chay「制限せずに色々なことをやっていきたい」自身の世界観を広げた挑戦
INTERVIEW

chay「制限せずに色々なことをやっていきたい」自身の世界観を広げた挑戦


記者:小池直也

撮影:

掲載:19年04月21日

読了時間:約9分

 シンガーソングライターのchayが4月24日、ニューシングル「大切な色彩」をリリース。同作は昨年12月5日に発売した、Crystal Kayとのコラボ曲「あなたの知らない私たち」以来となるシングル。今作はchayが「思い出に色を付けた」というタイトル曲をはじめ、春にちなんだ楽曲が3曲収録されている。爽やかな曲調が並ぶが、制作には色々な挑戦があったという。視野が広がったというchayに、制作エピソードやデビュー7年の変化について語ってもらった。【取材=小池直也】

チームによる作曲への挑戦

――今作は春にまつわる曲が詰まっていますね。

 「大切な色彩」は富士フイルムさんの『#教室アルバム』のキャンペーンソングで、私自身の青春時代を思い出しながら作りました。思い返すと本当にキラキラしていて、まぶしい日々が浮かんできて。例えば、歌詞にも<理由もなくはしゃいだ帰り道>という一節があります。ただただ友達とふざけて、お腹がよじれるほど笑っていた思い出や、がむしゃらに夢を追いかけたり、悩んだ時期も全てひっくるめて愛おしい。当時の自分は「これが青春」ということを知らずに過ごしていたと思います。どれだけかけがえのないもので、いかに一瞬で儚いものなのか、ということも気付かず過ごしていました。だからこそ、その大切さを伝えらえたらと思って作った曲です。

――歌詞で「青春」「一瞬」とわざわざ括弧付きで表現された理由は?

 最近、写真を携帯とかで撮るけど印刷はしないじゃないですか。そうやって思い出を形に残していく、というのが『#教室アルバム』キャンペーンだったんです。そのお話をうかがって「一瞬を止めて色あせない様にする」という想いが強くて。でも「青春止めて」「一瞬止めて」と言葉にすると違和感があるじゃないですか。そこに敢えて括弧をつけることで、印象を変えています。

 記憶ってどんなに大事な瞬間でも10年、20年、30年経つと、どうしても細かいことを忘れたりするものです。だけど、何かのきっかけでその事柄について思い出せば、どんどん思い出す。今回の制作で中学生や高校生の頃<理由もなくはしゃいだ帰り道>がすごく寒かったなとか、緑がいっぱいで木がたくさんあったな、と風景やにおいや笑い声が蘇ってきました。どんどん思い出に色が付いていったんです。大人の方もこの曲を聴いて、それぞれの思い出に色を付けて欲しいですね。

――「大切な色彩」は作詞にはchayさんはじめ、安部純、Rie Tsukagoshi、岡田博子、作曲に藤田卓也、安部純、Huge M、田川瑚子と複数名のクレジットがあります。chayさんはどの様に関わったのでしょうか。

 分担というか、話し合いながら歌詞を考えていきました。楽曲に関してはメロディを聴いた瞬間にシンパシーを感じて「この曲がいい」とすぐ決まって。その後に自分の実体験を散りばめながら、歌詞を皆さんと作った感じです。アイデアを思いついた時に顔を合わせて話せない時は、夜な夜な電話して相談したり(笑)。2コーラス目のAメロ部分は歌う直前まで悩んでいましたね。レコーディング当日の午前中までやりとりもしていました。ここは、あえてリスナーに委ねている箇所なんです。<わかってる もう何も言わないで>とか、聴いてくださる方それぞれの想いに重ねて欲しくて。

 今まで私が書いてきた歌詞は具体的なものが多かったんです。でも、今回は「ここは委ねてもいいんじゃないか?」と意見をもらえて、こういう形にできました。これを書けたのはコライト(チームでの制作)だったからこそ。こんなにたくさんの方とご一緒するのは初めてでしたから。今までは自分で作詞作曲するか、どなたかと共作するか、作詞だけ、作曲だけという感じで。

 やってみて、自分ひとりだったら生まれないものが生まれるんだなと感じました。すごく視野が広がったし、刺激的でしたね。自分としても成長につながったのではないかなと。今後もこういう作り方を試していきたいですし、自分で作詞作曲もやりつつ、制限せずに色々なことをやっていきたいですね。

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