ゑんら「この1年が一番大変だった」セルフプロデュースユニットの魅力に迫る
INTERVIEW

ゑんら「この1年が一番大変だった」セルフプロデュースユニットの魅力に迫る


記者:村上順一

撮影:

掲載:18年12月27日

読了時間:約14分

 セルフプロデュースユニットのゑんらが12月9日、会場限定シングル「さよならを教えて」をリリースした。メンバーにはアイドルグループ・元dropの木乃伊みさとと「2000年に1人の美少女」というキャッチフレーズを持つ滝口ひかり、その実妹である滝口きららの3人組。昨年11月に、木乃伊と滝口ひかりがdropを卒業し今年の初めにゑんらを結成。7月にはミニアルバム『KEMURI』をリリースするなど、完全セルフプロデュースで精力的に活動している。自分たちがやりたいことをするためのセルフプロデュースは思っていた以上に大変と話す3人に、結成からの約1年間を振り返ってもらいつつ、ゑんらとはどのようなグループなのか話を聞いた。【取材・撮影=村上順一】

セルフプロデュースならではの苦労

滝口ひかり

――ゑんらという変わったグループ名ですが、ユニットのコンセプトはどんなものでしょうか。

木乃伊みさと 「煙々羅(えんえんら)」という妖怪がいるんですけど、煙りというところから、私たちも枠にとらわれず、変幻自在にやっていきたいという思いからこの名前を付けました。

――この名前はどなたから出てきたんですか。

木乃伊みさと 私からです。基本的なコンセプトなどは私が考えさせてもらいました。

――みさとさんがプロデューサー的な立ち位置でもあるわけですね。皆さんは各々活動していたわけですが、なぜゑんらを結成したのでしょうか。

滝口ひかり 以前いたグループや活動とは違ったことがしたくて、新たに立ち上げました。

――以前の活動と大きく違うところは?

滝口ひかり 前はプロデューサーさんやマネージャーさんがいて、私たちは演じることだけに集中出来ました。今は運営の部分も自分たちでやっているので、そこは大きく異なる部分です。グッズ制作もみさとがデザインして、業者さんに発注を掛けるといったことも自分たちでやります。

――その中で皆さんの役割というのがあると思うのですが、どんな分担になっているのでしょうか。

滝口ひかり 私は会社の方にメールを返したり、経理など運営に関わるところを担当しています。

木乃伊みさと 基本みんなで決めるんですけど、私は曲のコンセプトや衣装のデザイン、グッズ制作を担当しています。

滝口きらら 私は2人が好きそうなおにぎりやパンを買いに行く係です!

――なるほど…。重要な役割ではありますね…。

一同 (笑)。

滝口きらら ファンの方に聞かれたときはそういう風に返してるんですけど、実際は2人が手の届かないところを担当しています。

木乃伊みさと 印刷とかね。きららが一番重要なところはピュアでキャピキャピしたところ、やっぱり若さというものが必要だと思います。

――お二人とは5歳離れているので、また違ったアイデアも出してくれそうですよね。

木乃伊みさと そうなんです。きららから(携帯アプリの)「TikTok」や「17 Live(イチナナライブ)」とか教えてもらいました。「これ知らないの?」とたまに言われますから(笑)。ひかりちゃんが特に今の流行りとか全然知らないんです。

滝口ひかり 時代に疎いんです(笑)。今の若い人達はどうやって情報を仕入れてるんだろうと不思議に思います。

――若い方の情報収集力はすごいですよね。

滝口きらら 楽しくてずっと見ちゃうんです。そこから活動のヒントを得ることもあります。

滝口ひかり 私たちはネットでの露出も重視していて、これからYouTubeでも、きららと2人で動画配信をしていこうと思っています。みさとさんはクリエイターとしての作業を優先してもらって、2人でゑんらを広げていく活動が出来たらと思って。

――今年結成されて、もうすぐ1年が経つわけですが、2018年を振り返るといかがでした?

木乃伊みさと もうバタバタな1年でした。

滝口きらら やっぱり今までは演者としてしか悩みがなかったんです。以前はワンマンライブが終わったら、一旦落ち着くといった感じがありましたけど、これが終わっても次を考えなければ行けないという状況で。1年目で慣れていないということもあって、ずっと忙しい感じでした。

――考えなければけないことだらけだったんですね。この1年で印象的だったことはありますか。

滝口きらら セルフで全部やってみて、マネージャーさんとかの大変さがわかったことです。今までこんなに頑張ってくれていたんだなというのを痛感しました。それがわかったことは大きかったです。

木乃伊みさと 芸能界に入ってから通して考えても、この1年が一番大変だったと感じています。人生を振り返ってみても一番バタバタしていたかもしれないです。自分で勉強して吸収して成長出来たんじゃないかなとも思います。

――吸収したものをアウトプット出来てる感じも?

木乃伊みさと 1年半前ぐらいから始めたんですけど、曲もちょっと作れるようになったので、吸収したことをアウトプット出来ているような感じもあります。最近すごく音楽も聴くようになりました。

――どのような音楽を聴いているんですか。

木乃伊みさと  YouTubeで色んな音楽がピックアップされるんですけど、その中でK-POPとかR&Bとか、世界で流行っているものをチェックしています。

――トレンドチェックは重要ですよね。さて、ひかりさんの2018年で印象的だったことは?

滝口ひかり 9月30日に私の生誕ライブをやる予定だったんですけど、台風で中止になってしまったことです。山の手線が20時で止まるとのことだったので、中止にせざるをえなくて…。その日のお昼には私が主催の対バンイベントを開いたんですけど、そのイベントは大丈夫だったのですが、その出演直前に山の手線が止まるというニュースが入ってきまして、夜の生誕祭をやるか、やらないかの決断を迫られるという事態になりました。中止ならお客さんは勿論のこと、生バンドでやる予定だったので、バンドさんにも連絡しなければいけないし、関係者の方にも連絡をしなければいけないので…。それもあってライブ中に泣きそうになってしまって…。

滝口きらら もうバタバタの中、やるの? やらないの? みたいなやりとりをしていて。そうこうしているうちに出番がきちゃって。

滝口ひかり 本当にあの時は大変でした。ステージで泣いていたら、お客さんは事情を知らないので、なんで泣いているのかわからないですし。結果的に中止という判断を下したわけですけど、もう、踊ってる最中も気が気ではなくて「これがセルフプロデュースか」と思いました。

――セルフプロデュースの大変さを痛感してしまったわけですね。でも、こういう経験が今後の活動の糧になりますよね。

木乃伊みさと はい。この経験を踏まえて進化して2年目に行きたいです。

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