寺本圭佑、サラリーマンからシンガーへ デビュー10年さらなる高みへ
INTERVIEW

寺本圭佑、サラリーマンからシンガーへ デビュー10年さらなる高みへ


記者:村上順一

撮影:

掲載:19年08月15日

読了時間:約11分

 今年デビュー10年目を迎える歌手の寺本圭佑が7月10日、移籍第一弾シングル「ひとりにしない」をリリースした。これまで歌って来なかった昭和歌謡。新しい寺本圭佑を表現しオリコン週刊演歌・歌謡シングルランキング2位を獲得。歌手への道のりはユニーク。カラオケ大会の優勝賞品に目がくらみ挑戦。3年目でチャンピオンになったが、大学卒業後は、地元・奈良市の食品会社に就職しだが、歌手への夢を諦めきれずに上京。しかし上手くいかず24歳でUターン。サラリーマンと歌の活動を併行しているところをスカウトされ、33歳で2010年、東大寺四郎としてデビューし、2012年に寺本圭佑と改名。インタビューでは新曲「ひとりにしない」の制作について、歌手を目指し上京したときのことや、積極的に全国でキャンペーンをおこなう寺本に話を聞いた。【取材=村上順一】

踏切で歌ったこともあったキャンペーン

――プロフィールの趣味に「ご当地三浦集め」とありますが、これは?

 三浦という腕時計があるんです。一時、フランク・ミュラーのパロディだとか言われたんですけど、その三浦が飲み屋さんとかでけっこう流行ったんです。それが今では都道府県バージョンが出たり。例えば奈良県だったら12時の文字盤に大仏さまや東京だったら東京タワーがあったりと。それを集めているんですけど、なかなか集まらないんです。

――昨年はキャンペーンで全国をまわって、けっこう集まったのでは?

 けっこう集まりました。いま16個くらいあります。でも売ってない所があったり、どこに売っているのかわからなかったりして、思ったようには集まりませんでした。

――色んな場所をまわる楽しみが増えていいですよね。昨年、47都道府県1174カ所のステージをまわられました。

 最初デビューしたときはキャンペーンのまわり方すらわからずに、先輩からの「とにかく可愛がってもらうんだよ」という教えからスタートしました。地元をまわっていたら少しづつみなさんが可愛がってくださるようになってきました。出身が奈良県なのですが、そこから京都に行ったり滋賀県に行ったり、北陸に行って新潟県から東北の方に繋がったり、ちょっとずつ広げていきました。去年は「夕顔~ふるえる花~」を発表したのを機に、全国一気に1年間でまわることができました。

――今は『日本縦断4万キロ〜目指せ!!地球一周〜』に挑戦中で。

 そうなんです。まだ11700キロですけど。(取材日は7月中旬・現在は18773キロ)

――これは今年中の目標なんですか?

 今年中です。数えるとちょっと辛くなってくると思いますから。最後の1カ月でどれくらい追い込めるかですね。とりあえず今はあまり深く考えずにやっていきたいです。

――さて、全国をキャンペーンでまわるなかで印象的だった場所はありますか?

 北海道はやっぱりいいですね。でも2月くらいに行った時、仕事に一回影響が出てしまったことがありました。行くのは良かったんですけど、帰って来るときにスケジュールを詰めて入れちゃってたので、飛行機が大雪で飛ばなかったことがあって。それでキャンペーンに戻ってこれなかったことがありました。自分でブッキングしているんですけど、それがちょっと怖いので、最近はスケジュールを気をつけるようにしています。移動日をつくってやらないとこれは大変だということを痛感しました。

――過酷な環境や場所での歌唱はありましたか?

 ありましたね…今はみなさんがお店を用意してカラオケとか、カラオケがない所でも機材を使ってとやってますけど、3、4年くらい前に「今日は外で歌うよ」と言われて、その場所に行ってみたら踏切の横だったり。歌の一番良いところで電車が通るんですよ(笑)。

――過酷な環境ですね。普通にステージがある所というのは恵まれているんですね。

 やっぱり舞台でお客さんがいっぱい入って歌えるようになりたい、というのが当時の一番の目標でした。他にも温泉施設で歌わせて頂いたりもしました。そういう所は「歌う所じゃない」とやらない歌手の方も多いんですけど、僕はそういう場所も好きで、そこからまた広げてもらって。奈良の健康ランドは地元ということもあって毎月やらせてもらっています。

――キャンペーンの中で印象的なお客さんはいましたか?

 「良かったよ! また観に来るね!」と言って頂ける方もいれば、その反面「もう歌うな!」と辛辣な方もいらっしゃいました。おかげで、メンタルがちょっと強くなりましたけど(笑)。今はスナックのキャンペーンを夜中に3〜4件、積極的にやるようにしています。スナックのお客さんは、飲みを目的に来ているので音楽を聴く体制ではないんですけど、歌ったあとにCDを買ってくださるのがすごく嬉しいんです。

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