西山茉希「ごまかしたくなかった」過去を語った理由、母になり変わった仕事観
INTERVIEW

西山茉希「ごまかしたくなかった」過去を語った理由、母になり変わった仕事観


記者:木村武雄

撮影:

掲載:19年01月16日

読了時間:約11分

出産したことで変わった仕事への意識、「不安」と「ありがたみ」

 そんな彼女は“ママ”になったことによって仕事への意識も変わったという。出産前後で直面したのは「仕事がなくなるのではないか」という不安。その表れか、2016年に第2子を出産した1カ月後に仕事に復帰している。

 「私たちが就いているのは、求めてくれる人がいなければ、成り立たない職業です。自分が『仕事がしたい』『仕事をします』と言っても、キャッチしてくれる人がいなければ仕事はいただけない。そのことを強く感じました。それまでは、仕事があるスケジュールは当たり前のものなんだという認識でしたが、産後は(仕事が)流れてしまう立場になったと感じています。私がいなくても成り立つし、別に代わりの人はたくさんいる。そういう不安や怖さとは出産前後であります。いまだに怖いですしね」

 育児と仕事の両立は難しいのが実態だ。まだ子供が小さい頃は時間の制約もあり、範囲も狭められた。改めて、仕事への「ありがたみ」を強く思うようになったという。

 「モデル・タレントとして事務所に所属しているのに、子供を優先にした時間の使い方とか…。『優先』という言葉を使うといかにも私自身が選択しているように思えるけど、実際には1、2、3歳という彼女たちの命を守るために母として選ばなくてはならない時間というのが第一優先にあって、そのなかで、当たり前にやれていた仕事の時間が当たり前ではなくなるという現実はあります。でも、それでもオファーしてもらえることに対するお仕事へのありがたみは、子供を授からなきゃ気づけない部分だったと思います。『この時間までしかいられませんけど、いいですか?』というものに対して、快く承諾して下さる『ありがたみ』は本当に大きいです。これに気づけたのは私にとって凄く大事なことでした」

 ファッション業界を駆け抜けた独身時代。忙しさに追われ、考える余裕もなかった。しかし現在は、子供と過ごす時間のなかで自分自身を見つめる機会も増えた。

 「自分を客観視することがないままこれまで来ました。いま思うのは、自分の考え方や思い、そしてイメージやキャラクターが、長い時間をかけて皆さんに近くになっていったらいいなと思っています。そうした意味も含めて、自分の言葉と写真で残せるものが欲しかった。この本を通して、見てくれる人、判断してくれている人と近づけたり、同じものが見られたら、楽しさは広がるなとも思っています。共感し合えるものがあればもっと関係が深くなれると思う」

 テレビや雑誌越しだったファンとの繋がりを、より直接的にしていきたいという彼女は清々しい表情で「色んな変化を経ての人生33年ですが、今の自分はこう考えているから、この気持ちをちゃんと発信してきたいと思います」と語った。

誌面の一部(世界文化社)

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