私の好みをみんな熟知して来た
――今回はシングル「glory」と「Bubble」の2枚同時リリースということですが、最近では珍しいですね。
彩姫 2つもタイアップを付けて頂けたので、2枚同時リリースということになりました。
――「glory」は10月からスタートしたアニメ『遊☆戯☆王VRAINS』のエンディング曲として流れているので、制作は結構前になりますよね。
彩姫 『遊☆戯☆王VRAINS』のお話を頂いて、夏フェスが終わってからレコーディングに入りました。
――お2人は『遊☆戯☆王』シリーズは観たことはあったのでしょうか。
小鳩ミク 最初のシリーズ『遊☆戯☆王』は小さい時に観てましたっぽ。
彩姫 私も最初の作品は観てました。
――作品のどのようなところを落とし込もうと思いましたか。
小鳩ミク まず今シーズンのテーマだったり、今までの作品を観てKANAMIが楽曲を書いて、そこから私が歌詞を書き始めましたっぽ。最初は作品にもっと寄ったほうが良いのかなと思って書き始めたんですけど、ちょっと違うなと思い、BAND-MAIDらしさを残しつつ書きましたっぽ。『遊☆戯☆王』は小さいお子さんだけではなく、大人の方も観られるのであまりストレートすぎる歌詞じゃなくても良いのかなと思い、半分くらいは書き直しましたっぽ。今回は彩ちゃんからのダメ出しもなかったですっぽ(笑)。
――彩姫さんは歌ってみていかがでした?
彩姫 こういうラテン・サンバ調のリズムは経験がなかったので、ベタベタしないように縦ノリ感を意識して歌いました。ちょっと言葉数が多いなと思いましたけど(笑)。メロの展開の仕方はKANAMIちゃんが好きなパターンですね。
――好きなパターンなども、もう熟知しているんですね。
彩姫 サビの後にちょっと違う感じのメロが入ってくる感じはKANAMIちゃんが好きなパターンで。あと、歌詞に登場する英語も小鳩が簡単なものにしてくれているので、みんなと一緒に歌えたらいいなと思っています。
――前作「start over」の時のようにカラオケでも歌いやすくというのがあったり?
小鳩ミク それは考えましたっぽ。アニメって番組で曲が始まると小さい子が一緒に歌い始めるじゃないですか。それをイメージして英語も難しい単語をあまり使わずに、音で覚えられるようなものを意識して書かせてもらいましたっぽ。なのでサビ頭の英語もなるべく簡単にしようと思ったっぽ。全部日本語で書いてしまうのはBAND-MAIDらしさに欠けるなと思い、最低限の格好良さと歌いやすさを残しつつ考えて書きましたっぽ。
――こだわりですね。この曲はすでにライブでも披露されているんですよね。
小鳩ミク はい。やっぱり『遊☆戯☆王』が海外でもすごく人気が高いということもあって特にヨーロッパでの盛り上がりは凄かったですっぽ。
――海外で定番の曲が増えましたね。もう一つのシングル「Bubble」はドラマ『パーフェクトクライム』の主題歌ですが、彩姫さんは原作を読んでいたみたいですね。
彩姫 かなり有名な作品ということもあって見てました。メンバーももちろん知っていて。
小鳩ミク 私はお話が来るまで読んだことはなかったんですけど、ネットの広告でよく見ていたのでタイトルは知ってましたっぽ。
彩姫 私はストーリーの流れは知っていたので、この曲がどこで使われるんだろうというのがあって、今からワクワクしてます。けっこう過激なラブシーンで始まるということもあって。
――不倫のお話だというのを見たんですけど、小鳩さんはどこを切り取って歌詞にしようと思いましたか?
小鳩ミク まず、今出ている全巻を読ませて頂いて、漫画、原作が好きでドラマを観る方が多いだろうなと感じたっぽ。それもあって原作が好きな方が歌詞を読んで、「これは違うな」と思われたら嫌だなと思ったっぽ。なので、これは作品に寄り添った歌詞になっているっぽ。原作で使われているセリフを歌詞に盛り込んだりしてるっぽ。泡沫も実際に原作に出てくる言葉ですっぽ。
――その泡沫からタイトルの「Bubble」も付けられた?
小鳩ミク それもありますし、このお話し自体が泡のように掴みどころがないものだなと思ったっぽ。そういう意味も込めて「Bubble」にしたっぽ。
――歌詞もちょっと怖いと言いますか、シリアスで。
小鳩ミク 確かにちょっと大人っぽいっぽ。「gloly」とは真逆のイメージで書きましたっぽ。
――この歌詞に関して彩姫さんからは何かアドバイスは?
彩姫 気になるところは特になかったので、大丈夫でした。最近は私の好みをみんな熟知して来てくれたなと思います(笑)。
小鳩ミク 2ndアルバム『WORLD DOMINATION』あたりからその辺りは変わって来たっぽ。歌い回しとかも彩ちゃんはこっちの方が良いんだろうなとか、歌いやすいだろうなというのは考えて作っているので、その成果が出てるっぽ。
――彩姫さん的には調教出来たという感じですね(笑)。
彩姫 そういうことになっちゃいますね(笑)。サウンド面でも最近は問題ないので何も言うことはないんですけど、あるとしたら、MISAのベースラインについてかな? というのも、MISAはフレーズが出来るとすぐ送ってくるんです。
小鳩ミク 「ねぇ聴いて聴いて」って凄いっぽ(笑)。
――えっ! すごく意外でした。MISAさんかわいいですね。
小鳩ミク かわいいっぽ(笑)。
彩姫 ちょっと時間が経つと「ねぇ、もう聴いてくれた?」ってLINEが来るんですけど、私も「今ちょっと忙しいからもう少し待ってて」とか返したりして(笑)。聴いたあとに例えば「ちょっとベースのフレーズが歌とぶつかるかもしれないから、上に行った方が良いんじゃないかな」ということを言ったりするぐらいです。
小鳩ミク あと、彩ちゃんがこだわっているのは最後のミックスダウンの時だっぽ。この音は引いた方が良いとか、話してるっぽ。
――全体のバランスですね。
彩姫 それは結構気にしていて、今までのBAND-MAIDの曲を総評して、この曲はどういった位置付けにするかというのを常に考えています。
小鳩ミク 彩ちゃんはミックスの時はサウンドプロデューサー的な感じになるっぽ。
――ちなみに彩姫さんのボーカルレコーディングのディレクションはメンバー全員でするんですか。
彩姫 小鳩とディレクターさんの方の2人に立ち会ってもらってレコーディングします。メロディに関してはKANAMIから一任されているので。小鳩の好みとディレクターさんの好み、そして私のやりたいことをレコーディングしていくといった感じです。
――3人の最大公約数を探していくわけですね。ちなみに「Bubble」をレコーディングしたのは最近ですか。
小鳩ミク 海外ツアーに出る直前にお話を頂いて。帰ってきてからレコーディングしたっぽ。
彩姫 実はストックの未発表曲を最初ドラマのスタッフさんが気に入っていただいて、「その曲でいこう」と一旦なったんですけど、KANAMIが原作を読んだことがあったので、個人的にその曲に作品との違和感があったらしく、温めていたデモ曲を持ってきたのが「Bubble」なんです。それを海外ツアー中に楽器隊がアレンジして。
――ツアー中に制作ってヘビーですね…。
小鳩ミク それもあってレコーディングの時のことをあまり覚えてないっぽ(笑)。今こうやってお話ししていて11月だったのかと再確認してビックリしてるっぽ。