希は「舞台で真ん中の人だけが目立つのはすごく嫌いで、役名がない子も最高に輝いていることが最高の舞台だと思っています。それを板垣さんも言ってくださってくれていて感動しています。みんな輝いて、どの人を見ていいか分からないようになれたら。良い稽古場です」と語った。

 なお、本作は9月に東京・TBS赤坂ACTシアター、10月に大阪・梅田芸術劇場メインホールで上演される。

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