Shine Fine Movement「みんなに忘れて欲しくない」1年8カ月の集大成、最後の輝き
Shine Fine Movement
コロムビア初となるアイドルレーベル・Label The Garden(LTG)所属の5人組アイドルグループ・Shine Fine Movement(以下SFM)が6月30日、東京・SPACE ODDで『“Shine Fine Movement 4thワンマンライブ ~Final Movement~”』をおこなった。Final Movementと題されたライブは、メンバーの朝比奈るうと羽深芽生が、それぞれの道を進むことによる卒業を受けて、グループはこの日に解散する。ライブは「光クレッシェンド」などダブルアンコール含め全16曲を披露し、最後の輝きをステージから届けた。さらに初秋に橘三姉妹による新たなユニットcharm*charm(チャムチャム)が始動することを発表。1年8カ月の集大成となったライブの模様を以下にレポートする。【取材=村上順一】
今日も最後まで輝いていきたい
SFMラストとなるワンマンライブには多くのファンでフロアは埋め尽くされていた。「Overture」をバックに登場した5人の表情は凛としていた。その表情が今日のステージへの意気込みとも感じさせ、「リフレクト」でライブの幕は開けた。ステージ後方で存在感を放つスクリーンに投影されたミュージックビデオをバックに、ここまでの成長の証を見せるかのようなパフォーマンス。続いては、ダンスビートに切ないメロディと歌詞が印象的な「雪桜」。スクリーンには桜と雪の結晶が投影され、儚くも美しい幻想的な空間も相まって、楽曲の世界観をさらに押し上げていた。
ファンの掛け声がいつも以上に力が入っているように感じさせた「アリスのしっぽ」。5人もキュートなモンキーダンスと振り付けで魅了。そして、今日で見納めとなってしまう自己紹介から、走り出したくなるような疾走感のある1曲「星に願いを」、続いてファンもメンバーと同じ振り付けで、まさにシンクロしたパフォーマンスで一体感を見せ、ソカのリズムが心地良い「シンクロ」、壮大なストリングスのイントロが印象的な「Love Magic」では、クールな表情とダンスで、また違った一面を見せてくれた。
デビュー当時の模様を撮影されたVTRを真剣に見つめるファンの姿。懐かしい映像は様々な思い出の扉を開いてくれる。ノスタルジックな感情に浸り、衣装をチェンジした5人が再びステージに登場し「ルミナス」を届けた。チェンジした衣装は「光クレッシェンド」のリリース時のものだ。いつまでもみんなの光でありたいと、メッセージを歌に乗せていく。ポップな「ダンシングドリーマー」、ファンの声がヒートアップした「You're My Sunshine」と、アップチューンで、梅雨のウェットな空気感を吹き飛ばすような、太陽のように元気なSFMらしさ溢れた瞬間の連続だった。
ここで解散についてそれぞれの想いを語った――。
過去に所属していたアイドルグループ解散からの卒業を経験してきた橘莉子は「今まで以上に実感が強くて寂しくてずっと泣いていました。SFMがあったということをみんなに忘れて欲しくないし、自分の中でも一番大切なグループにしていきたい。SFMの存在を守りたくてアイドルを続けたいし、みんなと離れたくないからアイドルを続けたいなと思いました。それぞれ別々の道に進むと思うんですけど、応援宜しくお願いします」 アイドルとしての決意を感じさせた。
卒業して声優の道へと進む朝比奈るうは「こんなに沢山の人にラストライブを見届けていただけることが嬉しいです。アイドルを始めて人との繋がりが本当に大事なんだなと思いました。今日ここにいる皆さん、事情があって来れなかった皆さん、誰1人として欠けていたらSFMは違っていたかもしれない、と思えるくらい皆さんの存在が大きいなと思いました。私はSFMのメンバーの一員として皆さんに出会えたことが本当に嬉しいです」と涙を流した。
ミュージカル女優を目指す羽深芽生は「私にとってこの1年8カ月は怒涛の日々でした。皆さんにとっても大変なこと、嬉しいこと色々あった日々だったと思います。その中で私達を見つけてくれて、私をアイドルにしてくれてありがとうございます。寂しさをこらえていてくれたと思うのですが、『頑張れ!』と言ってくれた皆さんの優しさや、愛を無駄にしないで夢に向かってこれから頑張っていきます。アイドルになって皆さんに出会えて良かった…今日も最後まで輝いていきたいです!」と目を潤ませた。
リーダーの橘咲希は「私の正直な気持ちは『解散したくない』悔しい思いがあります。でも、この5人で始まって、この5人で終われるということが嬉しいことでもあります。SFMで初めてアイドルをやって、普通の女の子だったら経験できないようなことも経験出来たり、社会勉強になった良い経験でした。応援してくださった皆さん、本当にありがとうございました。夢に向かって頑張っていくメンバーもいるので、これからも応援宜しくお願いします」と述べた。
最後に橘南桜は「メジャーデビューする時は不安も沢山あったんですけど、1年8カ月じゃ全然足りないなと言えるくらい、もっと沢山思い出を作りたかったんですけど、私にも夢があるように、メンバーにも夢があるので、そのメンバーの背中を押してあげるのも役目だと思ったので、悔しいんですけど最後までこのライブを楽しめたらなと思います」と思いを綴った。
解散したくない...
莉子は「解散したくない…」と涙するなか、新曲の「fancy you」を披露。<あと何日共に過ごせるかなその前に伝えたいこの想いを終わりがあるのは分かっていたことだけれど>、この歌詞の言葉が切なく響く。そして「Shine on The Road」でそれぞれの夢を照らし、「日はやがて沈み、そしてまた昇る。私達の光があなたの心の中でいつまでも光り増していきますように…」と投げかけ、本編ラストはメジャーデビュー曲「光クレッシェンド」を届けた。途中、南桜が泣き崩れる場面もあった。5人とファン、この場所にいるそれぞれの感情が溢れ出していた。
盛大な“Shineコール”に再びステージに5人が登場。莉子が「あなたのために歌います」と投げかけ始まった「You」は、フロアはオレンジ色のペンライトで埋め尽くされたなか5人は、情感を込めエモーショナルに歌いあげ、南桜は「最後まで盛り上がって行きましょう!」とシャウト気味の煽りからseeDreamのナンバー「fancy drop love」を投下。ファンも身体を弾ませ大きな盛り上がりを見せ、全身全霊のパフォーマンスでステージを彩った。
フロアから離れる様子をみせないファン。プロデューサーの貝塚氏がフロアに登場し、メンバーひとり一人の名前をコール。そして、「最後にもうひと輝きみせてくれ!!」と、再び“Shineコール”が盛大に響くなか、キラキラとしたイントロが流れ、もう一度「光クレッシェンド」を披露。全員が涙で目を潤ませた中での、ラストパフォーマンスはこの日一番の輝きを放っていた。そして、それぞれのカラーの花束を抱え、訪れたファンに最後の感謝を告げ、1年8カ月の活動に幕を閉じた。
最後、スクリーンに橘三姉妹による新ユニットcharm*charm(チャムチャム)が初秋に始動することが発表され会場が沸いた。終わりは始まり、しっかりと未来へと繋がることも再確認出来たステージには、彼女たちが去ったあとも光輝いていた――。
セットリスト
『“Shine Fine Movement 4thワンマンライブ ~Final Movement~”』
6月30日@東京・SPACE ODD
01.Overture
02.リフレクト
03.雪桜
04.アリスのしっぽ
05.星に願いを
06.シンクロ
07.Love Magic
08.ルミナス
09.ダンシングドリーマー
10.You're My Sunshine
11.fancy you
12.Shine on The Road
13.光クレッシェンド
Encore
EN1.You
EN2.fancy drop love
WEN.光クレッシェンド
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