アイドルグループ・ゑんら(読み:えんら)が3月2日、東京・渋谷WWW Xで、結成1周年を記念したワンマンライブ『ゑんら1周年記念単独ライブ-縁-』をおこなった。“2000年に1人の美女”として話題となった滝口ひかりと、その妹・滝口きらら、そしてクリエイターとしても活躍の幅をひろげる木乃伊みさとの3人組。このライブでは初の全国盤流通シングル「妖怪ディスコ」を4月24日に発売することを発表し、1万枚チャレンジをおこなうこと告げた。7月24日までに成功すれば単独ツアーをおこない新宿・BLAZEでツアーファイナルをおこない、失敗すれば解散というもの。ライブは新曲「君がいない」や「妖怪ディスコ」などアンコール含め全13曲を披露し、ゑんらの持つ独特な世界観で魅了した。そのライブの模様を以下にレポートする。【取材=村上順一】

新曲「君がいない」を初披露

ゑんら(撮影=菊島明梨)

 結成1周年を祝おうと多くのオーディエンスが会場に集まった。ステージには生バンドのセットが組まれ、これから始まる宴への期待感は高まる。開演時刻になり、高揚感を煽るVTRに続いて3人がステージに登場。オープニングを飾ったのは人気曲「心中ミッドナイト遊園」だ。煙のように変幻自在、彼女たちの独特な世界観でオーディエンスを虜にしていく。

 「ゑんらにおまかせよ」、「迷い地縛霊」と序盤からアップチューンでフロアを盛り上げていく。振り付け一つひとつにも、ストーリー性を感じさせるパフォーマンス。立て続けに畳み掛け、昨年リリースしたシングル「さよならを教えて」では、アップビートに切なさを感じさせるメロディ、そして、問いかけるような歌詞が印象的で、オーディエンスの掛け声も盛大に響き渡った。

 MCに続いてゑんら初のバラード曲。「緊張する」と新曲「君がいない」を初披露。情景が目の前に浮かぶような楽曲で芯の強さを感じさせる歌。続いてはきららが作詞を担当したゑんらの中でも、一際明るさを感じさせるポップロックナンバー「つぼみ」。3人は扇子をなびかせ鮮やかに舞い、「叫べ」、「笑え」とメロディにのせ投げかけていく。

 そして、サポートメンバー紹介から盛り上がり必至の「のっぺらぼう」へ。<幽霊!>の掛け声で、オーディエンスも手を掲げ、ライブならではの一体感を作り上げ、その盛り上がりを更にブーストさせたお祭り騒ぎな一曲「ONORE」では、サビでの「回れ」という歌詞に合わせ、タオル回しでエキサイティングな空間を作りだした。

 ここで趣きを変えてアコースティックコーナーへ。3人は椅子に座り「キミノセイ」と「呪いの飴」の2曲を届けた。アコースティック楽器によるオーガニックなサウンドと3人の歌声が会場を包み込み、オリジナルとは一味違った表情を見せてくれた。

私たちは解散する気はありません

記念撮影(撮影=菊島明梨)

 ここでVTRを使って重大発表を伝える。まずは「さよならを教えて」とアルバム『KEMURI』の収録曲がカラオケで配信されることと、新曲の「妖怪ディスコ」が4月24日に全国流通が決定したことを発表。さらに1万枚チャレンジと題して、7月24日までにCD1万枚を達成すれば単独ツアーの開催と新宿BLAZEでツアーファイナルをおこなう。しかし、チャレンジに失敗したら「解散」という過酷な条件を提示。客席からはどよめきが起こる中、みさとは「沢山みんなと話し合って決めました。でも、私たちは解散する気はありません。なぜならば成功させるからです!」と頼もしい言葉。

 衝撃的な発表に続いて「妖怪ディスコ」のMVが完成したことを報告し早速お披露目。スクリーンに投影されたMVをじっくりと堪能し、その映像の終了と同時に生演奏で「妖怪ディスコ」届けた。4つ打ちのビートに心も体も踊り出したくなるナンバーで、3人の妖艶なダンスも見どころ。本編ラストは「アンバランス」。全身全霊のパフォーマンスにオーディエンスも腕を掲げ、掛け声に比例するかのようにボルテージは最高潮。

 会場からはゑんらと3人の名前を呼ぶ声が響く。インタビュー映像が投影され、この1年間を振り返り、これから挑戦したいことや、3人にとってゑんらとは何なのかを問われた。その問いにきららは「私になければいけないもの」と述べ、ひかりは「青春です。あとで振り返った時に人生で一番頑張った時期になるんじゃないかな」と話し、最後にみさとは少し間をおいて「全て」だと一言。それぞれのゑんらへの想いが表れていた。

 インタビューVTRが終了し、再びステージに3人が登場。スタッフから結成1周年のお祝いに、サプライズで花が3人に贈られた。そして、「まだやっていない曲あるよね!」と、客席から歓喜の声が上がる中「1周年ありがとうございました! これからも宜しく!」と投げかけ、「リンネ転生」を投下。これから待ち受ける試練を前に、凛としたアティチュードと覚悟が感じられるパフォーマンスを魅せた。

 みさとは「2年目も大きくなるために試行錯誤しているので付いてきて欲しい」と投げかけ、この1年間を凝縮した映像が投影された。二度と後悔をしないように、一瞬一瞬を噛み締めて前に進むというメッセージ。そして、応援してくれている人への感謝とともにライブの幕は閉じた。

 この日は3人とファンにとって結成1周年を祝うめでたい日。しかし、ひとつの覚悟を報告した重要な日となった。だが「二度と後悔をしないように」というメッセージにもあったように、きっと3人は1万枚を完売するはずだ。ここまでも数々の困難を乗り越えてきたのだから。

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