上野優華「今の私だから表現できることも」オムニバス映画のような“恋歌集”
INTERVIEW

上野優華「今の私だから表現できることも」オムニバス映画のような“恋歌集”


記者:木村武雄

撮影:

掲載:19年01月22日

読了時間:約14分

挑戦だった「最後の願い」の作詞

――アルバム全体を通して、恋愛関係の浮き沈みを表現されているように感じられます。上野さんが作詞された「最後の願い」から、曲の主人公の目線が男性に変わりますよね。

 面白い意見だと思います! 「僕」という表現を自分で書いたことがあまりなくて。「僕」という表現にちょっとしたこだわりを持って書かせてもらっていたので、それが伝わって嬉しいです! 男性目線・女性目線をあまり意識しなかったのですが、自分が書いたからわりと女性に伝わるものがあるんじゃないかなと思っていたんですけど、男性目線にも受け取ってもらえるんだなと思って嬉しいです。男性でもこんな気持ちになりますか? 「大好きだよ、でもさよなら」って。

――大人になればそう思えることもあるのかなと。

 そうなんですね。私が今までラブソングを歌ってきた中で、好きだけど離れてしまうという曲を書いたことも歌ったこともなかったので、自分の中ではわりと攻めた1曲にしたつもりだったんです。

――自分にとってこの曲ができたことは大きなことでしょうか?

 大きいことでしたね。ラブソングは片想いのウキウキ感を書いたこともあれば、前作でちょっと大人なラブソングを書いたこともあったんですけど、これはわりとリアルなことだと思うんです。だからここまで踏み込んだことを書くことは私としてはチャレンジだったので、書いたことに意味があるという1曲になりました。

 歌の表現だけではない言葉の表現という今までなかったものが、20歳になって身の周りの友達なども増えてきて、色んな話を聞く中で付いてきた表現です。だから、やっと書けるようになったし、やっと歌えるようになった1曲だと思います。

――歌詞を書くにあたって語彙力を高めるためになど、何か特別にやっていることはありますか?

 本を読んだりとか、映画を観たりとか、そういうことを続けてきたんですけど、やっぱりそれって誰かが書いた脚本みたいなものじゃないですか? 今回、どの作品も私が書いたものは全部誰かの実体験をもとに書いているので、それが一番伝わるものがあるのかなと今回凄く感じました。

――単語もそうでしょうか?

 自然と出てきました。友達が言っていたことをそのまま書いているだけかもしれません。歌詞を書いたときに、「言葉が凄く大人になった」と言われたんです。それは私が意識して大人な感じにしたんじゃないんです。一体どこで覚えてきた言葉なのか自分でもわからないです。

 この1年、たくさんの人に会うようにして、友達の友達に会うようにしたりしていたんです。なるべくたくさんの人の話を聞くようにしようと。それが恋愛相談じゃなくてもいいんですけど、たくさんの人柄に触れることができたので、そこなのかな…。何かが自分の中で変わって、表現が変わったんだと思います。

――それと「好きな人」と「I WILL LOVE」は繋がっているように感じました。「I WILL LOVE」がアンサーソングのような感じでしょうか?

 なるほど! 叶わなかった恋というのを表しているのを、女性目線の「好きな人」と男性目線の「I WILL LOVE」というのが両極端で面白いなと思ったんです。それを繋げて聴こえる方もいると思います。言われて気が付きました。

――「最後の願い」で雰囲気もガラリと変わるので、繋げる役割を果しているようにも感じました。曲順が凄く良いですよね。

 ありがとうございます。凄く嬉しいです。誰かに聴いてもらってこのアルバムについて私が気付かされることってたくさんあるんです。そこも凄く面白いですよね。これから色々気付いていって、このアルバムは自分の中でもっと特別なものになっていくのかなと思います。

――今作を出したあと、どういった上野優華さんを見せていけるでしょうか?

 今回は誰かから話を聞いてそれを落とし込んで歌ったという、わりとリアルなことを届けてると思うんです。これからもずっと聴いてくださるみなさんの心に寄り添う歌を、というのを心の軸にして活動してきたんですけど、それがより深いものになると思います。リアルを歌っていけたらいいなと。それが自分が書いたもの、経験したものではなくても、今の私ならそれをリアルに歌えることができると思うので、それをお届けできたらいいなと思います。

 凄く大きな夢を語っている歌でもいいし、凄く寂しい歌でもいいし、それが寄り添うということなのかなと今では思うので。言葉では「寄り添う」で変わらないんですけど、より深いものになっていけたらいいなと思います。私はみんなのために歌っていきたいなと思います。

――2月にライブがありますね。

 2月にこのアルバムのリリースツアーをさせて頂いて、2月2日の東京キネマ倶楽部からスタートして、大阪・名古屋、地元の徳島とまわるツアーがあります。

――ライブで披露して楽曲が変化していく様子も楽しめる?

 そうですね。私の年齢感や経験でかなりガラッと雰囲気が変わっていく曲ばかりが10曲詰まっているので、そういう変化もツアーの中で感じて頂けると思うので、是非楽しみにして頂けたらと思います。

(おわり)

ライブ情報

上野優華3rd ALBUM Release TOUR「好きな人はあなただった」

2/2(土) 東京・キネマ倶楽部 [21st BIRTHDAY Special]
2/16(土) 大阪・阿倍野ROCK TOWN
2/17(日) 愛知・名古屋ell.SIZE
2/23(土) 徳島・club GRINDHOUSE

<チケット>
東京公演 ¥4,500(税込・ドリンク別 / 自由)
大阪・名古屋・徳島公演 ¥3,500(税込・ドリンク別 / 自由)
※4歳以上チケット必要

<時間>
東京公演 OPEN 17:00 / START 18:00
大阪・名古屋・徳島公演 OPEN 16:30 / START 17:00

<BAND>
東京公演
Keyboard 成瀬篤志[ghoma](カミナリグモ)
Guitar 曽根巧
Bass 菅野信昭(FoZZtone)
Drums MIZUKI(真空ホロウ)
Piano 岩永知佳

大阪・名古屋・徳島公演
Keyboard 成瀬篤志[ghoma](カミナリグモ)

■上野優華オフィシャルサイト
https://yuuka-ueno.com/

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