5人組ポップ・ロックバンドのネクライトーキーが17日、東京・渋谷WWWで『「ONE!」リリースツアー“オーキートーキー!”全国編「〆」』の東京公演をおこなった。昨年12月に発売した1stフルアルバム『ONE!』を引っ提げ、今年1月から2月にかけておこなった全国ツアー『「ONE!」リリースツアー“オーキートーキー!”』の好評を受け、「〆」として15日の大阪Shangri-La公演とワンマンで2公演をおこなった。15日の大阪公演でサポートメンバーとして活動していた中村郁香(Key)が正式加入。東京公演では、ダブルアンコール含め全23曲を披露。5人体制での新たな船出を勢いづける熱いステージとなった。【取材=松尾模糊】

たくさんの人の前で演奏するのは楽しい

もっさ(撮影=Kana Tarumi)

 靴音が重なりながらリズムとなり、そのSEに合わせて観客が手拍子で迎える中もっさ(Vo、Gt)、朝日(Gt)、藤田(Ba)、カズマ・タケイ(Dr)、中村がステージに登場。「レイニーレイニー」でステージを開始した。

 カズマ・タケイのドラミングから朝日がシャウトし「ジャックポットなら踊らにゃソンソン」を披露。中村のシンセサウンドがポップに響き、観客も一斉に手を挙げて盛り上がる。そのまま「夕暮れ先生」へとなだれ込む。もっさの歌うメロディーが耳に残る。

 もっさは「遂に「ONE!」のリリースツアーが終わります」と一言。すかさず朝日が「もっとツアーファイナルですとか、言い方あるやろ(笑)」と突っ込み、会場の雰囲気も和む。

 変拍子のリズムともっさの歌うメロディーラインが絶妙にマッチした「あの子は竜に逢う」、中村の弾くフレーズが印象的で軽快なアッパーソング「涙を拭いて」に続き、「浮かれた大学生は死ね」を立て続けに披露。過激な歌詞とポップなサウンドで会場のボルテージを上げて行く。

 もっさが、平面ではなく段々になっている会場をながめながら「棚田みたいですね」と感想。朝日は満員のフロアを見て「こんなにたくさんの人の前で演奏するのは、楽しいですね」と笑顔を見せた。

5人体制の真髄

ネクライトーキー(撮影=Kana Tarumi)

 独特のフレーズをループさせる朝日、そのギターのボリュームノブをもっさが右へ左へと回すコミカルなパフォーマンスのイントロから「許せ!服部」を演奏。彼ら独自のグルーヴとユーモア溢れる歌詞が中毒性の高いダンスロックナンバー。続いて「タイフー!」、中村の弾くフレーズが耳に残る「ロック屋さんのぐだぐだ毎日」で観客を躍らせる。

 もっさの歌い出しから始める「ゆうな」ではもっさがエモーショナルな歌声を響かせ、メロウな「午前3時のヘッドフォン」へと流れ込む。彼らの音楽の幅広さを垣間見せた。

 ここで、もっさが「大阪(公演)で発表しましたが、むーさん(中村郁香)が加入して5人になりました!」と改めて観客に告げる。中村は「よろしくお願いします!」と言い、温かい拍手と歓声が彼女の加入を祝福した。

 カズマ・タケイのドラミングから「だけじゃないBABY」を演奏。メロディアスなナンバーで会場の熱気を上げたまま、4曲連続で披露し「明日にだって」で本編を終えた。

 アンコールでは、ボカロP「石風呂」名義曲のセルフカバーミニアルバム『GIRLS!(仮)』を7月24日に発売することを発表。朝日は「まだ何が入るか未定なんですけど、ライブでやっている曲を中心に入れようと思います。さすがにそろそろ音源がないと不親切かなと(笑)」と話す。

 さらに「僕はネクライトーキーをやる前は一人で音楽を作っていたんですが、こんなにたくさんの人に聴いてもらえるようになって嬉しいです。それもメンバーのお陰です、ありがとう」とボカロP、石風呂としての活動を振り返りメンバーへ感謝を述べた。

 そして、「音楽が嫌いな女の子」を披露。藤田も声量のある歌声を響かせた。「遠吠えのサンセット」では朝日が飛び跳ねるなど、アグレッシブなパフォーマンスで熱量の高いステージを見せた。メンバーがステージを去っても鳴りやまない拍手と歓声に応え、ダブルアンコールで「夏の雷鳴」を披露し大団円でツアーを締めくくった。

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