先輩を超えていきたい、Shine Fine Movement 常に新しさを意識
INTERVIEW

先輩を超えていきたい、Shine Fine Movement 常に新しさを意識


記者:村上順一

撮影:

掲載:17年12月13日

読了時間:約14分

 5人組アイドルグループのShine Fine Movementが13日に、1stシングル「光クレッシェンド」でメジャーデビュー。老舗レコードメーカーのコロムビア初のアイドルレーベル「Label The Garden(LTG)」からFlower Notes、Clef Leafに続き3組目となるメジャーデビューとなる。橘莉子(19)、橘咲希(18)、橘南桜(15)、朝比奈るう(17)、羽深芽生(18)の5人組で莉子、咲希、南桜は3姉妹。LTG初期メンバーである南桜は満を持してのデビューとなった。5人にメジャーデビューへ向けた現在の心境や、メンバーそれぞれのパーソナルなことなど、多岐にわたり話を聞いた。【取材=村上順一/撮影=片山 拓】

メジャーデビューへの心境

Shine Fine Movement

――「光クレッシェンド」でメジャーデビューされます。今の心境はいかがでしょうか。

橘莉子 私は4年くらい前に別のグループでアイドル活動をしていたんですけど、19歳でメジャーデビューできるというのが夢のようなことで凄く嬉しいです。

朝比奈るう 私はメジャーとインディーズの違いがあまりよくわからなくて、メジャーデビューってどんなに嬉しいことなのか、わからなかったんです。Clef Leafの選抜に落ちて、Clef Leafがリリースイベントなどをしているのを見て、悔しい気持ちがありました。だからShine Fine Movementのメンバーに選ばれたときは「自分の番なんだな」と思えて嬉しかったです。

羽深芽生 私はみんなと違って、アイドルのことを良く知らなかったし、やったこともなかったんですけど、スカウトという形で入れて頂いて、急に事が進んでいる感じがあって、最初は戸惑うこともありました。でも、ファンの方々が応援してくださるので、メジャーデビューしてからも、もっと期待に応えられるように頑張りたいという思いが強くなっています。

――アイドル活動を全然していなかったのに、スカウトされたという経緯はどのようなものだったのでしょうか。

羽深芽生 芸能界に入るためのスクールに入っていて、そこでスカウトされました。数カ月前までは自分がアイドルになるなんて想像もしていませんでした。周りに相談できる人がなかなかいなかったんですけど、幸いShine Fine Movementに選ばれてからは、メンバーに相談できるので頼りになります。

――咲希さんは?

橘咲希 私も芽生ちゃんと同じ時期に入って、すぐにメジャーデビューが決まってびっくりしているんですけど、それ以前にアイドルになれたことに凄く驚いています。私はオーディションを受けたんですけど、その2週間くらい前まではやろうとは思っていなかったんです。3姉妹の姉と妹がもとから入っていたので、自分から率先してというより「やらないの?」という声があったから入ったというか…。

――後押しされて入った感じでしょうか?

橘咲希 はい。姉と妹がいなかったら入っていなかったかもしれません。もしかしたら、このグループではなかったかもしれませんし。嬉しい気持ちが8割くらいですけど、まだ不安もあるんです。

――3姉妹末っ子の南桜さんの心境はいかがでしょうか?

橘南桜 私はLabel The Gardenでも初期メンバーとして活動していました。初めての選抜のときに入ることができたんですけど、周りの子はダンスもできる、歌もできるという感じで、とにかくできる子ばかりだったんです。私だけダンスも歌もできないという状況で選抜に入ってしまって、そこで自分が出来なさ過ぎて、それ以降のFlower NotesやClef Leafの選抜にも落ちてしまって、しかもClef Leafの選抜に落ちたときに、2期として入ってきた子が入っていて。私は初期メンバーなのに、いまだにどのグループにも入れていないという焦りがあったんです。このまま続けられるかなと悩んだ時期もありました。

――辞めてしまおうかと?

橘南桜 やっていても報いはないのかなと。自分的にも「さすがにClef Leafには入れるだろう」と思っていました(笑)。そしたら、まさかの落選…。それは自分の実力不足もあったけど、ショックで何も考えられなくなって「もうアイドルいいかな」と思っちゃったんです。

 Clef Leafの選抜があった次の日にクリスマスのライブがあって、めっちゃ気まずかったんです! でも自虐ネタとかでみんな笑ってくれて、それは自分的にも良かったんですけど、やっぱり辛いという気持ちがありました。そのときに莉子とるうと同じメンバーになって、2人が自分を支えてくれて、これまでやれてこれたんです。

――Shine Fine Movementに選ばれて浮かばれましたね。

橘南桜 はい。こうしてShine Fine Movementに入ることができたし、リーダーの咲希もダンスと歌で引っ張ってくれるし。自分ではポンコツと言っているけど立派なリーダーだと思うので、この5人でメジャーで駆け抜けていきたいです。

――ところでグループ名「Shine Fine Movement」は、他のグループと比べてちょっと長いなと思いませんでした?

橘南桜 長いですよね(笑)。でもカッコいいと思いました!

橘莉子 Clef Leafの“Clef”とFlower Notesの“Notes”の意味がわからなかったんですけど、Shine Fine Movementはわかりやすくてイイなって思いました。英語が苦手なのでわからないだけなんですけど、Shine Fine Movementは一発でわかりました!

――“Fine”は音楽用語で終止記号となる“Fine(フィーネ)”と、おしゃれですね。“Movement”には“楽章”という意味もありますもんね。

羽深芽生 そうなんです!

橘咲希 このあいだ英語の授業で“movement”が出てきてキタコレ! ってなりました(笑)。

メンバーの今ハマっていること

インタビューの様子

――もう少し皆さんのことを知りたいなと思っているのですが、今ハマっていることはありますか?

橘莉子 私はアニメとゲームが大好きです! 麻雀にハマっています。アプリでやったりするんですけど、祖父母の家に麻雀セットがあるので、家族でやっています。

――意外な趣味ですね。麻雀は強いんですか?

橘莉子 まだ駆け出しなんですけど、そこそこ勝っています!

朝比奈るう 私がハマっていることは、スケジュール帳を一日眺めることです。その日に何をして、何を食べて…と考えるのが好きなんです。暇なときはいつも開いてスケジュール帳と向き合っています。

――ちょっと変わっていますね(笑)。芽生さんは何にハマっている?

羽深芽生 ミュージカルが大好きで、最近は一人カラオケにハマっています。近所のカラオケ屋さんに行って一人で歌いまくります。歌うのはミュージカルものが多いです。劇団四季の歌とか、東宝のミュージカルとか。『ライオンキング』の「心配ないさ〜」的なのも歌います!

――聞いてみたいですね! リーダーの咲希さんは?

橘咲希 インディーズアイドルが大好きです。最近はお風呂上がりに子供ビールとミミガーを食べることにハマっています!

――子供ビールとは?

橘咲希 見た目はビールなんですけど、味はリンゴジュースとかなんです。炭酸が強めでのどごしがもう…。

羽深芽生 のどごし(笑)。

――ミミガーをつまみに子供ビール?

橘咲希 大好きなんです! さっきも食べてきました。

橘莉子 一人で2パック食べるんですよ。

――おじさんの晩酌みたいですね…(笑)。南桜さんは?

橘南桜 ずっと変わらないのは仮面ライダーです。最近は小物を作ることにハマっています。ミサンガとか、ミニカーペットとか作るんです。

――ミニカーペット?

橘南桜 ちっちゃな絨毯があるんです。YouTubeで見て、これ作りたいなと。ミサンガは願掛けで身につけています。これをつけてからShine Fine Movementにも合格したし、ご利益があるものを作るのが好きなんです。

――ミサンガに興味があるということはサッカーがお好きなんですか?

橘南桜 サッカーはよくわからないんです。野球はわかるんですけど(笑)。

Flower NotesやClef Leafは越えなければいけない先輩

Shine Fine Movement

――莉子さんは最年長ですが、なぜリーダーにならなかったのでしょうか?

橘莉子 seeDreamのときにリーダーだったんですけど、私的にリーダーをやっていて辛いという感情しかなかったので…。ずっとLabel The Gardenにいるメンバーがリーダーをやっちゃうと、その形に染まっちゃうというのもあります。でも新メンバーがリーダーをやることによって、これまでになかった新しい形ができるんじゃないかなと思っています。プロデューサーの意思が同じかどうかはわからないんですけど、私にとってはありがたいと思いました。リーダーって本当にキツい仕事なんです。

――リーダーの咲希さん、やっぱり大変ですか?

橘咲希 メンバーの仲が悪かったら大変だと思います。でも、私達は仲が良いから大丈夫です。自分一人で考える訳でもなく、みんなで案を出してくれるので支え合っています。私が喋るのが苦手だから莉子が代わりにMCをやってくれたり。リーダーとは言っても、自分一人だけの仕事ではないんです。

橘莉子 私はこのメンバーの中ではアイドル歴は一番長いんですけど、アイドルのことはそこまでよくわかっていないので、アイドルの知識や心得に関しては咲希の方が詳しいです。例えば、特典会の締めの挨拶とか、ファンと一体化する方法とか、そういったことは凄くたくさん教えてくれるんです。だからFlower NotesやClef Leafではやっていないことを、私達はやれているのではという自負もあります。ファンの方々も「それ凄くいい!」って言ってくれて。

――具体的にどんなことをやっているのでしょうか?

橘咲希 特典会の後に日替わりの一発ギャグをやったり、締めの手拍子をしたりです。

――一発ギャグ、確かにそれは新鮮ですね。やっぱりFlower NotesやClef Leafをライバル視しているところもある?

橘莉子 系統が違うのでライバルというわけではないですけど、先輩にあたるので越えなければいけないとは思います。人間って新しいものに目が行くじゃないですか? そのときに掴めないと自分達がなくなっちゃう気がするので、とにかく全部新鮮にして、特典会なども新しいものを取り入れたりしているんです。

――今メジャーデビューに向かって進んでいますが、辛いと思う部分は?(取材日は11月中旬)

羽深芽生 私は普通の高校に通っているんですけど、テスト勉強とかリリースイベントとか、両立するのがけっこう大変です。毎週末あるので。

橘莉子 みんな学生なので、土日がリリースイベントとなると休みの日がないんですよね。月曜日とか大変だろうなと心配になります。

朝比奈るう 私はリリースイベントとか楽しいんですけど、たまに凄く考えちゃうことがあるんです。このグループのために何ができているかと…。ライブが終わって家に帰る毎に考えちゃうんです。色んなキャラや役割がある中で、自分に何ができるかなって…。

橘莉子 ネガティブ(笑)

朝比奈るう そうなっちゃうんですけど、メンバーがみんな明るいから楽屋なんかで話をしていると気が紛れます。

橘南桜 気持ちは凄くわかる。私は最年少だけど、Label The Gardenでは初期メンバーということもあって、Shine Fine Movementをまとめなきゃという思いがあるんです。でも、実際は自分は何もできていないし…。

橘莉子 るうと南桜は本当にネガティブなんです!

――Shine Fineと輝いているグループ名なのに…。

橘莉子 (笑)。でも、私はこの4人の良い所を3つはすぐに言えますよ! るうは、一瞬でその場を明るくできます。ネガティブな2人がいつも笑いをとってくれるんです。ちょっとムチムチしているところで「ブタ!」とか無茶に振ってもボケてくれるんです。

――えっ、ブタって呼ばれているんですか?

朝比奈るう メンバーからだけではなく、ファンの方からも言われるんです(笑)。

橘莉子 この前は「ハム!」って言われてた(笑)。一種のゆるキャラみたいな存在なんです。声も特徴あるし、色んな意味で目立つ子なんです。あと、SNSの使い方が上手いので、画像や言葉の使い方が一番JKらしくていいんです。

――確かにるうさんの声は特徴的で、武器になりますね。莉子さんから見た南桜さんの良い所は?

橘莉子 『14☆少女奮闘記!』という冠番組を持たせて頂いているんですけど、南桜は最年少なので一番ガンガン行くんです。生放送中に変顔をやっちゃったりとか。あれは南桜にしかできないと思います。経歴では一番先輩なんですけど、そういう風を吹かせないというか、優しいんです。

――確かにユニークですよね。咲希さんの良い所は?

橘莉子 咲希は自分でポンコツって言ってますけど、全然そんなことないんです。ダンスを覚えるのは早いし、歌の音程は正確だし。あと、咲希はネガティブな部分を絶対に表面に出さないんです。それはアイドルとして大事なことだから、その辺をすごく勉強しているんだなって思います。

――全然ポンコツじゃないんですね。

羽深芽生 立派なリーダーです!

――芽生さんは?

橘莉子 芽生はShine Fine Movementではセンターという位置にいるんですけど、センターって凄く大変なんです。やっぱりグループの顔なので、人気がなくなったらどうしようとか、そういう不安がたくさんあると思います。プレッシャーに負けないで頑張っているのが凄いと思います。

――橘莉子さんは多角的に分析していて凄いですね。

橘莉子 分析してます! Shine Fine Movementは、みんなが内に秘めた輝きが出せるところだと思うので、これから10年20年経っても、この輝きが衰えることなく進んで行けるグループになれたらいいなという思いがあるので!

――こうしてお話していても、Shine Fine Movementは凄く仲が良いグループだということが伝わってきます。

橘南桜 本当に仲良いんですよ!

芽生はShine Fine Movementの裏番長

Shine Fine Movement

――今回「光クレッシェンド」でデビューされる訳ですが、レコーディングはどうでしたか?

橘莉子 レコーディング中に南桜は泣いたよね。

橘南桜 1年やってきたくせにグループで一番ダンスも歌も下手で…。レコーディングもみんなよりたくさんやってきたのに全然できなくて。裏声で歌っちゃう癖があって、地声で歌っても全然上手くいかなくて、先輩らしくもできてなくて…。レコーディングで1年やってきた意地を見せなきゃと思ってもできなくて、結果遅くまでみんなに迷惑をかけちゃって、挙げ句の果てには芽生にマカロンを買ってきてもらって、本当に申し訳ないなって…。

羽深芽生 泣いているから励まそうと思って。マカロン食べたら元気でるかなと。

――芽生さん優しいですね。南桜さんの歌録りは大変だったのですね。

橘南桜 特に下手なので。

羽深芽生 そんなことないよ!

橘莉子 るうも苦戦していて、何回も録り直してました。

朝比奈るう 何回歌い直しても幼稚園児みたいな歌い方になってしまって…。

――個人的には飛び道具的な感じですよね。るうさんの声が入ってくると曲の世界観が変わるのでいいと思います。

朝比奈るう よくそういう風に言われるんですよ(笑)。

橘莉子 るうの声のおかげで歌が明るくなるし、可愛さがプラスされるんです! だから大丈夫だよ!

羽深芽生 うん。居ていい存在です。

橘南桜 言い方(笑)。

――芽生さん表現が面白いですね(笑)

橘莉子 Shine Fine Movementの裏番長なんです。

橘咲希 「マカロン買ってきてやったからな」って(笑)。

――MV撮影はどうでしたか?

橘莉子 学校の屋上やグラウンドで撮る予定だったんですけど、雨で駄目になっちゃったんです。

羽深芽生 リーダーが撮ってる最中に寝てました(笑)。

橘南桜 3姉妹で撮るシーンがあって、莉子が歌っている時に咲希がもうウトウトしていて。

橘咲希 前日もアーティスト写真とジャケット写真の撮影があって、2日連続で4時、5時起だったんです。それもあって音楽も流れているし、照明の光が暖かくて寝ちゃいました。割と大切なシーンだったんですけど。

橘莉子 リラックスしちゃったんだ(笑)。

――Shine Fine MovementはLabel The Gardenの3組目のメジャーデビューとなるわけですが、三代目というのは徳川家でいうと徳川家光で同じ“光”で繋がっているんですよね。それもあって、Label The Gardenの中でもすごく重要なグループだなと個人的に感じているのですが…皆さん、徳川家光は知ってますよね?

橘南桜 徳川家光が3代目だということは知らなかったです。3代目はJ Soul Brothersなら知ってますけど。ホトトギス的なのは前に習いましたけど。

羽深芽生 徳川さんって、もしかして15代目までいる人たちですか?

――そうです。皆さん現役の学生ですよね?

一同 (笑)。

橘莉子 3って縁起のいい数字だし、三代目なので、Flower Notes、Clef Leafが築いてきたものを大切にしながら、私達Shine Fine MovementでLabel The Gardenを盛り上げていけたらいいなと思います!

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